MONDO GROSSO - Attune / Detune (March 2018)

昨年6月にMONDO GROSSO名義で14年振りの新作をリリースしたばかりだが、如何にもクラブ・ミュージックらしいアプローチのスピンオフ作品が登場した。かつて浜崎あゆみがニュー・アルバムを出す度に、クラブDJ達によるリミックス・アルバムがリリースされたことがあったが、そうしたパターンを踏襲した感じだ。こういう作品をすんなり受け入れられるのが、ディープなクラブ・ミュージック・ファンなのだろう。

何よりも象徴的なのが、「Attune / Detune」(アチューン/デチューン)というタイトルだ。 "Attune" は「調子を合わせる」という意味で、音楽的には「テンポを合わせる」とか「同期させる」ということだそうだ。逆に、 "Detune" は「調子を外す」という意味で、音楽的には「テンポやリズム、音程をずらす」ということだそうだ。1960年代の電子音楽から、テクノを経て、EDMと呼ばれる今日まで、この手の音楽の本質的手法と言える。

さて、前作ではボーカリストを明らかにしないまま先行配信された「ラビリンス」で話題を集めたが、今回は話題のドラマ「きみが心に棲みついた」の挿入歌「偽りのシンパシー」がiTunesのJ-Pop部門で1位を獲得するなど、早くも注目を集めていた。前者は満島ひかり、後者はBiSHのアイナ・ジ・エンドが、ボーカルを担当した。前作収録の「惑星タントラ」でも、乃木坂46の齋藤飛鳥を起用したように、今回も人選が絶妙だ。

ところが、発売ひと月前くらいになって、ようやく新譜の全貌が明らかになると、SunHeroはとても腹が立った。理由はいくつかあるが、一番頭に来たのは、昨年の「何度でも新しく生まれる」をDVD付で買う必要はなかったということだ。あのDVDの内容がそっくり収録されている上に、インターネットで公開済みの3曲が追加された。しかも、Bru-ray化して、高画質&3Dサウンド仕様になった。

CDの方も、サブスクリプション制の配信サービスに、わざわざ入会した人には腹立たしい内容だろう。AWA限定のボーナス・トラックだった「TURN IT UP」(Vocal:大橋トリオ)と、Spotify限定だった「KEMURI」(Vocal:ACO)が収録されたからだ。だが、Bru-rayには収録された「春はトワに目覚める (Ver.1)」は、iTunesオンリーで本CDには収録されなかった。こういった出し惜しみは、大昔から音楽業界の慣習になっているとしか思えない。

そもそもタイトルの主旨からすると、AttuneとDetuneを駆使した前作の別バージョン集と思われたが、実際には2曲の新曲が追加された。冒頭を飾る「One Temperature」と前述の「偽りのシンパシー」だ。更に、配信限定だった2曲も、アルバムの前半に収められた。インスト曲を挟んだ後半が、本当の別バージョン集となっていて、SunHero的には一気に興味が失せた。

ここまで来ると、もはや好みの問題だろう。ディープなファンなら、ここからが聞き所だろう。だが、オーケストラ・アレンジの「ラビリンス」に至っては、興味が失せるを通り越して、聞き続けるのが苦痛になった。アルバムを締め括る「惑星タントラ」は、相対性理論のメンバーも演奏に参加した作詞者(やくしまるえつこ)バージョンだ。改めて、齋藤飛鳥は適任だったと、認識させられた。

ところで、Blu-rayの3Dサウンドは、どうすれば体感できるのだろうか?Bru-rayのメニューで「KISSonix 3D」を選択してみたが、急に音量が大きくなって焦った。DVDより音質は良いような気がしただけで、明らかに3Dと思える臨場感はなかった。それなりのAVシステムが必要なのかもしれない。




参考映像:楽器を持たないパンクバンド=BiSHとは・・・・

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