こういうイベントのことをミニフェスと呼んだら変かな?NONA REEVES のリーダー=西寺郷太の発案で、昨年京都のライブハウス磔磔で開催されたイベントが、早くも今年東京にやってきた。今年6月に2days開催となった京都版に続いて、BONNIE PINK と土岐麻子が出演した。
会場は、2022年12月1日に有楽町マリオンの別館7Fに新装オープンした “I'M A SHOW”(アイマショウ)だ。映画「ヘルタースケルター」を観たのは、ドルビー・シネマになる前の丸の内ピカデリー(同館5F)だったから、築37年目にして初訪問となった。
開演時刻(17:00)を10分くらい過ぎた頃だろうか?客電が落ちて、ステージが明るくなった。まずは、MC役の西寺氏が現れて、挨拶とイベントの主旨説明があって、土岐麻子さんを紹介した。バックは NONA REEVES が務めるものだと思っていたら、シンガーソングライターでギタリストの高木大丈夫氏のアコギ伴奏だけだった。
ネオ・シティー・ポップスの先駆者=土岐麻子のアコースティック・セッション?バンドの演奏があってのシティー・ポップスじゃないの?ところが、これが思いの外イイ感じなのよ。ちょっとボサノバっぽい感じだけど、麻子さんのポップな歌声が、一層際立っていた。そりゃそうだ!土岐さんには、ポップスをジャズのスタイルで歌う側面もありましたね。
セットリストが見つからないけど、5曲くらいですかね?再び西寺氏が登場して、セット・チェンジの繋ぎトーク。西寺氏以外のREEVESのメンバーとサポート・ミュージシャンを従えて、BONNIE PINKのセットへ。ナント、そこには今年2度目の真城めぐみさん!こりゃ、安心だぁー。
分厚いバンド演奏に、観客も拍車や歓声で応えるが、決して立ち上がろうとはしない。映画館仕様のシートのやや深めの座り心地が良いから、立ち上がりにくいのかもしれない。痺れを切らした(?) BONNIE PINK は、座りっ放しで疲れない?ちょっと体を動かしてみませんか?と切り出した。
みんな思い思いに体を揺らして、演奏に身を委ねる。立派にダンスと呼べるレベルの観客も、其処彼処に見受けられた。SunHeroは足元がおぼつかなくて、幾度もグラついてリズムに乗り切れなかった。移動距離の割には歩いていなかったせいで、脚のウォーミングアップが足りなかったようだ。
その分、サビを一緒に歌ったり、カウンター・コーラス(合いの手)を入れたり、と頑張った。これで気持ちが解れたのか、西寺氏の盛り上げ上手に背中を押されたのか、初めて触れる NONA REEVES のセットでは、音楽に身体が自然に反応するようになった。
Ashford & Simpson のソングライター夫婦の楽曲で、ソロになった Diana Ross に初の全米No.1ヒットをもたらした ”Ain't No Mountain High Enough” をやり出した時は、背筋がゾクゾクした。2021年9月リリースの彼らのアルバム “Discography” に、”feat. 真城めぐみ” で収録されているそうだ。
いつもサポートに徹している真城さん、西寺氏と圧巻のデュエットを披露。この曲、Marvin Gaye と Tammy Terrell のデュエットという形で、初めてレコーディングされたんだそうだ。道理で、Diana 版とは随分違う演奏だった。
後日、NONA REEVES と西寺郷太氏について、あれこれ調べてみた。それまではどうだったかと言えば、土岐さんや BONNIE さんのライブで、奥田健介さんがギター・コーラスを担っている姿を、何度も見掛けただけだった。
バンドとしての REEVES は、モータウン・サウンドを手本にしたようなソウルフルなポップ・ミュージックを展開している。サポートで参加したライブで披露される奥田氏のエッジの効いたギター・プレイが、ホーム・バンドでは浮いてしまわないのか?と思ったが、ソウルとロックのバランスを保つ要になっているんだと認識した。
一方、京都出身と聞いていたリーダー=郷太氏、実は東京都千代田区生まれ、京都府京都市育ちなのだそうだ。I'M A SHOW が千代田区有楽町所在ということで、ここで京都発のイベントが開催できたことを、殊の外喜んでいた。GOTOWN というのも、お分りのようにご自身の名前に因んだものだ。
もっと早く REEVES の音楽に触れていたら、熱烈なファンになっていたかもしれない。KIRINJI もそうだが、2000年前後に音楽シーンに登場したバンド達、どうしてこんなに疎いのか?スッポリ抜けてしまっている。
ただし、CYMBALS だけは聞き逃さなかった。だからこそ、ソロになった土岐麻子さんを、今日まで延々と聞き続けることになった。因みに、BONNIE PINK さんは、原田知世と同時期(1997年頃)、例の
やっぱり、NONA REEVES のファンが多かったのかな?告知やチケットの先行も、彼らのファンクラブが最優先だったようだ。だから、アンコールでは、土岐さんと西寺氏のデュエット曲や、BONNIE さんもカバーしている ”Maniac Monday” をやった。
後者の曲は、西寺氏がマイケル・ジャクソンの次に好きなのかもしれないプリンスが、変名で提供した。イベントを締め括るのにウッテツケの選曲。土岐さんも頑張ってハモってました。
気が付けば、あっという間の2時間半。なのに、まだ夜の8時前。有楽町界隈へ出てみれば、他の観客の皆さんは、既に雑踏に紛れていた。ライブの興奮のせいか、しばし呆然と立ち尽くす。これが、全席指定7,500円で観られたなんて、ホンマにおおきに(=大いに?)楽しいイベントでした。
★Performers are: NONA REEVES, BONNIE PINK, 土岐麻子
★Musicians are:
西寺郷太=Vocals, MC(NONA REEVES)
小松シゲル=Drums, Backup Vocal(NONA REEVES)
奥田健介=Guitar, Backup Vocal(NONA REEVES)
林幸治=Bass, Backup Vocal(TRICERATOPS)
冨田謙=Keyboards
真城めぐみ=Vocals, Percussion(HICKSVILLE)
※セットリスト情報、募集中です。コメント欄に情報をお寄せいただけましたら幸いです。
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この記事へのコメント
SunHero
チケぴ、イープラ、ローチケ、CN、それぞれの無料会員になって、御贔屓筋を片っ端から登録しておくと、後は寝て待てですから。
そうそう、映画の舞台挨拶上映と同じです。先行予約に申し込んで、抽選に当たればラッキー!
問題なのは、容赦ない引落しです(笑)。それと体調管理。怪我をしても、会場に辿り着ければマシ。行き損ねて大損することがあります。(;^^)ヘ..
Dogwood
土岐麻子さんはスローライブで拝見したことがありましたが、NONA REEVESは不覚でした。Youtubeで観ましたが、さすが師匠!センスが素晴らしい!知る人ぞ知るバンドなんですかね。知らなかった~、、、いや~、よくこんなライブを見つけてきますね。情報取集力に脱帽です!