
Yattokosa(やっとこさ)観に行って来れました。どれほどの Yattokosa だったのかは、音楽旅館SunHeroアーカイブ&Beyondに掲載済ですので、物好きな方はそちらも合わせてご覧下さい。
とにかく、やっと(こさ)上白石萌音さんのライブを初めて鑑賞できました。ちょっと演劇の要素を加味した演出は、ステージが一望できる席だったら、心行くまで堪能できたことでしょう。
何しろ、CD買ってまで申し込んだ先行予約が、まさかの落選。仕方なく一般発売にトライしたら、「注釈付指定席」しかない。その後、機材席開放でアリーナ後方席が発売され、もう誰かに譲ろうかと諦め掛けていました。
「注釈付」なのに、他の指定席と同額っていうのが、そもそも全く以て合点が行かない。1,000円とは(言いたいけど)言わないが、せめて500円でも安くしてくれたら、主催者側の厚意も汲み取れるのに、ガメツサしか感じられない塩対応、いや、辛子対応だ!!!
キャパ8,000人のために、ステージ袖まで座席を設けるなんて、設計上の(人為的な)欠陥だ。有明ガーデンを総合プロデュースした住友不動産にも、責任はあるだろう。3フロアあるバルコニー席は、普段両端のブロック(AとI)には客を入れないらしいが、萌音さんの人気はそこまで対応せざるを得ない過熱ぶりだ。
開演直前まで空いていた隣の席、誰も来なかったらこっそり引っ越そうと思っていた。なのに、萌音さん自身の開演に先立つ場内アナウンスの最中に、ヤツはやって来た。ヤツは席の良し悪しより、チケットが入手できたことで満足な様子だった。

SunHeroの席は、1階Iブロックの一番ステージ寄りの並びの一番後ろだった。ステージ見込み角は15°くらいだろうか?萌音さんが、小道具の卓上ランプの所まで行ってしまうと、姿は見えない。両開きの幕を半開きにするという演出も、舞台中央の丸椅子に座っている萌音さんが丁度見えない。
後出しジャンケンの機材席は、アリーナ後方とは言え、ステージがほぼ真正面。真っ平らな床だから、前方の観客が目障りだったかも知れない。ステージ両脇の大型モニターを、ついつい観てしまうことになるかもしれない。そのモニターすら斜め15°くらいから覗く感じだったマイ・シートよりは、相当マシだったと思う。

