
タイトルは“Big World”。イタリア語のMondo Grossoを英語に訳しただけ。前作「何度でも新しく生まれる」という不思議なタイトルとは対照的にシンプルだ。大沢伸一にどんな心境の変化が起きたのだろうか?少なくとも、アルバムの雰囲気は前作を踏襲した印象だ。しかし、満島ひかり、齋藤飛鳥の続投以外は、ボーカリストが刷新されていた。
満島ひかり参加曲は、坂本龍一が奏でるピアノの旋律をなぞるように歌う曲で、ちょっと単調だなと思っていたら、終盤でガラリと雰囲気が変わった。大沢伸一があのままスンナリ曲を締め括る訳が無い。ただ、ちょっと満島ひかりのボーカルが霞んでしまった。意図した通りなのだろうけど、何となく「ラビリンス パート3」みたいな印象で、SunHero的には物足りない。('_')um
結局はSunHeroの勉強不足というわけだが、前作以上に知らないゲスト・ミュージシャンが多くて、後半の田島貴男・中島美嘉のボーカル曲に、ようやく浮遊感漂う音世界に着地点を見つけてホッとした。millennium parade、ヨルシカ、EGO-WRAPPIN’、Awesome City Clubなど、名前は見聞きしているけど、どんな音楽をやっているのか、実はほとんど知らない。(^_^;)
かつてCosa Nostra(コーザ・ノストラ)という女性ボーカリスト2名を擁した大所帯のグループがあった。彼等も、イタリア語のグループ名を英語に直しただけの、5thアルバム“Our Thing”(1998)を発表している。彼等の場合、同年にToy's Factoryへ移籍後のbellissimaレーベル時代を総括するベスト盤をリリースして、Sonyへ移籍してしまった。
ここから、ほぼ一作毎に異なるレーベルからアルバムを出す迷走期に入った。レギュラー・メンバーも一気に3人になった。アルバム毎に助っ人ミュージシャンを招き、音楽活動を継続したが、2010年には創立メンバーの桜井鉄太郎と長田定男だけになった。以降はCMソングなどを手掛けたりしていたが、Cosa Nostraの名前を耳にする機会は激減した。
Mondo Grossoも、問答無用でそんな時期に突入してしまうのだろうか?否、こっちの方が、寡作ながらもソロ・プロジェクトとして順調に活動しているから、また忘れかけた頃に新作を発表してくれると信じている。でも、満島ひかりが参加しなくなったら、どうかなぁ~?

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