未見の方に、予めお断りしておきます。本文には、多数のネタバレ(否、ネタばらし)があります。知りたくない方は、映画をご覧になってから、お越し下さい。2021年9月と2022年9月にNHKで放送された「オリバーな犬、(Gosh!!) このヤロウ」が、まさかの映画化!奇想天外なストーリーに、オダギリジョーが人脈を駆使した豪華な出演陣は、NHKだから実現できたとしか思えない。わざわざ劇場まで観に行く?そんな客、SunHeroくらいじゃないか?
ところが、完成披露試写会やら初日舞台挨拶やら、片っ端から応募したが、全部落選した。アレを観たい人って、結構いるんだ!!
たまたまYouTubeで舞台挨拶の模様を見て、何かにつけて麻生さん(太郎じゃないよ!当たり前か!)を弄るオダギリ監督のトークには、とても好感が持てた。「時効警察」コンビの絆は、本当に揺るぎないようだ。
麻生さんをはじめ、テレビ版から多くのキャストが引き続き連続出演している。更に、8年振りの映画出演となった深津絵里さんをはじめ、豪華な初参加陣。一体どんな作品になっているのか?公開前から興味津々だった。
それだけに、圧倒的な情報不足に加え、やたらと深津絵里さんの歌をベタ褒めする監督のトークには、見事にはぐらかされた。公式サイトの「あらすじ」を見ても、佐藤浩市扮するボランティアおじさんが、行方不明になったことまでしか判らない。それって、テレビ版と同じじゃん。Gosh! このヤロウ!!
そもそも、テレビ版を見ていないと、続投組キャストの役柄を理解するのは、難しいのではないかと思った。警察内での上下関係や同僚同士の力関係など、何の説明もなく映画はスタートする。そこへ新キャストが、いきなり絡んでくる。Gosh! このヤロウ!!
序盤にテレビ版の映像が随所に引用されているが、何の補足にもなっていない。しかも、テレビ版からは想像も付かない展開に、SunHeroも少々困惑した。きっと、もう一度見れば、「赤い扉」を介して唐突に場面転換する繋がりを、頭の中で整理できる気がした。
分かり易く例えるなら、「ハウルの動く城」かな?否、公開時期や扉がどこに繋がっているのか分からない点では、「マトリックス」の一作目の方が近いかもしれない。要は、ドラえもんの「どこでもドア」だ。そう!物語の鍵は「赤い扉」だ。Gosh! このヤロウ!!
冒頭に登場した時には、場に相応しすぎて、大して重要だとは思わなかった。後半になると様々な場所に登場し、扉の向こうへ行くことで、場面がガラリと変わってしまう。それが何を意味していたのか、サッパリ分からない。むしろ、分からないままで、イイのかもしれない。
やがて、物語は巡り巡って、冒頭と同じ場所に戻る。だが、冒頭とは、若干設定が変わっていた。そして、ボランティアおじさんの行方不明事件は有耶無耶のまま、映画はオダギリジョーの含みのある語りで終わる。Gosh! このヤロウ!!
基本的には「時効警察」と同じだ。時効になった事件をわざわざ蒸し返して、真犯人を突き止めるが、時効だから逮捕しない。時効前に同じ手法で捜査していれば、逮捕できたんじゃないかと思われる。
描き方は踏襲しているとは言え、「オリバーな犬」では事件は起きても、何も捜査をしていない。警察犬オリバー号は、相変わらず若い女性と戯れ合うことに忙しい。Gosh! このエロヤロウ!!
ああいうナンセンスなストーリー、SunHeroは嫌いじゃない。理屈抜きで楽しめる、まるで夢の中で見るような物語だ。座禅のように堅苦しくなく、心を無にすることができる作品だ。
・・・・と書いても、所詮は「百聞は一見に如かず」だ。この映画の面白さは、観なきゃ分からないが、見ても分からない人も、当然いるだろう。Gosh! このバカヤロウ!!
もう一度見たいと思ったのは、例えば座禅を終えても気持ちがスッキリしない。そんな感じがしたからだ。もう一回見れば、きっと唐突な場面転換に慣れて、もっと柔軟な気持ちで楽しめるような気がしたからだ。
問題は、上映2週目にして早くも、多くの劇場で一日一回の上映になってしまったことだ。シネコンのハシゴをするなんて、それこそナンセンスな話だ。Gosh! このヤロウ!!
実際、ひとつのシネコンで一日に2-3本映画を見るのは、SunHeroにとっては当たり前の映画の鑑賞方法だ。シネコンなんてものが無かった頃には、情報誌ぴあを食い入るように見て、新宿(あるいは、渋谷や池袋や有楽町)界隈の映画館をハシゴしたものだ。Gosh! このハシゴヤロウ!!
ミニシアターのブームもあって、単館上映の場合など、新宿・渋谷・有楽町などを巡らざるを得ないこともあった。ブームが去って、かつてのミニシアターが次々に閉館し、シネマ・コンプレックスが台頭すると、交通費が減ってコスパもタイパも改善された。
超ローカルな話だが、TOHOシネマズ立川立飛で観たい映画が2本とも上映されていたのに、1本は午前、もう1本は夜だった。長~い長~い空き時間を、ららぽーと立川立飛で過ごせというのか!幸いなことに、「オリバーな犬」はTOHOシネマズ府中で夕方の上映だった。
もはや、ハシゴずるしかなかった。府中から立川立飛まで、移動ルートはふたつ。距離的に近い方は、府中本町⇒立川⇒立川立飛、時間的に早い方は、府中⇒高幡不動⇒立川立飛だった。前者はJR南武線経由、後者は京王線経由だ。どちらも乗り換え後は、多摩モノレールを利用する。
遠回りした方が早い?これが本当の「急がば回れ」だ!Gosh! このおかしな運行ヤロウ!!
そんなことより、来週も「オリバー」は上映しているのか?Gosh! このヤロウ!! 事と次第によっては、「トロン」はIMAXで観るのを、断念しなければならないかもしれない。

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