
<<序章>>
欧米では、最近の名盤復刻の目玉になっている CD+Blu-ray Audio ですが、国内盤は製造する気がないようですね。海外でも、Blu-ray Audio を CD のように簡単再生できるハードウェア(機器)はあるけど、PC向けの便利なソフトウェアはなかなか見つかりません。
SunHeroのPCにインストールしている WinDVD でも、再生はできるんですが、曲名表示が Track 1、Track 2、Track 3・・・・なんですよ。チョット不便でしょ?でも、音質はすこぶるイイですよ。
<<Blu-ray Audio>>
先日も取り上げた通り、日本の音楽業界は未だに CD というフォーマットに固執しています。ストリーミングでは Ultra HD といったCD音質を超えた仕様も登場して、CD買うのがバカバカしいとか、コスパが悪いとか・・・・売れなくなる要素ばかりです。
SHM-CDやBlu-spec CD、UHQCDが、日本でしか流通していないのは、なぜでしょうか?盤面に使う素材を工夫して、記録されたデジタル信号の読み取り精度を上げただけだからです。
元々の音源の音質が悪ければ、逆に悪さが際立つ?いくら鮮やかな音質を実現しても、16bit-44.1kHzでエンコードされるため、24bit-96kHz(一般的にハイレゾと呼ばれる最低限のサンプリング)には敵いません。
確かに、ハイレゾ音質のCD(SACD)も発売されていますが、対応したプレーヤーが必要になります。PCでは、対応したソフトが見当たらないため、普通のCD音質しか再生されません。音楽産業と音響機器業界が、本気で普及させたいとは思えません。
それもそのはずで、PC用の再生ソフトなら、FLACとかDSDとか、(ファイルサイズがデカくなりますが)WAVといった理論上高音質のファイルが再生できるからです。あとはPC(ハードウェア)側の問題で、高音質のまま耳まで届けられるかどうかです。
まずPCからデジタル信号のまま出力させ、次に外付けのD/Aコンバーターで高音質アナログ信号に変換し、その信号の音声周波数帯域をカバーしているスピーカーやヘッドフォンで聞く必要があります。一般的なヘッドフォンは20Hz~20kHzですが、ハイレゾ対応だと10Hz~40kHzくらいの性能が求められます。
スピーカーによっては、低音部の下限が5Hzなんていうのもあるようですが、そうなるとコンサート会場で使われているPAのような機材になるんですかね?リスニング・ルームだって、壁・床・天井に防音防振素材(ついでに断熱)が必要になるでしょう。そこまで凝って2chステレオはないでしょう。やはり、5.1chステレオくらいは揃えたいものです。
更に掲題の作品の場合、Blu-ray Audio部分には、Dolby Atmos音源も収録されています。こうなると、D/Aコンバーターからアンプ、スピーカーまで、それに対応した機器を用意する必要があるでしょう。ここまで来ると、Dolby映画館で360度、音楽に包まれて聞いてみたいものです。
<<XTC - Skylarking 略歴>>
Todd Rundgrenがプロデュースしたことで、発売前から話題になったXTCの8作目(1986年リリース)に当たります。Rundgrenのやり方に、リーダーのAndy Partridgeがことごとく反発したことから、最初に発売されたCD(1st Edition)には “Dear God” が収録されず、1stシングルのカプリングとして世に出ました。
ご存じの方も多いと思いますが、アメリカのラジオ局ではDJの裁量が大きいので、カプリングの方を気に入れば、そればかりをエアプレイする。こうして、“Dear God” をかける放送局が増えました。ローカルなチャートでTop10入りしたようですが、全米規模の集計をしているBillboard紙(一応Newspaper扱いなので)のHot 100にはチャートインしませんでした。
アメリカでの発売元=Geffin Recordsは、慌ててアルバムの曲を差し替えたCD(2nd Edition)を発売しましたが、時すでに遅し!期待したほど売上は盛り返せませんでした。元々ヒットとは縁遠い連中ですが、Partridgeがライブ恐怖症になって、ツアーをやらなくなってから、ますます凝った音作りをするようになりました。(まるで Beatles みたい!)
Rundgrenにプロデュースを依頼することになったのは、レコード会社のアメリカ進出という意向とメンバーのDave Gregoryがファンだったことらしいです。デモテープ持参でウッドストック郊外にあったRundgrenのUtopia Soundで合宿レコーディング。これが大騒動(と言っても、当事者間の揉め事)になった。
高野 寛もビックリしたRundgrenの大雑把なやり方に、PartridgeもColin Mouldingも嫌気が差した。Partridgeは猛抗議、Mouldingは一時行方不明、Rundgrenはコンソール・ルームに鍵を掛けて、メンバーを閉め出したとか!Gregoryはどうしていたのかな?
一旦完成したアルバムから最もヒット性の高かった “Dear God” を抜いたのは、Partridgeの強引な主張だったらしい。結果、本国イギリスでも、売上は芳しくなくて、過去のどのアルバムよりも低い最高位になったとか。
熱りが冷めてから随分経って、マスタリング時の誤配線によると見られる極性エラー(+/-が逆になっていたこと)が明らかになった。Rundgrenは自分のミスでは無いと猛反論したが、2014年に Corrected Polarity Edition(極性修正版)が、怪しげなジャケットで発売された。聞き比べてみましたが、PCやラジカセで聞いた程度では、よく分かりませんでした。ただ何となく、2nd
湿気った煎餅のように、音に湿り気がある。頭に浮かんだ音像が、アルデンテを通り過ぎたふにゃふにゃパスタのような食感だった。CDで聞いてるはずなのに、LPのトレース・ノイズみたいな音が聞こえる気がする。こんな表現で、ご理解いただけますでしょうか?
