Eagles - Long Road Out Of Eden (October 2007)

ロング・ロード・アウト・オブ・エデン
イーグルス
ユニバーサル インターナショナル (2007-10-31)
定価 ¥3,800(税込)、歌詞・対訳・解説付き

通常盤が昨年10月、豪華盤(?)が同12月発売だったので、間を取って1年後の11月に紹介します(笑)。何を今更のイーグルス28年振りのオリジナル・スタジオ録音盤です。スティーリー・ダンの20年振りを上回る記録ですが、小倉智昭を筆頭に発売前から浮かれ捲っている輩を目にするうちに、独り興醒めしてしまいました。本当は嬉しいはずなのに、何で素直に喜べなかったんでしょうねぇ?

最大の不満は2枚組だったこと。そんなに曲があるんだったら、シングル“Hole In The World”の頃に1枚モノのアルバムを出しておいて欲しかった。これはサザンオールスターズの「キラー・ストリート」が出たときにも思ったこと。サザンの場合は、モチロン「TSUNAMI」の頃ですね。しかも、洋楽なのに邦楽のような定価に、輸入盤までが強気の高価格設定。興醒めを通り越して、憤りさえ覚えた。とりあえず、豪華盤の仕様がハッキリするまで、買わずに待つことにしました。案の定、輸入盤に日本語解説と対訳のブックレットを付けただけ。くすんだ赤を基調としたハードカバーは、まるでガミラスの遊星爆弾で放射能に汚染された地表みたいだ(笑)。デザインのセンスを疑ってしまった。

モノトーンの地味なアートワークに対して、第一弾シングルはデビュー当時を思わせる脳天気な曲調だったのも、チグハグな感じがした。それでも買うのが本当のファンなんだろうが、ますます買う気が失せてしまった。

気が変わったのはHMVのおかげ。「厳選国内盤CD2点以上で20%オフ」の対象に本作が加えられたから。豪華盤は既に実物を目にして、特に魅力を感じなかったので、迷わず通常盤を買った。あえて国内盤にしたのは、日本語解説に期待したから。28年振りのアルバム発表の背景が多少なりとも分るかな?と思った訳。解説には一応満足した。

肝心の音の方は、賛否両論沸き上がるのも無理ない内容だった。リスナーが何を期待して聞くかで、コインの裏表のように評価がはっきり分かれる中庸な仕上りだった。つまり、全てのイーグルス・ファンが望むものの最大公約数だった。見事に割り切れるのは流石だと思ったが、それが逆に割り切れないファンも居るだろう。私はそこまで天邪鬼じゃないから、制作に6年も掛かったのも頷けた。

Disc 1は謂わば初期のイーグルス。往年のファンは一気に回顧的な気分に包まれるだろう。当初は違和感しか抱かなかった前述のシングル曲もノスタルジーの演出に大きく貢献していた。グレン・フライと同郷でアサイラムのレーベルメイト=J.D.サウザーの作で、オリジナルはイーグルスのデビューと同じ1972年に発売のファースト・アルバムに収められているそうだ。だが、ジョー・ウォルシュやティモシー・B・シュミットの歌声に、現実へ引き戻されてしまうのは、止むを得まい。

Disc 2は一転して後期~現在のイーグルス。10分にも及ぶ表題曲は、「ホテル・カリフォルニア」や「ラスト・リゾート」といった曲の現代版だ。そこから従来にはなかったような曲調・アレンジの曲が続き、バリバリの現役感を印象付けられた。何となくグレン・フライとドン・ヘンリーの二人が目指した音楽の完成形がここにあるような気がした。

ということは、何も今頃になって2枚組CDで出さなくても、“Hole In The World”の頃にDisc 1を、今年辺りDisc 2を出したって良かったんじゃないだろうか?その場合、あんなに売れたかどうかは保証できない(笑)。バラバラに出すより、2枚組にした方が、実は買う側だって安く上がる。

何だか急にセコイ話になってしまった。このアルバムの本質的な部分での凄さは、やはりプロの解説に委ねるべきだろう。ちょっと感動したレビューを見つけたので、以下にリンクを貼ります。昔、今野雄二氏がエルトン・ジョンの「黄昏のレンガ道」に寄せた解説に匹敵すると思われるほど、佐藤弘弥氏は鋭い洞察で本作を分析している。

イーグルスの新曲「ロング・ロード・アウト・オブ・エデン」を聴きながら考えるアメリカ
(上)=エデンの園を追われた人類の現在と未来
(下)=「ホテル・カリフォルニア」から「ロング・ロード・アウト・オブ・エデン」へ
インターネット新聞JanJanより

★Best Track=選考中!

ロング・ロード・アウト・オブ・エデン~デラックス・エディション
イーグルス
ユニバーサル インターナショナル (2007-12-07)
価格 ¥4,800(税込)、輸入盤+解説対訳ブックレット

Long Road Out of Eden
Long Road Out of Eden
posted with amazlet at 08.11.14
The Eagles
Polydor (2007-10-29)
価格:不定、歌詞付き

この記事へのコメント

  • SunHero[管理人]

    240さん、発売から1年も経っているのに、TBまで頂戴して恐縮です。よくぞ見つけてくれました。(^。^)v

    バーニーも(それからランディも)居ないイーグルスって思いは、分らない訳ではありません。しかし、その昔、MTV Unpluggedで復活した際、解散時のメンバーだったことで、ヘンリーもフライもあの二人は必要ないんだと割り切りました。

    ただ、フェルダーを解雇したのは酷いよなぁ~。もともとウォルシュが契約の関係でイーグルスに参加出来なかった際、ウォルシュが自分の代りとして推薦したのがフェルダーだったと聞いています。バーニーやグレンではリードギターには力量不足だと思っていましたから、フェルダーの参加で音楽的な幅が広がったのに・・・・解雇するくらいなら初めから呼び戻さなければ良かったと思ってます。

    それに、3作目「オン・ザ・ボーダー」からウォルシュが参加していたら、240さんにもそこまで嫌われなかったかもしれませんね。(笑)
    2008年11月15日 21:10
  • 240

    こんにちは。
    このアルバムも発売から1年経ったんですね。
    賛否両論あったアルバムでした。私も嬉しかったような、そうでないような・・・。
    でも1年経って、実はそれほど聴いていないなあと改めて思いました。バーニーのいないイーグルスなんて・・・と思ってしまう少数派の意見でした(笑)。
    2008年11月15日 16:13

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