
正式には・・・・
Daryl Hall and the ‘Daryl's House’ Band
with Special Guests ‘Todd Rundgren’ and ‘Cornelius’
at Tokyo Garden Theater in Ariake Garden
November 23, 2023
・・・・といったところでしょうか。10月初週に突然発表になった Daryl Hall と Todd Rundgren の合同来日公演は、4年前の Rundgren の東京公演と同じ「すみだトリフォニーホール」にしておけば良かったと後悔した。だって、あっち=2,000人、こっち=8,000人だもん。with Special Guests ‘Todd Rundgren’ and ‘Cornelius’
at Tokyo Garden Theater in Ariake Garden
November 23, 2023
開演前から不満を抱えたまま、まずは前々座の Cornelius だ。全く期待していなかっただけに、映像や照明と見事にシンクロした演奏は見事だった。曲名や歌詞がスクリーンに映し出されるから、演奏を耳にしながら、目はスクリーンに釘付けだ。
小山田圭吾が見えなくても、不満は無かった。お呼びでないのは演者も重々承知してたらしく、スクリーン上に ‘Thank you very much’ と表示して、潔く45分の持ち時間を締め括った。観客から暖かい拍手が起きた。
およそ30分のセット・チェンジの合間に、ドリンクに挑戦しようと思ったが、開演前以上の長い列に断念した。Tully's はクローズしていた。結局、自宅から持参したペットボトル飲料に救われた。

いよいよ Todd Set だ。Daryl's House Band をバックに歌う Rundgren は、僅か1時間の中で5曲ある全米Top40ヒットのうち3曲を披露した。
どんどんR&Bにシフトしていく選曲は秀逸だった。声が擦れようが、音程が外れようが、R&Bの持つグルーブをしっかりキープしていた。本人が一番心地良さそうだった。
ハウス・バンドの面々にも敬意を払う場面もあった。とりわけ「瞳の中の愛 (I Saw The Light)」では、間奏のギター・ソロをバンマスの Shane Theriot に任せてしまったのには驚いた。
せっかく Charlie DeChant が居たのに、Saxが活躍する曲が無かったのは勿体ないと思った。どうせ “Something/Anything?” からあんなに沢山やるなら、故 Mark "Moogy" Klingman 作 の ‘Dust In The Wind’ をやって欲しかった。
因みに、この曲、Kansas の同名曲とは別物です。驚いたことに、Guns N' Roses がライブで度々演奏していたそうです。余談ですが、Kansas の方は Scorpions がカバーしてます。
- Real Man~ from "Initiation" 1975
- Love Of The Common Man from "Faithful" 1976
- It Wouldn’t Have Made Any Difference from "Something/Anything?" 1972
- We Gotta Get You A Woman from "Runt" 1970
- Buffalo Grass from "One Long Year" 2000
- I Saw The Light from "Something/Anything?" 1972
- Black Maria from "Something/Anything?" 1972
- Unloved Children from "Nearly Human" 1989
- Hello It’s Me from "Something/Anything?" 1972
- Sometimes I Don’t Know What To Feel from "A Wizard, A True Star" 1973
- Medley: I’m So Proud~Ooh Baby Baby~I Want You
the first two songs from "A Wizard, A True Star" 1973 - The Want Of A Nail from "Nearly Human" 1989
さて、15分余りの休憩を挟んで、いよいよメイン・アクトの登場だ。単独(=without Oates)公演を観るのは、ほぼほぼ30年振り。ソロ3作目 “Soul Alone” リリース後のツアー以来だ。
着席したまま、舞台上の作業を見守っていると、Marvin Gaye の ”Mercy Mercy Me (The Ecology)” が流れてきた。Todd Setで ”I Want You” を聴いたばかりだったので、どうせなら故 Robert Palmer がパクった Marvin Gaye Medley をやれば良かったのに、と思った。
あのソウル・メドレーで、いつもライブでは別の曲と差し替えられてしまうのが、The Delfonics の ”La La Means I Love You” だ。今回だけは仕方ないと納得した。でも、しかし、だが、彼らの ”Didn't I (Blow Your Mind This Time?)” って、日本でそんなに有名か?(詳細?は後述)
驚いたのは、その次の曲。聞き覚えのあるイントロなんだけど、何か違うなぁ~と思っていたが、Peter Cetera のボーカルだったので、余計驚いた。曲名は ”Street Player”、演者は Chicago。恐らくアルバム・バージョンよりも長い。誰のリミックスか?と思っていたら、客電が落ちた。幕間に流れる曲に反応しちゃうって、変ですかね?
