2018年4月18日にスタートしたチケットぴあの発券・分配サービス(サイト)=Cloak が、来る3月5日で閉鎖(終了)されることが明らかになった。3月6日以降は、チケットぴあのサイトに新設される My Ticket が引き継ぐそうだ。
そもそも、Cloak は、チケットぴあのサイトから、発券・分配・転売(リセール)・払い戻しを担うサイトとして、分離・新設された。購入(当選)したチケット・データは、自動的に Cloak へ送られて、発券・分配が可能になると、相応の設定ができる。更に、発券前であれば、 掛け値無し&リセール手数料無料で、他のぴあ会員に転売(リセール)できる。
一見、会員の利便性が向上したように思えるが、高額転売防止が最重要目的だった。そのため、代表者が購入した複数枚のチケットをまとめて発券したり、同行者自身が発券するためには、同行者の氏名・性別・生年月日等の個人情報の登録が必須化された。転売が発覚すれば、会員資格は剥奪される。
だが、転売ヤーはもっと強かだった。アルバイトを代表者や同行者に仕立てて、ぴあ会員に登録させ、代表者になりすまして、先行予約開始日に複数PCやスマホを駆使して予約する。当選したチケットは、転売ヤーが代表者に代わって発券する。席番号は発券してみないと判らないから、転売サイトでは席種しか掲載されていない。
中には、売買が成立した時点で、落札者に都合のよい発券方法を設定した上で、落札者に発券に必要な情報を伝えるという凄腕転売ヤーもいる。いずれにしろ、入場時に本人確認をする公演もあるが、そうでなければ券面に印字された氏名の人が入場したと見なされる。
結局、コンピューターを導入したことで、かつてはコンサート当日に会場周辺にうろついていたダフ屋は、姿を消した。検挙されるリスクがなくなった上に、自宅や貸事務所などで楽して転売できるようになった。従って、一般のエンタメ・ファンだけが、面倒を強いられる。
今回の Cloak サイトの廃止と新設の My Ticket へのサービス継承だって、転売問題の根本解決にはならない。イープラスやローチケと同様のスムーズな発券に、舵を切っただけだ。
転売サイトが問題なのは、額面の2倍とかの価格で出品するのを容認していることだろう。売買が成立した際に、転売サイトの収入となる手数料も増えるから、上限金額を設けないのだ。それでも観に行きたい落札者だけが、馬鹿を見る仕組みだ。
不正転売の定義を明文化し、懲役刑や罰金刑以外にも、サイトの閉鎖や予約に使ったPC類の没収といった実効性のある罰則が望まれる。
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