星とダイヤモンド~ゲーム音楽の競演vol.2 @立川サロンスタジオFIX, February 25, 2024(Amazon Music 対応)

荻原和音_立川サロンスタジオFIX_20240225.jpgひと月前にちょこっと触れた対バン・ライブに行って来ました。成清 翠さん率いるナリキヨトリオと、新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団(通称:BGMフィル、略称:NJBP)の木管三重奏者=トリオ・ダンシュの対バン形式で、それぞれゲーム音楽を奏でる。とても不思議な体験でした。

故すぎやまこういち氏が、まだゲーム機が単音のメロディーしか出せなかった時代から関わってきたこともあって、ゲームを離れてゲーム中の音楽が、映画のサントラのように楽しまれるようになった。今や立派に音楽の1ジャンルを築いている。それでも、この手の音楽はオーケストラがやるものと思い込んでいたら、大間違いだった。

まずは、そんなジャンルにフォーカスした楽団の概要から。ゲーム音楽専門のオーケストラなのに、なぜBGMフィルなのか?日本初のオーケストラなのに、なぜ「新/New」なのか?後者に関しては、2012年に発足した「日本BGMフィルハーモニー管弦楽団」(NBP)が前身だった。だが、僅か一年で解散したそうだ。

それでめげなかったのが、NBPの発起人・設立者であり、指揮を務める市原雄亮氏だった。早くも2014年に「新/New」を付けた楽団を旗揚げした。徐々に知名度を上げていったが、コロナ禍に見舞われて、活動休止を余儀なくされた。ようやく本年から活動を再開することが、年頭に発表された。

本来なら、本演奏会は市原氏が仕切る予定だったらしいが、このところの寒暖差で体調を崩したのか、欠席した。進行は、それぞれのトリオのメンバーが務めた。棒読みのような解説は、どうやら市原氏の用意した台本を、まんま読み上げていたからだろう。

更に、トリオ・ダンシュのメンバーにも体調不良者が出て、急遽楽団から(?)助っ人を呼んだそうだが、とても助っ人とは思えない、見事なアンサンブルを聴かせてくれた。たどたどしいMCとの寒暖差が、観客を大いに笑わせてくれた。

会場の雰囲気は、すぐに和やかになった。まあ、身内も見に来ていただろうから、内輪受けに他の観客も釣られたというのが、実情だったのではないかと思う。

SunHeroはこういう趣向の演奏会は初めてだから、開演までは戸惑うことばかりだった。ましてや、演奏されたゲーム音楽には、全く馴染みが無かった。結果的には、市原氏の台本や演奏者の補足が的確で、初心者・入門者どころか、門外漢でも十分楽しめた。

よくオーケストラが、クラシックは敷居が高いと思いがちな子供や青少年に向けに、開催地の自治体の協力を得て開催する無料コンサート、それに近い印象だ。50席程度という会場の規模も、間近で生楽器演奏のダイナミズムに触れた?いや、身の心も包まれる心地好さを醸し出すのに、功を奏していたと思う。

式次第は以下の通り・・・・・・

第一部=演奏:トリオ・ダンシュ;演目「星をみるひと」

演奏者=オーボエ:?、クラリネット:村上あずみ、ファゴット:丸山佳織

木管三重奏のことを、リードに使う木材に因んで、トリオ・ダンシュと言うそうだ。従って、管弦楽団には必ずトリオ・ダンシュがいることになる。BGMフィル以外でも、トリオとして活動している訳ではないらしい。
演目は1987年に発売されたファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲームの音楽で、2020年にNintendo Switchに移植されたそうだ。台本にもそう書いてあるのか、Switch版で実際にやってみたことがあるのか、盛んに「くそゲーム!」と呼んでいた。
SunHeroが当時テレビゲームと呼ばれていたものを初めてやってみたのは、勤務先のアルバイトに促されたからだ。膨大なゲーム・カセットの中に、「アレ」は無かった。観客の中にも、このゲームの経験者は一人しかいなかった。

<休憩10分>

第二部=演奏:ナリキヨトリオ;演目「銃声とダイヤモンド」

演奏者=ピアノ:成清 翠、バイオリン:星野沙織、鍵盤ハーモニカ:荻原和音

2017年結成。現在までにオリジナル曲から成る2枚のアルバム(下記プレイリスト参照)を発表しているほか、日本の四季を彩る楽曲をトリオ演奏にアレンジした「春」「夏」「秋」「冬」の4枚のCDも発表している。いずれも配信されていたので、予習して臨んだが、主旨を理解していなかったため、徒労に終った。(~_~;)
演目は2009年に発売されたPlayStation Portable用のアドベンチャーゲームから。音楽を手掛けたのは、いとうけいすけ氏。忍道戒シリーズを手始めに、ポケモン不思議のダンジョンシリーズ、龍が如くシリーズの音楽を担当し、次にこのゲームに関わることになった。このゲームを知っている観客は四人いた。
ちょっとヤバイ雰囲気になったが、辛うじてアンコールの手拍子が起こり、両トリオの合同演奏で終演となった。ナリキヨトリオに木管楽器三重奏が加わると、スタジオ内の音圧が一気に増した。ただ、そうなると、バイオリン一台で奏でる音は、掻き消されがちだ。丁度SunHeroの目の前だったので、よく聞こえたけどね。


ゲーム音楽と言えば、SunHeroは昔のピコピコ音しか知らないから、管楽器や鍵盤楽器・弦楽器に置き換わっただけで、表情豊かな響きになったことに、大袈裟でなく感銘を受けた。こんなことなら、お亡くなりになる前に、一度はすぎやまさんの指揮で、オーケストラ版ゲーム音楽を聴いてみたかった。

終わってみれば大満足だったが、開場直前まで不安でしかなかった。演奏は一流でも、ライブのマネージメントとなると、申し訳ないが素人だ。

雨が降って、寒くて、雪になるかもしれないという天気予報にビビリ、もし11時までに目が覚めなかったら、行くのを止めようか?心配しすぎと言われそうだが、そのくらい事前情報が少なかった。これは別の機会に説明するかも?


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