Billy Joel - One Night Only in Japan @Tokyo Dome, January 24, 2024

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改めて、Billy Joel のコレが最後かもしれない来日公演のレポートをします。

UDOの先行予約に落選し・・・・チケぴの一般発売もダメ。追加発売された「注釈付きS席」に縋ってしまった結果は惨憺たるものでしたが、一夜限りということもあってか、御年74歳の Billy のハッスル振りには驚かされました。芸達者なバック・バンドのメンバーにもスポットが当たる場面もあり、全24曲 2時間半、中弛みせず楽しませてくれました。

例えば、オープニングの「マイ・ライフ」。イントロを聴いてピンと来たけど、すぐには歌い出さずに、ベートーヴェンの「歓喜の歌」を弾き始めた。かと思えば、「ザンジバル」の冒頭では「さくらさくら」を弾いて見せたり。確か、初来日やその翌年の時にも、何かの曲の前振りに披露したような・・・・記憶が定かではありません。何しろ、初来日から46年ですからね。

初来日って言えば、中野サンプラザ公演のチケットの半券、今も大事に持ってますよ。前回の来日では半券を持参すると、Billy から直接サインがもらえたとか?もう一度サンプラザでやってくれたなら、10万円(今回の公演で最高額のVIP SS席と同額)でも行きますよ。ただし、超超超プレミアなチケットになったでしょうから、果たして取れたかどうか?

ついでに説明しておきますが、SunHeroにとっては、前回は1998年3月の Elton John とのジョイント・コンサート以来の26年振り、単独となると1995年1月の横浜アリーナ以来の29年振り。29年前も Billy はクラシック音楽のコンポーザーに転向すると宣言した後の来日だっただけに、コレで見納めと覚悟して行きました。

結局、クラシックの方は上手く行かず、2006年には五大ドームツアー、前回2008年は東京ドーム2days、今回は16年前と同じ会場でたった1回だけ。既に Madison Square Garden での定例コンサートを6月で終了すると宣言しているため、来日も今回で最後と噂されている。実際には、MSG を引退しても、年内は Stevie Nicks や Rod Stewart、STING とのジョイント公演が決まっている。

話を戻しましょう。「さくらさくら」を懐かしく(正しくは「ザンジバル」を)聞いた後、ステージ・フロントへ出てきた。やっと💓Billyの姿が見えた。いくらスマホ/携帯電話での撮影はOKだったとは言え、最大倍率3倍では米粒程度にしかならなかった。持参した双眼鏡なら、表情までは分からなかったが、一挙手一投足は見えた。

で、いきなり!ステーキ💥じゃなくて、いきなり Rolling Stones の「スタート・ミー・アップ」を歌い出した。Mick Jagger のモノマネ風にマイク・スタンドを器用に操る姿は、どちらかと言うと Freddie Mercury がバトン・トワリングするような感じかな?それから、昔のようにキーの高い歌は歌えないとか言いながら、「イノセント・マン」を見事に歌い切った。

要はどっちも自虐ネタ。歳は取っても、まだまだ若いぞ!とアピールしたかったのか?それなら、Billy のInstagramに掲載された来日中のオフショットの方がよっぽど効果的だ。まるで孫のような子供たちが、父親に戯れついているそうだ。もちろん、四度目の結婚の前には、手術をするほどの病気になって、きっと辛いリハビリで悟りを開いたかのような坊主頭。And so it goes.(今がある。)ニューヨークの加藤茶だね。

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さて、バンドの面々が Billy の両側に並ぶと、肩(声)慣らしでトーケンズ1961年の全米No.1「ライオンは寝ている」(原曲は1939年発表)からの「ロンゲスト・タイム」。折角のアカペラも、ドーム特有の残響で淀み気味だったが、スタッフが手際よく、スタンド・マイクを並べ、片付ける様子が見事だった。(一体何に感心してるんだか?)

そして、コンサートの折り返しで、恐らく日本で最もヒットした曲「ストレンジャー」を披露した。ところが、久々に口笛からスタートしたので、個人的には背筋が震えるほど感動したのに、実は Billy のナマ口笛じゃなかった。挙げ句の果てに、エンディングの方はあっさりカット。ちょっと、それって、酷くなーい!

