GOEMON (2009日本)

映画comの作品情報サイトへ最近の映画レビューをご覧頂いた方の中には、次にこれが来ると予想された方もいらしたのではないでしょうか。紀里谷和明監督の長編映画2作目に当たる娯楽大作「GOEMON」です。もうちょっと早くご紹介できるはずだったのですが・・・・ハイ、お待たせ致しました。(^_^)

1作目はタツノコプロの1970年代のアニメの実写版「CASSHERN」でした。「ガッチャマン」や「ヤッターマン」を手掛けているタツノコさんにしては、当時から難解な印象があったアニメだけに、麻生久美子が出ていなかったら、レンタルしてまで見なかったと思います。実際、映像的に懲りすぎたせいか、舞台設定も物語の展開も訳の分らないまま終わってしまうという印象でした。だから、2作目には全く期待していなかったのですが、虫の知らせでしょうか(笑)、観に行ってしまいました。

歴史上の人物ばかりが登場するものの、史実を大きく逸脱した設定で、公開前から映画そのものよりも監督に対する批判めいた発言がネット上で見受けられました。ドキュメンタリー番組「情熱大陸」では、そんな批判にマッコウクジラ、否、真っ向勝負で応戦する紀里谷和明監督の姿勢が強調されていましたね。案の定、放送直後から監督に対する、もはや誹謗中傷レベルの批判が増えて、結果的に火に油を注ぐだけだったと思います。

それでも、興行成績的には「ダ・ヴィンチ・コード」の続編的映画「天使と悪魔」に次ぐ観客動員を記録していたので、そんなアホらしいバトルに乗せられて見に行くなんて馬鹿だよなとは思いつつも、文字通り「興味本位」で見に行きました。というか、最近の国産アクション映画、「マトリックス」以降マンネリ気味のハリウッド映画よりも面白いと思いませんか?

実は、昨年建物自体をリニューアルしてしまった新宿ピカデリーで、「天使と悪魔」と立て続けに見ました。両方とも面白かったですが、個人的には「GOEMON」の方に軍配を上げます。どちらもテンポよく物語が進行しますが、「天使と悪魔」は謎解きが間に合わず、誘拐された司祭が次々に無残な遺体となって発見されるのが、歯痒くて仕方ありませんでした。「GOEMON」でも江口洋介扮する主人公の他人の迷惑を顧みない行動が生む悲劇には腹立たしさを覚えましたが、ゴリ扮するサスケがその気持ちを観客に代わってゴエモンにぶつけるシーンがあって、ちょっと感動しちゃいました。

goemon02.jpgマドンナ役の設定も「CASSHERN」の時よりは人間的な描かれ方で好感が持てましたが、あくまでも男性監督が求める女性像=「美麗な人形」の範疇なのが相変わらず不満でした。前回の麻生久美子にしろ、今回の広末涼子にしろ、芝居の出来る女優なんだから、もうチョット演技させても良かったんじゃないでしょうか?

全てが架空の設定だった「CASSHERN」の難解さに比べれば、有名な歴史上の人物の一般に広く知られた人物像をモチーフに、適度に史実を織り交ぜて物語が展開するので、「GOEMON」の方が取っ付き易いと思いました。時代考証を全く無視した物語が展開することに関しては、冒頭に紀伊国屋文左衛門を登場させることで、観客に周知させられたと思います。

安土桃山時代あたりの戦国物語は、もう正攻法では語り尽くされていますから、想像力を膨らませて虚構の歴史物語に仕立て上げたのは面白いと思いました。実際、舞台演劇では黒木メイサを主役に「女信長」が上演されたばかり。あまり乱立すると、何が史実なのか分らなくなってしまう恐れもありますが、それはむしろ観客の側が事前に心得ておくべきことではないでしょうか?

その他、印象に残ったことを綴ると、奥田瑛二扮する豊臣秀吉の存在感には、「愛のむきだし」で新興宗教の教祖よりも熱心に布教活動を行い、その血気迫る怪演振りに圧倒された娘=安藤サクラの演技に触発されたのではないかと感じました。凄い親子ですね。あと、実写版と言いながらもアニメちっくな印象を与えるCGの多用は、まあ、好みの問題でしょうね。「ラスト・ブラッド」にも見受けられた傾向なので、ある意味でトレンディなのかもしれません。

この記事へのコメント

  • SunHero [管理人]

    クマネズミさん、古い記事にもTBありがとうございました。
    CASSHERNも後程拝見させて頂きます。
    2010年05月27日 12:30
  • クマネズミ

    マッタク時機を失してしまい申し訳ありませんが、この映画に関し同好の士とお見受けいたしましたので、遅ればせながらTBさせていただきました。
    なお、昨年7月29日の記事では「CASSHERN」(DVD)を取り上げましたので、お暇な折にでもご覧いただければ幸いです。
    2010年05月27日 06:18

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Goemon
Excerpt: 「Goemon」を渋谷シネパレスで見てきました。  日本のCG技術がどのくらいのレベルになっているのかとか、かなり奇想天外とされるストーリーはどんな内容なのか、といったことを確かめてみたいという気も..
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Tracked: 2010-05-27 06:16
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