The Ozark Mountain Daredevils~SunHero's Playlist from Amazon Music

click here to visit OMD Official Website略すとOMDだが、1980年代の第二次ブリティッシュ・インベージョンで、選りに選ってアメリカではA&Mが配給したシンセ・ポップ・デュオ=Orchestral Manoeuvres in the Darkの方が有名だろう。確かに、これだけ長いユニット名だと、ついつい略したくなるものだ。

ここで紹介するミズーリ州出身の「オザーク高原の向こう見ずども」が活躍したのは1970年代のこと。A&MレコードのA&R担当のDavid Anderleは、第二のイーグルスを探していた。カーペンターズやキャット・スティーヴンスといったスターを送り出したが、レコード会社の経営を安定させるためには、常に新たなタレントを発掘する必要があった。

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そもそも、1960年代のA&Mは、Herb AlpertがTijuana Brass(ティファナ・ブラス)を率いて、モンスター・ヒット・アルバムを連発したおかげで、モータウンと共にメジャーなインディー・レーベルへと急成長した。だが、いつまでもティファナ・ブラスだけでやっていけるはずもなく、アーティストのラインアップを充実させる必要があった。

自前で探しきれない分は、人脈を利用して補完した。Creed Taylorが起こしたジャズ・レーベル=CTIの配給権を獲得して、デオダードを世に送り出した。ダンヒルを去ったLou Alderが新たに手掛けたOde Recordsの配給を請け負って、Carole Kingを一躍スターダムに押し上げた。

さらに、イギリスでの新しい音楽の台頭にいち早く目を付け、イギリスに子会社を設立した。Rick Wakemanが在籍していたStrawbsや、70年代半ばにソロで大ブレイクしたPeter Framptonが在籍していたHumble Pie、70年代後半にA&Mの稼ぎ頭となるSupertrampやThe Policeなど、いわゆる青田買いを展開した。

好きなバンドに対して失礼な言い方だが、多分Anderle氏はワラをも掴む思いでOMDをデビューさせたのだろう。オーディションを兼ねたメンバーの自宅納屋での演奏には、イーグルスをプロデュースしたGynn Jonesを同席させ、バンド名を冠したデビュー・アルバム(1973)は、イーグルス同様イギリス録音という力の入れようだった。

その甲斐あって、デビュー曲“If You Wanna Get To Heaven”は、Top30ヒット(1974)となった。さらに、翌年には“Jackie Blue”がTop3入り(CashboxかRecord Worldのどっちかでは、見事No.1になったような気がする)の大ヒットとなった。その後も年一枚ずつアルバムをリリースしたが、セールスは下り坂を辿り、A&Mに5枚のスタジオ・アルバムと1枚のライブ・アルバムを残し、契約終了となった。

1980年にはColumbia(現:Sony Music)からアルバムを出したが不発に終わり、バンドは解散同然となる。その縁で、バンドのドラマーにして、Voice of “Jackie Blue”のLarry Leeは、日本で今もAORの大定番とされる「ロンリー・フリーウェイ」(原題:Marooned)を発表し、そのまま脱退した。

バンドは幾多のメンバー・チェンジを経て、オリジナル・メンバーのJohn Dillin、Steve Cash、Michael Supe Grandaを中心に活動を継続し、昨年“Heaven 20/20”というアルバムを出した。残念ながら、同年10月にSteve Cashは他界したが、デビュー当時の6人組から9人編成の大所帯になって、今も現役だ。

A&M時代(1973-1978)のパーソネルは以下の通り。

John Dillon - Vocals, Guitar, Autoharp, Dulcimer, Mandolin, Fiddle, Songwriter
Steve Cash - Vocals, Harmonica, Percussion, Songwriter
Michael Supe Granda - Bass, Vocals, Songwriter
Larry Lee - Vocals, Drums, Songwriter
Randle Chowning (left 1975) - Vocals, Lead Guitar, Mandolin, Songwriter
Buddy Brayfield (left 1976) - Organ, Piano, Harpsichord, Oboe
Rune Walle (joined 1975) - Guitar, Sitar, Banjo, Vocals
Ruell Chappell (joined 1976) - Vocals, Keyboards
Steve Canady (joined 1977) - Vocals, Guitar, Drums, Songwriter

メンバー中5人が曲を書き、リード・ボーカルを取る。正に「第二のイーグルス」だが、デビュー当時からLarry Leeだけはカントリー・ロックの範疇に収まらない楽曲を披露していた。その好例が「宇宙船オリオン号」だ。逆に、バンドのサウンドとしては正当派の“Homemade Wine”は、Larry Leeとしては異色の楽曲だ。

イーグルスが3作目でカントリー・ロックの範疇を飛び出し、The Doobie Brothersと共に70年代の西海岸ロックを代表するバンドに昇華していったのに対して、OMDはあくまでもカントリー・ロックを貫いた。その象徴がSteve Cashのブルースハープだったように思う。

SunHero's Playlistでは、意図的に前半はバンド本来のサウンドを、後半はLarry Leeの楽曲を中心に選曲した。もし彼の唯一のソロ・アルバムをお持ちなら、続けて聞いてみては如何でしょうか?

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