徐若瑄 [Vivian Hsu] - I'm V (September 2020)

ビビアン・スー/I'm V昨年「コンフィデンスマンJP プリンセス編」で久々に日本の芸能界に顔を出したビビアン・スーが、昨秋に台湾で実に14年振りのアルバム”I'm V”を発表していた。アルバムの解説は、2015年に開設した公式LINE BLOGに掲載されているので、そちらをご参照下さい。

ここではチョットだけ補足説明をします。文末にSpotifyとAmazon Musicのプレイリストを埋め込みましたので、試聴だけでもしてみて下さい。いずれかのアカウントをお持ちの方は、サインインしていただければ全曲フル・バージョンでお聞きになれます。

さて、2010年には日本再進出を図って、CMとのタイアップでシングルを発売。翌年には”Natural Beauty”というアルバムまで発売したが、その後が続かなかった。あるいは、後述するように、初めからそれだけの契約だったのかもしれない。一方、私生活では2014年にシンガポール在住の男性と結婚し、一児の母になった。前述のブログでも、開設早々、妊娠中の様子を綴っている。

ビビアンにとって芸能活動は女性差別との戦いだったようだ。本作に収録されている楽曲の中には、むしろ日本の芸能界へのアテツケと思える日本語による電話のやりとりが、間奏に被せてあるものがある。元々はブラック・ビスケッツ(黑色餅乾)で日本でも人気を博していた頃、台湾でリリースされたアルバムに収録されていた。

公式ブログでも紹介されているように、5曲の新曲以外は既発曲だ。それらはBMG Taiwan時代の楽曲だ。今回の発売元はSony Music Taiwanだが、米CBS Recordsを丸ごと買収したSonyが、その後ドイツのBMGを吸収合併したため、こういう形のリリースが可能になった次第だ。

おかげで、Avex Asia(旧:AVEX Taiwan)時代の楽曲がスッポリ抜けている。リンク先にAVEX版のベスト盤のプレイリストを用意しましたので、ご興味のある方は訪れてみて下さい。

さて、ビビアンは我々日本人の知らないところで、多くの映画・CMに出演し、たまに映画祭とかで日本でも上映される程度だ。もはや日本から好条件のオファーがないと、日本の仕事は引き受けないようだ。

BoAがAVEXの手厚い保護の下、日本で韓国以上の成功を収めたのとは対照的だ。日本語もままならないうちに日本へ送り込まれてしまったビビアンは、たどたどしい日本語すらも笑いのネタにされ、稼いだギャラも交際タレントに貸したつもりが、まんまと踏み倒されたようだ。

そんな苦い経験から、近年は女性の地位向上と芸能界での待遇改善に尽力し、2016年から世新大学に通い、2019年にMBAを取得した。ついには、啓蒙の一環として映画まで制作してしまった。だから、本作にも意図的にアテツケ・ソングを収録したのだろう。

なぜか日本語歌詞の曲も収録されている。国内盤が出る気配は全くないが、配信サービスは簡単に国境を越える。SunHeroのような日本のファンの耳に留まることも想定内なのかもしれない。

日本のタレントは政治とは距離を置きたがるが、欧米のみならず日本以外のアジア圏では、その知名度を生かして政治に積極的に関わるタレントは多い。ただ中国政府に睨まれて、不遇の死を遂げたテレサテンの二の舞にはなって欲しくない。



以下の二曲は、2014年のクリスマス・シーズンにリリースされたシングルです。「藍色聖誕節 (Blue Christmas)」は、雪の降らない台湾ならではのXmasソングですね。この二曲も収録してくれれば良かったのに・・・・


最後にもう一曲。昨年「東京国際映画祭」でも上映された映画「弱くて強い女たち (原題:孤味)」のエンディング曲のMV(?)です。映画、見たいなぁ~。


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