さてさて、暗転したままの舞台に、ハウス・バンドの面々が戻ってきた。少し遅れて Daryl Hall の登場。これが Hall & Oates じゃないことを明確に印象付けるかのごとく、初ソロ・ヒットでスタート。ソウルフルな展開だった Rundgren とは対照的に、Hall の多彩な音楽性が渾然一体となったセットリストだった。
アンコールでは、Rundgren を呼び入れて、互いの持ち歌を相手が先に歌う形で、リード・ボーカルを分け合った。今のところ最後のTop40ヒット=”Can We Still Be Friends?” は、ここで登場した。
そして、前述のDelfonicsの曲を気分良く歌い終えると、Rundgren だけが退場し、日本だけのオマケで大団円。"Private Eyes" パン!、"are watching you" パパン!・・・・突然何が始まったの?とキョトンとしてた人、Hall & Oates のライブにも行ったことなかったのかな?
- Dreamtime* from "Three Hearts In The Happy Ending Machine" 1986
- Foolish Pride* from "Three Hearts In The Happy Ending Machine" 1986
- Out Of Touch from H&O's "Big Bam Boom" 1984
- Say It Isn’t So from H&O's "Rock 'n Soul Part 1" 1983
- I’m In A Philly Mood* from "Soul Alone" 1993
- Everytime You Go Away from H&O's "Voices" 1980
- Babs And Babs* from "Sacred Songs" 1980
- Here Comes The Rain Again* from "Before After" 2022
- Sara Smile from H&O's "Daryl Hall & John Oates" 1975
- I Can’t Go For That (No Can Do) from H&O's "Private Eyes" 1981 [encore]
- Wait For Me from H&O's "X-Static" 1979
- Can We Still Be Friends?* from TR's "Hermit Of Mink Hollow" 1978
- Didn’t I (Blow Your Mind This Time?) "The Delfonics' Grammy-Awarded song" 1970
- Private Eyes from H&O's "Private Eyes" 1981 *:(also / only) available on Daryl Hall's "Before After" album 2022
最後に、Rundgren のバックを勤め上げ、Hall の音楽性に柔軟に対応していた ”The ‘Daryl's House’ Band” に敬意を表して、ラインアップを紹介します。何とA.W.B.の現役メンバーがいたり、父子二代に渡って Rundgren や Hall & Oates がお世話になっている方がいたりして、ビックリしましたよ。
- Shane Theriot (Guitar) ー Long-Time Band Leader of “Live from Daryl's House”
- Greg Mayo (Keyboards) ー Son of Bob Mayo, who appeared on “Frampton Comes Alive” and part of “Something/Anything?” among others
- Klyde Jones (Bass) ー Attributed Member of the Average White Band
- Brian Dunne (Drums)
- Porter Carroll Jr. (Percussion)
- Charlie DeChant (Sax, Flute, Keyboards) ー Long-Time Sideman for Hall & Oates
プロのライターによるライブ・レポートはコチラから~~
ダリル・ホール with トッド・ラングレン 来日公演初日のライヴ・レポート

ライブ・コンサートランキング
[[ 2023/12/12追記 ]]
一時的にSpotifyに再登録したので、本文中で取り上げた ”Street Player” のプレイリストを掲載します。
アマゾンには Rufus の楽曲自体が見当たりません。
この記事へのコメント
SunHero
Kasim's UTOPIAはYouTubeで見ましたよ。
Dogwood
ライブレポートありがとうございます!プロライターのレポートなんて比じゃない内容のレポートでした。おかげでライブに行った気になりました。どちらもナイスな選曲で、良かったですね。Kasim’sUTOPIAは是非生で観たいので、来日情報よろしくお願いします(他力かよ)。