Supertramp~SunHero's Playlist from Amazon Music

スーパートランプ・ベスト

前回は、Amazon Musicの埋め込みリンクが、なかなか上手く表示できなくて、大変失礼致しました。今回は、A&Mレコード繋がりで、日本でも“Breakfast In America”が大ヒットした英国のロックグループ=Supertrampを紹介します。

前回少し触れた通り、彼等はレコード会社の青田買いで見出されたバンドでした。1970年のデビュー・アルバムが辛うじてBillboardのアルバム・チャートで最高位158位を記録したものの、1971年のセカンド・アルバムは悪趣味なジャケットの影響もあってか、まるで売れずじまい。

どうやらレコード会社との契約はアルバム3枚だったらしく、Richard DavisとRoger Hodgsonは他のメンバーを総入れ替えして、背水の陣を敷いてサード・アルバムの制作に取り掛かった。こうして1974年に発表されたのが、“Crime Of The Century”だった。

注)フルバージョン再生には、Amazonの(普段ショッピングで利用されている)アカウントで、Amazon Musicにサインインする必要があります。


アルバムはカナダで100万枚のセールスを記録し、ダイヤモンド・ディスクに認定されたほか、アメリカでも最高位38位を達成し、ゴールドディスク(50万枚)に輝いた。もちろん本国イギリスでも4位を記録して、ゴールド・ディスク(10万枚)になった。さらに、イギリスではシングル”Dreamer”がTop20ヒットに、アメリカでは意外にも”Bloody Well Right”がTop40ヒットになった。

1975年にはプロモーションで来日したが、コンサートは行なわれず、なぜかNHKの「ヤング・ミュージック・ショー」のために、無観客のスタジオ・ライブが収録された。日本にも欧米の評判は伝わってきていたが、先見の明があったのはNHKだけだった。

当時の日本の音楽誌での評価も、5段階で4程度と芳しくなかった。理由は洋楽初心者だったSunHeroにも分かった。実際にアルバムを買って聞いてみたら、神経質なくらい念入りにアレンジされたイントロに対して、呆気なくフェイドアウトで終わる曲ばかりだったからだ。

続く4作目は、より辛辣に世情を憂いた内容だったが、より広範なラジオ局でのエアプレイを要求されたのか、大作故に起伏に富んでいた前作に比べると、こぢんまりとした印象は拭えなかった。

その反省からか、十分に時間を掛けて制作された5作目は、先行シングルの”Give A Little Bit”がアメリカでTop20ヒットとなり、アルバムもTop20入りを果たし、元々人気の高かったカナダでは1位に輝いた。

バンドの快進撃は更に続き、6作目“Breakfast In America”でようやく日本でもブレイクしたほか、ついに全米No.1に躍り出るなど、世界中で大ヒットした。この時のワールド・ツアーでは、ギャラの折り合いが付かなかったのか、来日公演は実現せず、代わりにアルバム・ジャケットを飾ったウェイトレスのオバサンが来日した。

アメリカ録音によるドライなサウンドの感触が、無意識のうちにアメリカ人のハートを鷲掴みにしたのかもしれない。だが、このアルバムからはHodgsonの曲ばかりがヒットし、Davisの曲は影が薄くなってしまった。契約上、両者の曲が交互にシングルになることになっていたため、日本で最大のヒットになった表題曲は、諸外国ではシングル発売が見送られたようだ。

そもそも表題曲は、世間知らずのイギリス青年のアメリカへの滑稽な憧れを皮肉たっぷりに歌ったもので、ナンセンスな歌詞は英語圏では受けないだろうというレコード会社の判断もあったと思われる。にもかかわらず、7作目からはついにHodgsonのナンセンス・ソング=”It's Raining Again”がカットされ、見事にコケてしまった。

元々DavisがHodgsonに声を掛けて結成されたグループだけに、音楽的主導権が逆転して、二人の関係はギクシャクしていた。7作目がレコード会社の期待する成果を出せなかった結果、Hodgsonはソロに転向したが、傍目には共倒れだった。

SupertrampもHodgsonも、今も現役だ。Hodgsonに至っては、近年バンド時代の曲をメインにしたツアーを敢行していた。その勢いで来日して、Billboard Liveあたりでライブを!なんて期待したが、そんな気配もないままコロナ禍になってしまった。

今回のプレイリストは横着して、元々のベスト盤をそっくり取り込んだ。CDでは多くの曲がフォーマットに収まるように、シングル・バージョンや編集された圧縮バージョンだった。これがストリーミングとなると、そんな制約がなくなるため、ほぼ全曲がアルバム・バージョンになったからだ。

15曲中6曲が出世作“Crime Of The Century”からなので、遅れてやってきたプログレ・バンドと評された要素も十分感じられると思う。例えるなら、YesのJon AndersonがKing Crimsonに参加したら、こんな感じになったかもしれない?

さて、Hodgson脱退後のアルバムからも、”Cannonball”が収録されている。フル・バージョンだからこそ、Davisならではのダイナミズムが堪能できる。

ちなみに、プレイリスト名は、このベスト・アルバムの元々のタイトルだ。その名にふさわしいように、A&Mでの最後のスタジオ・アルバムとなった“Free As A Bird”から、シングルカットされた2曲を追加した。

そのアルバムからは、ファースト・シングルの"I'm Beggin' You"が、Club Play/DanceチャートでNo.1になったものの、アルバム自体は2ndアルバム以来の100位圏内入りを逃す結果となった。ツアーとライブ盤のリリース後、10年ほど音信不通になった。

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