Fountains Of Wayne - Traffic And Weather (April 2007)

通常版でも十分楽しめると思うけど・・・先月来日公演を行ったFountains Of Wayne。7月頃に来日情報が飛び込んで来た時に日程が合わないと諦めてしまったが、なぜ来日することになったのか理由まで考えようとはしなかった。あのときそこまで考えが及んでいれば、今頃新譜を紹介することにはならなかったはずだ。

殊、洋楽に関しては、今年になってから2005年モノに開眼する有様で、ホント疎くなってしまった。初の全米ヒットを生んだ前作から4年。前作も前々作から4年だったから、そろそろ出る頃だと待ち構えているべきだった。不幸中の幸いだったのは、今回9月に出た来日記念盤の方を買えたことだ。もし4月頃に新譜情報を掴んでいたら、今回は国内盤もCCCDではなかったから、今頃は間違えなく悔しい思いをしていたはずだ。来日記念盤には前作の二大ヒット曲のビデオ・クリップも収録されたDVDが付いたからだ。

2003年当時、2曲ともダメ元で試したらダウンロードできてしまったのだが、画像サイズが小さくて、拡大するとボヤケてしまう。晴れて大きなサイズで見れるようになったのが、何よりもウレシイ(エロ笑)。

さて、今更「待望」なんて言葉を使うのは白々しいが、前作でアメリカでもメジャー・シーンへの進出を果たしただけに、新作への期待は募るばかりだった。実際、私の期待を裏切らない作品が登場した。一部には前作より地味だとか、コジンマリしているとか評する人も居るが、前作の成功に味を占めて変な欲を出すなんてことをしなかっただけだ。本作だって粒揃いのパワー・ポップ・チューンが詰め込まれている。

今回は特に1970年代前半のブリティッシュ・ロック・シーンのテイストを感じさせる曲が目立つ。ちょうど私が洋楽に目覚めた頃、よくラジオから流れてきた音楽だ。誰の何という曲なのか確認もままならない洋楽初心者だったから、具体例を挙げたくても今もって元ネタが特定できないのは悔しいが、何曲かピックアップしてみよう。

まずは2曲目“’92 Subaru”。イントロがDavid Bowieの“Rebel Rebel”っぽい。細かくリズムを刻むピアノが入ってくると、Doobie Brothersの“China Grove”っぽくなってしまうが、FOWの場合こういう元ネタ2曲使いというブレンド技がオリジナリティになっているようだ。

4曲目のアルバム・タイトル曲なんかもブリティッシュ・ロックぽい音作りだ。残念ながらギター・リフのモチーフになっている曲がどうしても思い出せない。6曲目の“This Better Be Good”は、年代的にはズレてしまうが、サビの部分がNick Loweの全米ヒット曲“Cruel To Be Kind”とオーバーラップする。

カントリー・ロック風に始まる12曲目“Planet Of Weed”は、終盤にグラム・ロック時代のDavid Bowieの曲のギター・フレーズ出てきて、思わずほくそ笑んでしまった。だが、極めつけは15曲目の“Sense Into You”だ。これが日本盤ボーナス・トラック扱いなのも致し方ナシと思えるほど、モロにT.Rexだ。今回は国内版を買って正解だったとツクヅク思った。

他にも、ビートルズっぽい曲やジョン・レノンっぽい曲なんかもある。だが、そんな斜に構えた聞き方をしなくても、普通にギター・ポップ・バンドの音楽として楽しめるはずだ。にもかかわらず、今回もアルバム中一番のお気に入りはピアノが刻むビートが心地好い9曲目“Strapped For Cash”だ。日本ではAORの名盤十選に必ず挙げられるだろうLarry Leeのソロ・アルバム「ロンリー・フリーウェイ」あたりに通じるサウンドの曲だ。そう、この曲だけは多分にAOR的だ。

そんな楽しみ方ができるのも、それなりに年を重ねてきたからだと思う。若年洋楽ファンには、やはりチョット物足りない仕上がりかもしれない。Fountains Of Wayneがパワー・ポップの継承者として21世紀に生き残っていられるのは、威勢のいい音楽の背後に年配洋楽ファンをニヤリとさせる隠し味があるからだと思う。また4年後にもこうして楽しませてくれたら最高だ。


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