40年間シカトされてたBrian Mayの“Star Fleet Project”

先日紹介したBrian May + Friendsの“Star Fleet Project”が、40年の歳月を経て、ここ日本でついに発売になった。多くの音楽系ニュースサイトが、リリースが決まった時点で、挙って取り上げていた。中には、まるで40年前に国内盤が発売されたような誤解を招く記述もあったが、40年前には知る由もなかった事実が明らかになって、とりあえず目出度しメデタシだ。

“Star Fleet”が特撮TV人形劇だということは40年前に分かっていたが、まさか永井豪が原作&キャラクター・デザインを手掛けた「Xボンバー」という日本の作品だったとは、本当に驚いた。1980年10月4日から1981年3月28日まで、フジテレビの土曜日18:00-18:30枠で放送され、1982年10月からイギリスでテレビ放送が始まったそうだ。

イギリスと言えば、「サンダーバード」や「キャプテン・スカーレット」等に象徴される特撮人形劇の本場だ。Brianの当時4歳の息子=Jimmyが、土曜日の朝に必ず父親を呼んで、一緒に観ていたそうだ。本場の小さな視聴者を夢中にさせたのは、それなりのクオリティーがあった作品だった証拠だろう。

このイギリス版はアメリカでも放映された他、フランスでも「Bomber X」として放送されたそうだ。だが、Brianのカバーはイギリス以外では話題にならなかった。所詮は子供向けと軽視されたようだ。

「Xボンバー」ではオープニングとエンディングの曲を、ナント日本のハード・ロック・バンド=Bow Wow (BOWWOW?)が担当していた。楽曲は彼らの8枚目のシングルとして発売されたそうだ。

Bow Wowと言えば、Metallicaのオリジナル・ドラマー=Lars Ulrichが彼らの大ファンだと公言しているし、80年代のVow Wow時代後期には、WhitesnakeやGary Moore、Black Sabbathでお馴染みのベーシスト=Neil Murrayが加入し、英語の歌詞も担当したそうだ。

Neil Murrayは、Cozy Powellと共に、Brian Mayの2枚のソロ・アルバムに参加し、来日公演にも帯同したそうだ。ちゃんとオチが付いているのは偶然か?う~む、因果は巡る。

因果と言えば、イギリスでの放映に際し、音楽も新たに作られた。担当したのは、ナントPaul Blissだ!念のため調べたら、やっぱり日本のAORファンならお馴染みの彼だった。1990年代にPatrick Mrazを解雇したMoody Bluesに助っ人ミュージシャンとして起用され、Moodiesのファンクラブの要望で制作された“The Edge Of Coincidence”は、日本でもCool Soundから発売されたことがある。

Moody Bluesは、SunHeroが死ぬまでに観たいバンドの1つだが、今やオリジナル・メンバーが誰もいないBlue Jays状態だし、Justin Haywardがもう10年以上も前のインタビューで、2003年の“December”がMoodiesとしての最後のアルバムだと語っていた。

Blue Jaysの二人とPaul Blissで、Moody Bluesと名乗らなくてもいいから、Billboard Liveとかで来日公演してくれないかな?そん時には、Ray Thomasの代わりに管楽器を担当していた美女も連れてきて!

まあ、とにかく、調べれば調べるほど、SunHeroにとって縁(ゆかり)のあるアーティストと繋がっていて、いや~ホント感慨深いですな。

今回の40周年記念リイッシューのおかげで、当時のMV(?)がYouTubeにアップされていた。サンダーバードのような精巧な造りとスター・ウォーズのような造形美は、まるでアメリカのTVドラマの風体だ。これがMade in JAPANとは思えない出来映えに、改めて驚かされた。



それにしても、円安のせいで、輸入盤と国内盤の価格差が、急速に縮まってしまった。有名アーティストであっても、国内盤が発売されないケースが増えた気がする。そもそも、わざわざ輸入したモノの方が安いんじゃ、国内生産は廃れる一方だ。一億総失業時代は、すぐそこまで迫っているのかもしれない。

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