
辛うじて「把握」しているのは、2006年の新作 “XXX” が30作目と、当初22作目として制作されたのに、レコード会社にボツにされた、2008年にやっと日の目を見た “Stone Of Sisyphus (XXXII)” が32作目だということくらい。その間には、本格的なビッグ・バンド・ジャズに取り組んだアルバムやクリスマス・アルバム、ライブ・アルバム、ベスト盤などを出している。それらは「一体」何作目に当たるのか?
厄介なのは、数多リリースされたベスト盤。“Chicago IX”のようなバンド公認のベスト盤と、日本のレコード会社が独自に企画したベスト盤の区別が付かないこと。お馴染みのフレーズだが、「一体‘全作’を把握している者はいるのだろうか?」 ご存じなら、コメントでもトラックバックでも構いませんから、教えて下さい。
さて、デビューして半世紀になろうとしているChicagoは、オリジナル・メンバー7人中4人が現役で、Peter Cetera脱退後のオーディションで加入したJason Scheff、Danny Seraphineの後任として加入したTris Imboden、Bill Champlinの後任のLou Pardini等、総勢9人の大所帯バンドだ。さらに、ホーン・セクションを担うサポート・メンバーが居て、聞いての通りブラスが分厚い音を奏でている。
オープニングを飾るタイトル・ナンバーでは、Jason Scheff はボーカルに専念し、ベースは Earth,Wind & Fire の Verdine White が弾いている。その他、ドラムもブラスもメンバー以外のメンツだ。日本公演は実現していないが、DVDが発売されているように、ChicagoとEW&Fは度々ジョイント・ツアーを行っている。
2009年には Robert Lamn が彼等と一緒にアルバムを制作する計画があることを明らかにしていた。ひょっとすると、アルバムは結実しなかったが、その時のセッションなのかもしれない。(←訂正:2013年のジョイント・ツアーの合間に録音されたそうです。)
だが、何よりも本作が ‘NOW’ なのは、その制作過程だ。ほとんどの録音は、ツアー中のホテルで行われたそうだ。各曲はその作者が監修プロデューサーとして制作され、エンジニアの Hank Linderman が調整役(プロデューサー)として全体をまとめたそうだ。それを可能にしたのが、‘The Rig’というポータブル録音機器だそうだ。トランペットの Lee Loughnane が中心になって開発したらしい。
バンドの創始者である Walter Parazaider が、高齢による健康上の理由からか、ツアー不参加なだけでなく、本作でも僅か3曲にしか参加していない。他の曲では、助っ人メンバーの Ray Herrmann や Larry Klimas がサックスを担当している。こうしたことからも、レコーディングがツアーと並行して行われたことが窺える。
“The Rig”が如何に凄いのかと言えば、そうした録音にも拘らず、音質がすこぶる良いことだ。そこで、公式サイトでは96kHz/24bit仕様の超高音質アルバム(?)がダウンロード販売されている。ファイル形式もWAV, AIFF, FLAC, ALACから選べるようになっている。伊達に ‘NOW’ と命名した訳ではなかった。
全曲フル試聴した感想は如何でしたか?47年目の36作目にして、こんなにハツラツとしたサウンドを聞かせてくれるとは、正にアメリカン・バンドの大御所としての面目躍如だ!!


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