リアル鬼ごっこ (2015日本 R15+)

全国のJK(女子高生)の皆さん、あなたたちはちょっとふてぶてしいので、数を減らすことにします。そして、逃げ惑うJK達!主演はトリンドル玲奈・篠田麻里子・真野恵里菜。JK役にしては、ちょっと年齢が高くないか?まさか、一人一人では集客が厳しいから、毛利元就の「三本の矢」に倣って、トリプル主演なのか?予告編を見るたび、公開が待ち遠しかった園子温版「リアル鬼ごっこ」は、「ラブ&ピース」から僅か2週間で公開となった。

「新宿スワン」「ラブ&ピース」と、初日舞台挨拶上映の抽選販売に、立て続けに落選(チケぴが絡むと当選率がガタ落ちだ)した反動で、「リアル鬼ごっこ」の舞台挨拶は2日連続でGETしちゃった。だが、2日連続で見なければ、実際には予告編の文言とは全く違った展開に、戸惑ったままでいたかもしれない。否、鬼ごっこを逃げ切って、再びトリンドル玲奈が現れた時、それまでのストーリーが何だったのか、すぐには気付けなかったSunHeroこそアホだった。

そもそもの始まりは2001年に文芸社から自費出版された山田悠介の同名小説で、2004年に幻冬舎から文庫版と漫画版が刊行された際、若干改訂されたそうだが、園子温版は原作を大幅に逸脱した内容だ。特定の条件に当てはまる大勢の人達が、否応なしに生死を賭けた逃亡ゲームに巻き込まれるという大前提だけを踏襲している。

原作は西暦3000年のとある王国が舞台で、若くして即位した王が100万人の兵士を動員して、一週間限定で毎日一時間だけ「佐藤姓」の人間を捕まえさせるという、ゲーム感覚の人間狩りだった。文庫本も漫画も2008年の最初の映画も、小説とはチョットだけ内容を変えたのが功を奏して大ヒット。2010年には続編映画が公開された。

ブームに便乗して、2012年には新三部作の映画が連続公開された。ストーリーはさらにエスカレートし、血液型B型の人間をターゲットとした殺人ゲームだった。この三部作の初めの2作は、高校が舞台となっている点で、本作と共通性がある。

「佐藤姓」といい、「B型」といい、SunHero的には不愉快な設定だったので、絶対に見に行くものか!と拒絶した。だが、他の映画を見に行った際に、本作のトレーラーを見て、これなら喜んで見に行こうと思った。スケベ根性、丸出しだな。

映画を見ての第一印象は、前作「ラブ&ピース」で特撮に挑戦したのは、本作の予行練習みたいなものだということ。ただし、前作のメルヘンチックな描き方とは真逆の残虐性は、監督の過去の作品である「恋の罪」以上の迫力だ。胴体が上下にバッサリ、血飛沫が噴水のように噴き上がる。どこかチープな感じが漂いつつも、グロテスクな映像であることに変わりは無い。年齢制限が付くのも已む無しだ。

だが、このグロテスク感には見覚えがあった。まるで井口昇作品を見ているような錯覚すら覚えた。それもそのはず、特殊造形・メイクは西村喜廣が担当していた。過去の園作品でも「紀子の食卓」、「エクステ」、「愛のむきだし」、「冷たい熱帯魚」で特殊造形を担当していたそうだ。更に調べたら、園監督との関わりは井口監督よりも古く、大学時代からの映画仲間で、「うつしみ」、「自殺サークル」といったインディーズ作品の美術も担当していた。

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それにしても、あれだけ沢山の女性が出演してると、誰が誰だかサッパリ分かりません。「ソラから来た転校生」の星名利華は、辛うじて分かったけど、「ハイキック・エンジェルス」の宮原華音って、どの辺に出てました?

それから、主人公のキャラが変わっても、いつもどこからともなく現れて、ピンチを救ってくれた友人アキを演じていたのが、桜井ユキだったんですね。姉御ハダの女子高生役だったけど、実は篠田麻里子より1つ年下だったんですね。今年中に公開になる8本の作品に出演という、チョット遅れて登場した注目の女優さんだ。

ひょっとして、トリプル主演の3人よりも、出番が多かったりして?「新宿スワン」にも出演していたそうですが、どんな役だったかな?他にも、うっかり見損ねたTV版「みんな!エスパーだよ!番外編~エスパー、都へ行く~」にも出演していたなんて、かなり園監督に気に入られたみたい。

そんな調子で、当初、女優陣しか注目していなかったら、終わりの方に斎藤工が1人2役で登場。ゲーム「リアル鬼ごっこ」の開発者の老人と、そのゲームの勝者としてご褒美に与ろうと“やる気満々”の青年。前者の特殊メイクは、西村映造(人名では無く、会社名です、念のため)の真骨頂だけど、斎藤工だと分からないのは、やり過ぎだったかも!?

それ以上に凄かったのが、青年役の方でしょ。さらりと服を脱いで、ベッドに横たわり、トリンドル扮するミツコに隣に来いと促す。SunHeroには真似できましぇん。井口監督の「ロボゲイシャ」で、大真面目にロボットを操縦する滑稽なシーンをこなしていただけに、パンツ一丁になるシーンなんて朝飯前なんだろうな。ミツコは土壇場で拒絶するけど、観客の女性の大半はそうは思わなかったんじゃないだろうか?

如何にも、園監督らしい着想で、面白かった。


<< 2015/12/12 追記 >>
本作に関する言いたい放題の、だけど核心を突いた対談記事を見つけました。一見原作から掛け離れすぎたストーリーに、全く理解できなかったという方にも合点が行くよう、そういう設定だったのかと種明かしをしてくれています。映画のテーマが何だったのか、深く掘り下げていて、やっぱりプロの鑑賞の仕方には敵わないなと、実感させられました。

エキサイトレビュー:
原作よりひどい!映画「リアル鬼ごっこ」 女子高生が走って逃げて、ぶっ殺されるだけ
ライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんの対談

この記事へのコメント

  • SunHero

    ふじきさん、ラブ&ピースの真野ちゃん、ちょっとしか出演してないじゃないですか。「断然好き」と言えば、新宿スワンの風俗嬢役だと思うのですが、いかがでしょうか?
    2015年09月18日 01:46
  • ふじき78

    個人的にはこの真野ちゃんより、ラブ&ピース」の真野ちゃんの方が断然好き。
    2015年09月17日 21:00

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リアル鬼ごっこ(2015)
Excerpt: 2015年 日本 85分 サスペンス/ホラー/アクション R15+ 劇場公開(2015/07/11) 監督: 園子温 『新宿スワン』 原作: 山田悠介 脚本: 園子温 特殊造型プロデューサー: ..
Weblog: 銀幕大帝α
Tracked: 2015-12-01 20:32

リアル鬼ごっこ (2015)
Excerpt: 原作の、「リアル鬼ごっこ」は、山田悠介のデビュー作。2001年に文芸社から自費出版本として刊行され、発行部数100万部を超える話題作となったんですってね。 それを、園子温がオリジナル作品として、..
Weblog: のほほん便り
Tracked: 2016-05-31 09:49
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