オープニングは演奏が始まっても、カーテンは開かない。薄いカーテン越しに、萌音さんが座っているのが見える。そのまま一曲目を歌い出す。一番を歌い終わると、ようやくカーテンが開いた。まとまりのない拍手が、中途半端に沸き起こった。
萌音マジックとでも呼んだらいいのか?萌音さんの合図で、観客は皆、立ち上がったり座ったり、ペンライト(?)を点けたり消したり。すっかり飼い慣らされている(笑)。ちょっと恥ずかしかったが、開演前に一瞬の隙を突いてグッズ売り場に潜入し、「手をたたけるライト」を買っておいて良かった。
ところがだ!コンサートが進行するにつれて、不満だらけで望んだはずなのに、カサついた心が何とも言えない幸福感で解れていった。これぞ、パワー・オブ・ミュージック!情感豊かな歌声に、すっかり癒やされてしまった。
多少脱線気味だったMCも、必要最低限度の補足に留まっていて、すっかり打ち解けているバンドのメンバーさん達とのやりとりも、大いに楽しませてもらった。特に、メンバー紹介で、担当楽器と名前だけでなく、小学生の頃どんな係をやったことがあるかという無茶振りに、「いきもの」を絡めてくると、会場が大爆笑になった。
というのも、萌音さんが序盤でペンライト(?)を点けたり消したりするCUE(合図)を、卓上ランプのON/OFFで出すと説明した。予行練習をしようとしたら、ランプが点かないとトラブって見せた。すると、謎の男女が登場し、無事ランプが点いた。両脇のスクリーンに大写しになった御二人は・・・・歓声に応えもせずに、そそくさと袖へ消えてしまった。
アンコールで御二人をステージに呼び込むと、前にも増して大きな歓声が沸き起こった。もうお判りですね。サプライズ・ゲストは、いきものがかりの吉岡聖恵さんと水野良樹さん!昨年のいきものがかりのコンサートに、萌音さんが飛び入り出演したことへの御礼だそうだ。
萌音さんから見れば、あの御二方は小学生の頃から憧れの存在だったそうだ。水野さんから既に楽曲提供を受けていて、それだけでも夢のような出来事だったのに、ステージで共演するなんておこがましいと思っていたとか。もう奇跡としか言いようがないと、興奮気味の萌音さん。
その割には、結構厚かましくて、萌音さんがいきものがかりにハマるキッカケになった曲="YELL" をおねだり。吉岡さんには、昔、発声がおかしいなどと評価ことがあるが、カラオケで鍛えたとかいう信じられない鍛錬法の甲斐あって、何となく不安定だった歌唱も、今ではアルデンテな感じ。この二人がデュエットしたら、とても心地良いハーモニーが生まれた。
コンサートDVDだと、2時間弱に編集されているけど、サプライズもあって2時間半くらい。舐めて掛かっていた自分が、ホント恥ずかしい。大いに反省してます。
また、中盤でロンドン・コーナー(メドレー?)が設けられていた。昨年「千と千尋の神隠し」のロンドン公演で、3ヶ月渡英していた。その時のエピソードを織り込みながら進行した。一曲一曲きっちり歌ってくれたので、メドレーとはチョット違う感じがした。
下記のセトリの通り、萌音さんのコンサートは、ミュージカルや昔の名曲を取り上げていて、同年代の歌手とは一線を画した内容だ。しかも、ポップス調の曲はポップスの歌唱法で、ミュージカルの曲はオペラ歌手のような発声法で歌い分けている。一粒で二度おいしい?
==Setlist on the Evening of February 2, 2025==
- あくび from “note” 2020
- Loop digital, theme from
YTV・NTV系 “スペシャルドラマ 「自転しながら公転する」” 2023 - skip single 2023 (c/w "ひかりのあと")
- かさぶた from “kibi” 2024
- アナログ from “kibi” 2024
- Little Birds from “note” 2020
- ハッピーエンド
digital, theme from “L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。” 2019 - 風 from “kibi” 2024
- 東京ブギウギ cover of 笠置シズ子(ご当地ソングコーナー)
- ロンドン・コーナー
- Yesterday cover of the Beatles
- A Spoonful of Sugar
cover of Julie Andrews from “Mary Poppins” 1964 - I Dreamed a Dream(夢やぶれて)
from “レ・ミゼラブル (Les Misérables)”
(歌い終わると、何も語らずにエレピの所へ向かう)
- 変わらないもの from “chouchou” 2016
(萌音さんのピアノ弾き語り) - hiker from “kibi” 2024, theme from CX系 “Live News イット!”
- 白い泥 from “note” 2020
- perfect scene from “kibi” 2024
- スピン digital, from “name” 2022
- ひかりのあと single 2023 (c/w "skip")
- なんでもないや from “chouchou” 2016
- スピカ from “kibi” 2024,
ending theme from TV Animation “バーテンダー” [[ encore ]] - まぶしい featuring いきものがかり, from “kibi” 2024
- YELL from the repertory of いきものがかり
- 夜明けをくちずさめたら digital, from “NHKみんなのうた” 2020
- あくび[reprise] from “note” 2020
!改めて いきものがかり 登場!
幕が下りて程なく、萌音さんとバンドの面々が幕前に出てきて、節分にあやかったボール投げ。ボールには、サインが書かれていたらしい。こっちへ飛んできたボールは、バルコニーに届きそうに見えたが、あえなくアリーナへ落下。

さて、薬師丸ひろ子も松たか子も、デビュー当時は人気先行(知名度先行)気味で、前者は透明感はあるが一本調子、後者はカラオケ・レベルにしか思えなかった。前者は主演映画の主題歌「Woman~"Wの悲劇"より」を聞いて、歌手としての見方を改めた。後者は親子共演したミュージカルで圧巻の歌唱を聞いて、認識を改めた。
萌音さんの場合も、初主演映画で演じた役名で歌手デビューした時は、譜面通りに上手に歌うといった程度で、角川映画が薬師丸ひろ子等を売り出した戦術を踏襲したとしか思わなかった。それがどうだ!正式に歌手デビューしたら、ちょっとハスキーな伸びやかな歌声に、抜群の声量だ。
是非ナマで聞きたいと思ったが、いざコンサート開催となったら、まさかのコロナ禍。個人的には、ちょうどリストラで早期退職を余儀なくされた。これがホントのWの悲劇?
大昔、Genesis の二度目の来日公演で、初めて体験したバリライト。最近はLEDパネルを多用することが多いだけに、懐かしいやら新鮮やら。バリバリ活躍してました。そして、後から振り返ってみて思ったのが、あんな端の席でもとても良い音響だったこと。照明さんも音響さんも、ホンマええ仕事してました。
座席は最悪だったけど、こんなに感動したライブは、何十年ぶりだろうか?眺めが悪かったことも、上白石萌音さんの圧巻のパフォーマンスで、チャラかも?
あぁ、yattokosa 書き上げたぞ!楽しみにして下さっていた皆様、大変お待たせ致しました。

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