Michael Murphey - Blue Sky・Night Thunder (July 2007 Re-issue) [Spotify対応]

コズミック・カウボーイ=Michael Murpheyの1975年リリースの4作目(Epic移籍2作目)が、昨年紙ジャケDSDマスタリングでSony Musicから再発されていた。まさかこんな形で国内盤が出るとは夢にも思わなかった。しかも、1年前に出ていたなんて!その後、実物をタワーや新星堂で見かけ、レコード会社の直販サイトでも売り切れていなかったので、最近すっかり常套化しているパターン=某雑貨店で取寄せ購入した。

Sony Musicさん、イイ仕事してますねぇ。1977年頃だったと思うけど、西新宿のどこかの輸入レコード店の店内バーゲンで買ったLPの、正にミニチュア版だった。ジャケットのアートワークと同じモチーフのデザインに歌詞が印刷された内袋だけでなく、日本語解説まで当時のものだ。CDサイズに縮小された歌詞は老眼のオジサンには非常に読み辛いが、解説リーフレットにはもう少し大きな文字で対訳と併記された歌詞まで載っている。これで1,890円って凄くない!他社も見習えって!

本作からのヒット曲“Wildfire”は、リアルタイムでしっかり毎週全米トップ40で聞いていたが、当時はむしろK.T.の方が御執心だった。何しろ、まだTodd Rundgrenのファンになる以前の、CarpentersとElton JohnとCarole Kingのレコードしか持っていなかった洋楽初心者だった。

あの頃の日本の洋楽事情は酷くて、あのカーペンターズでさえアメリカ発売から2ヶ月位は平気で待たされた。全米1位になった曲でも、日本ではシングルが出ないなんて事はザラだった。本作がようやく日本発売されたのは、アメリカで次のシングル“Carolina In The Pines”が辛うじてトップ40ヒットを記録した頃だったと思う。

高校生になって、K.T.と都内の輸入レコード店巡りをするようになって、国内盤が出ていないor出そうも無いLPなど買い漁るようになり、ついに前述の通り本作と運命的な出合いをした。しかも、帰宅後開封したら、美麗な内袋には歌詞まで印刷されていた。そんな些細な事がとっても嬉しかった、そんな時代だった。

輸入盤って今でも歌詞ナシってことがあるけど、あの頃の輸入レコードなんて内袋すらないものが多かったから、わざわざナガオカのLP内袋を買うほどレコードの保存には気を使っていた。一方、当時から解説や対訳なんか付けなくていいから、国内盤もっと安くしろ!と思っていた。だから、内袋に歌詞付きで、しかも国内盤の半額くらいで買えたことが、嬉しくて堪らなかった。

1曲目“Wildfire”のピアノのイントロが流れてきた途端、当時の事が色々と思い出されて、懐かしさで胸いっぱいになった。あの時、バーゲン・コーナーを隈なく漁って、これとElton Johnの国内盤発売前だった“Greatest Hits Vol.2”しか買わなかった(or買えなかった)けど、Eltonの方はこれまた美麗な歌詞ブックレットが封入されていて、喜びは倍増だった。だから、今でも鮮明に思い出すのだろう。(どこの店だったか、完璧に忘れたけど)

Michael Murpheyは当時既にカントリー・ミュージックの域を超えた音楽をやっていたが、歌に描かれた世界は本作にも窺えるように雄大な自然だったりするので、丁度同じ頃に一世を風靡していたJohn Denver同様、カントリー・アーティストと見なされていた。

その後、1978年(1977年だっけ?)にはロック色を強めた“Lone Wolf”なんてアルバム(これこそCD化して欲しいですが、アメリカでも出てないから無理かな?)を出し、Chicagoもビックリのブラスを配した曲“Nothing Is Your Own”など骨太な音楽を展開した時期もあった。80年代に入って軌道修正したらしく、Dan Fogelberg調の“What's Forever For”なんてヒットが出た。

2001年にヴィヴィド・サウンドが米国版ベスト“Wildfire 1972-1984”の国内盤を出したが、輸入盤に背ラベルと簡単な解説を付けただけの代物だった。それでも、代表曲は一通り網羅していた上、ほとんどの曲が初CD化だったので、飛び付いてしまった。所詮はベスト盤だから、本作からはシングル・ヒットの2曲が収録されただけだった。

そんな折、「音楽旅館SunHero」(GAIAXの無料HP時代)の常連さんから、Sony Musicの洋楽サイトに「洋楽秘宝館」というのがあって、復刻リクエストを受け付けているという情報をもらった。早速リクエストしたが、実現まで5~6年掛かったことになる。どうやら2003年で更新はストップしているが、今でもリクエストを受付けてくれるのだろうか?

他にもお気に入りの曲があったから、復刻を切望していた訳だ。例えば、ダイナミズム溢れる“Night Thunder”や、Carole Kingの“Sweet Season”に似た曲調の“Secret Mountain Hideout”、Americaのヒット曲“Muskrat Love”を連想させる“Desert Rat”(食後に食べるネズミという意味ではありません、念のため。笑)、典型的なカントリー・ロック調の“Blue Sky Riding Song”・・・・等々、結局全曲好きなんだと、今頃気付いた。

とにかく、奇跡のCD化、しかも紙ジャケ・リマスター復刻となり、今こうして手元にある。最大のヒットとなった“Wildfire”は、ボーナス・トラックとしてシングル・バージョンも収録され、LPを買った当時カセットにダビングしたのと同じ仕様になった(笑)。要するに、非常に原始的な方法でピアノのイントロとアウトロをカットして、テープの最後に再録した次第。最初何の違和感も無くボーナス・トラックまで聞けてしまったのが不思議だったが、30年前にそうやって聞いていたのを思い出して納得した。

今はただ旧友との再会を素直に喜んでいる。プロデューサーが誰だとか、どういうミュージシャンが参加しているだとか、アーティストのプロフィールがどうだとか・・・・そういった先入観一切無しで音楽そのものと対峙していた頃がしみじみ懐かしい。

●Best Track=“Wildfire”
実際にヒットしていた当時よりも、今聞く方が感動するのは、なぜでしょうか?

<2016年12月追記>
紙ジャケット盤は限定生産でしたが、今回プラケース仕様の廉価盤で再発になりました。在庫のある内にお買い求め下さい。



この記事へのコメント


この記事へのトラックバック
©Entertainment Weblodge SunHero
All rights reserved (except where noted)