タイトルはスバリ“The Studio Wizardry of Todd Rundgren”だ。さしずめ、「トッドのスタジオ妙技」と言ったところか?アーティストとして沢山のアルバムを発表してきただけでなく、プロデューサーとしてもバラエティーに富んだアーティストを手掛けてきた。
プロデューサーとしてのTodd Rundgrenを評した文章は数多あるが、百読は一聴に如かず。こうして楽曲そのものを一堂に集めて聞く方が、手っ取り早いに決まっている。著作権や元音源自体の使用権など、権利関係がクリアできたからこそ、本作のリリースが可能になったのだろう。
CD一枚に22曲、よくもこれだけ詰め込んだものだ。だが、どうしてNAZZやUTOPIAの曲まで、収録したのだろうか?まだ他に取り上げるべき曲があったはずだ。
例えば、ティーン・アイドルとして人気を博したShaun Cassidy。彼の5枚目にして最後のアルバム“Wasp”(1980)は、Rundgrenのみならず、Utopiaのメンバーが全員参加した異色の作品だった。
ここには、Rundgrenが自身のアルバムで取り上げていない書き下ろしが3曲、CassidyとRundgren、Utopiaのメンバーによる共作が1曲収録されている。後者は、Cassidyのベスト盤に収録されている。
その前年には、イギリスのパンク・バンド=Tom Robinson Bandの“TRB Two”がリリースされている。このアルバムは、Utopiaの英国ツアーの合間を縫って、Rundgrenプロデュースの下、たった一週間(1978年12月13日~19日)でレコーディングされた。
珍しいところでは、高野寛やレピッシュといった邦人アーティストのアルバムも手掛けている。容易に推測できることだが、権利関係の問題がクリア出来なかったらしく、「虹の都」すらチョイスされていない。
他にも、Steve Hillageの“L”(1978)、Splenderの“Halfway Down The Sky”(1999)、Bad Religionの“The New America”(2000)、そして、商業的に最も成功したMeat Loafの“Bat Out Of Hell”(1977)などがある。
今月下旬に発売予定だが、配信の予定は無いのだろうか?国内盤が出る見込みがないせいか、輸入盤なのに結構高い売価設定になっている。
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