その後は、バンド・メンバーの活躍する場面が3回。最初は、パーカッション、サックス、コーラスにと大活躍の Crystal Taliefero(クリスタル・タリエフェロ)。「若死にするのは善人だけ」に続けて「リヴァー・オブ・ドリームス」になり、途中で彼女が Ike & Tina Turner の「リバー・ディープ・マウンテン・ハイ」を歌った。

この部分、実は昨年亡くなった Tine Turner へのトリビュートだった。と気付いたのは、終演後の場外で、あの歳で「若死善人」はないだろうと笑いながら語り合う若者や、「川深山高」を女性メンバーに歌わせたのは要らなかったと、誰かがぼやいていたのを耳にしてからだ。帰宅後、PCで検索していたら、先に逝った人への「リバー」繋がりのトリビュートだと分かった。

もっとビックリしたのは、突然オペラをやり始めた時だ。Mike DelGuidice(マイク・デルギュディス)はブロードウェイ・ミュージカルにも出演していたキャリアを持ち、Billy Joel のコピー・バンド= Big Shot のボーカル兼ギタリストだったそうだ。そんな彼が、プッチーニのオペラ「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」を披露した。昨今のコンサートでは、お馴染みらしい。

そこで、ピンと来なかったのは、迂闊だった。「イタリアン・レストランで」の大仰な前振りだったのだ。そして、この曲を Billy の紙のセットリストでも1曲とカウントしていたため、配信サービスのプレイリスト(24曲)と報道機関のニュース記事(25曲)で、曲数が異なってしまったという訳だ。

昔は、こんな長尺な曲(7分余り)の代わりに、他の曲を2曲くらいできるだろう!と不満に思っていたが、こういう組曲スタイルをポップスに持ち込むのは、Led Zeppelin(天国への階段)、Paul McCartney(バンド・オン・ザ・ラン)、Queen(ボヘミアン・ラプソディ)など、枚挙に暇が無い。日本でこんな曲を作るのは、角松敏生くらいじゃないか?

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そして、ピアノに向かった Billy がスタッフから渡されたのはハーモニカ。ここでもオチャラケて、何かクラシックの曲を一節弾いて、観客をじらした。曲はもちろん「ピアノ・マン」。エンディングでは、サビの大合唱となった。こうして本編は終わった。

アンコールまで5分とは待たなかったようだが、すっかり舞い上がってしまったSunHeroは、鼓膜が破れるんじゃないかと言うほどのハンド・クラップでアンコールを求めた。掌が痺れて真っ赤になってしまった。

アンコールはナント5曲。ギターを抱えて戻って来た姿を見て、すぐに何をやるか分かった。29年前と同じ「ハートにファイア」だ。Billy には全米No.1ヒットが3曲(Billboard Hot 100にて)あるが、本編では一曲もやっていなかった。

そして、ここから全米3位、全米1位、全米14位、全米7位と、様々なタイプのロックンロール・ナンバーが続く凄まじいアンコールだった。極めつけは「ガラスのニューヨーク」の終盤で、突然 Led Zeppelin の「ロックンロール」をやり出した所じゃないか!歌っていたのは、「誰も寝てはならぬ」で美声を聞かせたマイクさんだった。

終わってみれば、ナントもう一曲のNo.1ヒット「あの娘にアタック」やグラミー賞で二冠に輝いた「素顔のままで」をやらなかった。日本では、それぞれ「アップタウン・ガール」や「ストレンジャー」という、CMに起用された曲の影に隠れてしまったから仕方ないか。

ビリー・ジョエル東京ドーム2024セットリスト⇒https://music.tower.jp/playlist/detail/2000150610(courtesy of Tower Records Music)

下記の通り、UDOさんの撮影許可がありましたので、心置きなく撮影させて頂きました。数ある写真の中から、Big Shots💥を掲載いたしました。
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この記事へのコメント

  • Owner of the Music Lodge

    Dogwoodさん、毎度どうもぉ~!
    「思ったより良い席ではないですか」って、外野席ですよ!座席がどっち向いて設置されているか考えてみてくださいよ。本来は野球を観るため、アリーナ席の後方(内野あたり)が真正面になるような席です。すなわち、開演から終演まで、ずっ~と右60°を向いていなきゃならない。しかも、SunHeroは写真の通りビリーのピアノとの間に鉄柱がある席でした。「注釈付きS席」の意味を痛切に思い知らされたんです。
    2024年02月02日 01:36
  • Dogwood

    待ってました、ライブレポート!初来日公演にも行ってるとは筋金入りですね。Billyへの思いが伝わる素晴らしいライブレポートに感謝感謝です。しかし74才で2時間半とは凄い!まさにエンターテイナー!一夜限りのプレミアムチケットでしたね。あと、思ったより良い席ではないですか。あ~、ライブ行きたくなりました!師匠も「燃え尽き症候群」にならぬよう、これからもライブに通い続けてくださいませ。
    2024年02月01日 23:02

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