以下に近年のツアーの概略をピックアップしてみたが、①はオーストラリアからスタートし、韓国・中国・東南アジアを回って、欧米へ去って行った。今回は北米ツアー後に小休止を取り、日本から再開して、香港・ウェリントン・ソウル・バンコック・シンガポールと回り、ツアーは来年も続くそうだ。
① 40th Anniversary of the Rocket Man November 10,2012 ~ July 3,2013
② The Diving Board September 2,2013 ~ December 19,2013
③ Follow the Yellow Brick Road February 1,2013 ~ July 26,2014
④ All the Hits Tour September 13,2014 ~
御年68歳にして、イギリスの自宅に居る時間よりも、ラスヴェガスに滞在している時間の方が長いんじゃないか?シーザーズ・パレスでのショーを口実に、最高級ホテルの最上級の部屋で、ゴージャスな日々を満喫する方が、心地好いのかもしれない。恐らく「夫」同伴で泊っているのだろう。イギリスでは同性婚が認められて、EJと彼のパートナーは晴れて「夫々」(ふうふ)になったのだから。
2011年から毎年、同ホテルで開催されるロングラン公演は、“Million Dollar Piano”と題されている。その名の由来は、ヤマハ製の特注ピアノだ。側面がLEDパネルで覆われていて、背景とシンクロした動画やアニメーションが映し出されるという、派手好きなEJらしい代物だ。YouTubeで見た限りにおいては、背景と同化して、どこにピアノがあるのか、かえって分り難い。
長年ヤマハのピアノを愛用していて、アメリカで開催されたYamaha 125thというイベントにも出演している割には、来日公演の回数はECより遥かに少ない。事と次第によっては、これが見納めともなりかねない年齢になったから、横浜まで新幹線を飛ばして(?)馳せ参じた。Suicaのおかげで、東京駅での乗換がホント楽になった。
新横浜で新幹線を降りると、横浜アリーナまでヒタ歩きに歩いた。入場の列は短くなっていたので、スムーズに入れたが、物販コーナーの列はメチャ混みだった。先に建物内に何箇所かあるフード・スタンドで腹ごしらえをしてから、物販の列に潜入した。
愛想の良い姉ちゃんの列に並んだら、思った通り手際が良い。両隣の列よりも早く順番が巡って来そうだった。ところが、すぐ前の男が絵柄ごとにイチイチTシャツのサイズを確認するので、開演に間に合わないかと、怒り半分・心配半分の気分だった。幸い施設内のコインロッカーに荷物と買物を預けるだけの時間は取れたので、コンサートには軽装で臨めた。
直前の北米ツアーではオープニングが“The Bitch Is Back”だったらしいが、今回も前回の来日と同様の始まり方だった。バックステージでは杖を突いているという噂だったが、ステージに現れたEJは誰のエスコートも無く、スタスタとピアノまで歩いて行った。
前回は終始客席の方に顔を向けて歌っていたEJだが、今回は演奏中ほとんど真正面を向いていた。ハイテク・カンペが進化したからだ。前回は大型TVサイズの液晶ディスプレイが、客席から見るとモニター・スピーカーと区別が付き難い感じで、ステージ上に置かれていたが、今回はピアノの譜面台に置かれたタブレット・サイズのフォト・フレームに、歌詞が表示される仕組みになっていた。やっぱり顔を右に向けて歌い続けるのは、首筋に負担が掛かってシンドクなったのだろう。
ステージ両サイドの大型モニター・ディスプレイには、色々なところに設置されたカメラ映像が映し出されたが、EJのピアノのカメラには、ピアノの端に掲示されたセットリストが、部分的に映り込んでいた。ピンボケだったが、単語の長さと数で、何となく曲目が分ってしまった。前日に確認した大阪公演と同じっぽいなと思ったら、やはり全く一緒だった。
“All The Hits Tour”と銘打っておきながら、全米No.1ヒットを3曲もやらなかったが、大したヒットにならなかった初期のシングル曲は、EJ独特のメロディが堪能できるので、まずまずの選曲だった。個人的に感激したのは、“Sorry Seems To Be The Hardest Word”を演奏したことだ。
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