1980年代といえば、ドラムの音が劇的に変わった時代です。Steve Lilywhite と Hugh Padgham が編み出したゲーテッド・リバーブ手法は、極初期の作品としては、1980年のXTCの ”Black Sea” で取り入れられています。参考までに、このアルバムは、Lilywhiteがプロデュースし、Padghamがエンジニアを担当しました。
そんな時代に逆行したようなサウンドだったから、当初の評判は悪かったことでしょう。実際、彼等のアルバムを発売順に聴いていくと、これだけが異質な感じです。流石はRundgrenと思ったら、原因は極性エラーだった。Partridgeは、補正されて今までのどのエディションよりも音が良くなったと評したとか。
<<Skylarking 第二版 収録内容>>
紆余曲折を経て、”Skylarking” は彼等の最高傑作と評されるようになりました。何よりの証拠が、今回のBlu-ray Audioです。CDの方にも、ボーナス・トラックが4曲追加されていますが、DVDの云倍というBlu-rayの容量をフルに生かして、下記の通り4パターンのアルバムが収録されています。
〔 CD 〕
01. Summer's Cauldron
02. Grass
03. The Meeting Place
04. That's Really Super, Supergirl
05. Ballet For A Rainy Day
06. 1000 Umbrellas
07. Season Cycle
08. Earn Enough For Us
09. Big Day
10. Another Satellite
11. Mermaid Smiled
12. The Man Who Sailed Around His Soul
13. Dear God
14. Dying
15. Sacrificial Bonfire
Bonus Tracks
16. Extrovert
17. Let's Make A Den
18. Little Lighthouse
19. The Troubles
〔 Blu-ray 〕
01. Full album & additional tracks mixed in Dolby Atmos + instrumental versions
02. Full album & additional tracks in DTS-HD MA 5.1 Surround Sound (2016 mix)
03. Full album, additional tracks & instrumentals in 24/96 stereo (2016 mix)
04. Full album - original mix (corrected polarity edition) in 24/96 stereo
2016年に初めて出た Blu-ray には、2曲のPVや極性修正前の音源が収録されていましたが、今回のリニューアルの目玉は、何と言ってもDolby Atmosです。多分、PCで再生できたのは、03と04だと思います。この鮮やかな音こそ、およそ40年前にUtopia Soundでレコーディングされた本当の音なのだと思われます。
28年間も極性が反転したままの音を聞かされてきたせいでしょうか?まるで霧の晴れた青空の下、芝生に寝転んで聞いているような爽やかで鮮やかな音には、背筋がゾクゾクするような興奮を感じました。DTSやDolby Atmosで聞けたなら、一体どういう印象を受けるのでしょうか?
最後までご覧いただきまして、誠にありがとうございました。それでは、ごゆっくりお聞き下さい。(上=Geffin Recordsが慌てて出した2nd Edition、下=曲順修正版、“Dear God” の扱いに注目!?)
Bonus Playlist for Spotify Members(曲順無修正版)
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この記事へのコメント
SunHero
今回は質問攻めですか?(*⌒▽⌒*)
>マスタリングの誤配線?
オーディオ・コンポ(ーネント)を思い浮かべて下さい。
パワーアンプからスピーカーへ繋ぐケーブル、どっちが+で、どっちが-か、チェックされたことはありませんか?
旧我が家に初めて本格的なコンポが来た時、販売店のオーディオ担当者が、テスト・レコードを掛けて、スピーカー・コーンが手前へ動けば+、奥に引っ込むように動いたら-というふうに、極性をチェックしてくれました。
極性が逆だと、本来前へ押し出すべき音が、後方へ引っ込んで、箱の中で反響してから出てくると言うことらしいです。極性が反対なら、ケーブルをスピーカーに刺す時に+/-を逆にすれば解決しますが、ミニコンポやラジカセのようにスピーカー一体型だと、補正のしようがありません。
>ちなみにSunHeroさんはPCに何かスピーカー繋いで聴くのでしょうか、またはヘッドフォンですか?まさかPC内臓のスピーカーではないですよね。
富士通のハイエンドPCには、B&OとかパイオニアとかONKYOのPC向けスピーカーが内蔵されていて、そこそこ良い音でした。つまり、最初のうちは「まさか」でした!大正解👏
ヘッドフォンも買うには買ったのですが、作業しながら聞いていると、ずれ落ちてくるので、イヤフォンにしました。これはコードが2mもあったんですが、うっかり足で引っ掛けて、危うくPCがデスクから落ちそうになったので、6-7年前に製造国不明の安いネックバンド式ワイヤレス・イヤフォンを買いました。
購入者のレビュー通り、国産なら2-3万円しそうなところ、2,980円でビックリするくらいイイ音でした。1コだと充電中は不便なので、追加購入しました。まっ、そういう代物なので、2年くらいして次々に壊れました。
>再生ソフトは、、、Windows Media Player かな?
OSはWin10or11ではないのですか?これらのOSには「メディア プレーヤー」という、WMPとはGUIのデザインが全然違うソフトしか無いはずです。
10年くらい前に、ジャストシステムだかソースネクストだかVectorだかで偶然見つけた JRiver Media Player を有料でバージョンアップしながら使ってます。
同じCDを再生すると、音の鮮明さの違いは一耳瞭然です。円安になって、バージョンアップは保留中ですが・・・・(~o~)
>ところで、エンタメウェブロッジのホームアイコンが気になっているのですが、どこの建物ですか?
はて?ホームアイコン?建物?竣工したのが18年前なんで、サッパリ分かりません。・・・・ええっ!あと2年で20年!ひょえー(°0°)
Dogwood