エンタメ界は、コロナ禍で失った興行の分も取り戻そうと、躍起になっているようだ。既に、今春の洋楽アーティストの来日公演や、恒例の周年ライブを律儀に開催しているスガシカオを皮切りに、角松敏生、安藤裕子、BONNIE PINKと邦人アーティストのライブにも足を運んだ。そして、もう1つのファクターである映画も、舞台挨拶上映を中心に劇場鑑賞を再開した。チケットぴあ（チケぴ）からは、いつになく沢山の舞台挨拶上映の案内が届く。こういう時は、映画の内容云々よりも、登壇者のメンツが重要だ。掲題の作品も然りだ。各々のシーンは綺麗に撮られているが、最後まで観ても何を訴求したいのか分からなかった。先日の「水は海に向かって流れる」よりも抽象的で、映画祭に出品される芸術作品みたいだった。
登壇者は、吉岡里帆、松本まりか、詩羽（水曜日のカンパネラ）、千原徹也監督の4名だった。今回はかなり前の方の端の席が確保できたが、果たして登壇者はどっちから登場するのか？SunHero側の扉から入ってきたのは、音声さんだった。MCの合図で向こう端の扉が開いた時は、慌てて前回の舞台挨拶時から入れっ放しだった小型双眼鏡を取り出した。
三者三様に着飾った姿は、レッド・カーペットを歩くスターのようだった。衣装ばかりが目立っていた詩羽に対して、他の二人はちゃんと顔が際立つ衣装だった。あれでも結構オシャレしていたと思われる監督は、女優陣から話を振られないと、劇場内の内装に溶け込んでしまったかのように存在感が薄かった。
上映後のイベントと言うことで、ネタバレOK。ざっくばらんな話は興味深かった。吉岡里帆演じる常田菜摘は、アイスクリーム店に勤めながら、モトーラ世理奈演じる常連客にして作家の橋本佐保に、特別な想いを抱く。詩羽演じる後輩バイトの桑島貴子は、そんな菜摘を心配そうに見守る。
松本まりか演じる高嶋優は、アイスクリーム店の近くに住んでいた。ある日、優の姪＝南琴奈演じる高嶋美和が、失踪した父を探しに来たと訪ねてきた。美和の母親＝優の姉は、＠驚く俳優が務めていて、その登場のシーンは笑撃的だった。
映画は、菜摘のストーリーと優のストーリーが交互に描かれていて、どちらも比較的淡々と進行する。あれを伏線と呼ぶなら、呆気ない回収に椅子からずり落ちそうになった。ミステリアスな役どころのモトローラ世里奈と、フレッシュな演技で叔母を翻弄する南琴奈が、脈絡のハッキリしないストーリーの中で、とても印象に残った。
それなりに映画を楽しんでいたSunHeroに対して、後ろの席の兄さんは、隣の彼女(？)に、さも映画を極めたかのような口調で「面白かった？」とか、この手の映画のウンチクを披露していた。出来れば、SunHeroに聞こえないように話してもらいたかった。
何よりも失礼だったのは、舞台挨拶中だ。女優陣の衣装に難癖を付けたり、吉岡里帆の作品PRを台詞みたいだとか、別の話題ではオチに困って松本まりかに話を振ったら、罪のなすりつけ合いだとか・・・・まるで批評家のような口ぶりで揚げ足取り。オマエは何しに来たんだよ！
SunHeroも女の子と映画やコンサートを観に行った時、あんな感じだったのかなぁ～。聞こえてくることがイチイチ不愉快だったのはもちろん、若い頃の自分を思い返して、何だかこっちが恥ずかしくなった。
舞台挨拶は、次の上映回の前にも行なわれた。マスコミ各社の取材も入ったようだ。帰宅してから調べたら、2回目の舞台挨拶の模様が、もうアップされていた。ネタバレに気遣いながらも、もったいぶったトークで盛り上がっていた。ウチらのは、リハーサル？ウォーミングアップ？
原作は川上未映子の短編小説「アイスクリーム熱」だそうだ。SunHeroは～♪、原作も知らないけど～♪、SunHeroは～♪、何を描いてるのかも知らない♪実は、後ろの席の兄さんよりも、酷い観客だったかもしれない。
そうそう、会場はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。開催日時は7月14日(金)の15時20分～。舞台挨拶が終わったのは、17時40分頃だったかな？壇上の美女たちは、とても遠くに見えた。本当は何しに行ったんだろう？
場外の「大屋根プラザ」では、丸亀製麺が「丸亀シェイクうどん」の
「極冷 凍らせ塩レモンぶっかけ」と「明太ポテサラクリームうどん」が配布されていたが、どっちがもらえるかは時の運だった。外はまだまだ暑い。暑気払いには前者が良さそうだったが、もらえたのは後者だった。
美味しかったかって？SunHeroが言えることと言えば、食べてる途中から、水でもいいから、何か飲み物が欲しくなった。セコクもう一回並ぼうかと思ったが、ブースの出口にあったゴミ箱の残飯を見て止めた。
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