SHARPのSIMロックフリースマホ三兄弟
MVNOの先駆けと言ったら、語弊があるかもしれない。MVNOは自社で通信回線も持っていなければ、実店舗も無いのが普通だからだ。その点、SoftBankの廉価サービスとして2014年に登場したY!mobileは、積極的に店舗展開した。最近は近隣のSoftBank店舗内へ統合されることが多くなったが、我が家から一番近いショッピングモールには、今でもSoftBankとは別にY!mobileショップがある。
設立当初から品揃えには大いなる疑問と多大な不満があったが、それでもラインアップにAQOUS Crystal Y (402SH)が加わると、すかさずauからMNPで乗り換えてみた。auと同等のオプションを付けても、月額料金は半額近くまで下げられた。機種代金は、分割にすると、毎月の支払額から同等額が値引きされるので、最初の2年間しっかり縛られている(苦笑)と、実質タダになった。
だが、ICT技術はハードウェアの性能すら無視するほど過激な進歩を遂げた。おかげで、便利(そう)なアプリを次々にインストールしていったら、内蔵メモリーが容量不足になった。Androidのデフォルト・アプリは削除できないが、無効にすることで僅かながら容量を確保することができたが、最初の2年を待たずに不満が爆発しそうになった。
Y!mobileの品揃えは相変わらずで、FeliCa非搭載の機種ばかりだったため、結果的にどうにか2年耐え忍ぶことができた。要するに、Y!mobileはGoogleのご機嫌窺いばかりで、利用者のニーズに応えようとしてこなかったのだ。
恐らく、FeliCa非搭載のiPhoneがスマホ市場を席巻していたから、経営陣はおサイフケータイが電子マネー普及の一助になっていたことを軽視してしまったのだろう。だが、未だにその方針を変えないのは馬鹿としか言いようがない。しかも、他社も同様だったとは言え、新規顧客の獲得に熱心な余り、既存利用者に対しても機種変更より新規購入の方が安く買えるというのも、如何に失礼なことか!
もっと厄介だったのは、MVNO事業者はモチロン、家電量販店でもスマホ本体だけが買いたいのに、必ずどこかしらの通信事業者との契約が必須だったことだ。昨年、政府主導で契約期間内の解約に伴う違約金と自動更新の廃止や基本料金の大幅引き下げが実現した。実際には、通信料が安くなったというよりは、月間のデータ通信量が増えたといった印象だ。
それどころか、端末代金はかえって高くなってしまった感じだ。それでも、スマホ本体だけを買うことが出来るようになったのは有難かった。
Y!mobileに限らず、どこも同様なのだろうが、ようやくお眼鏡に適う機種が出たと、ショップへ出掛けていくと、機種変更どころか新規契約の場合でも、かえって毎月の支払額が増えてしまうという見積もりに失望させられた。そこで目を付けたのが、とあるMVNOの販売部門だった。
2017年に不定期でスマホのセールを行なっていたので、その機に乗じてスマホ本体をとても安く手に入れた。本来ならSIMの契約もしなければならないのだが、AQUOS Crystal YからSIMを差し換えたら一応使えた。もし不具合が起きたら、その時に販売元のMVNOとSIMの契約を交わせばいい訳だ。
だが、新しく手に入れたスマホも、半年程度で容量不足と1日2回の充電が必要という問題に直面した。そこで、2018年に別のMVNOで、同じ手を使って安くスマホを手に入れようとしたが、SIM契約が必須だった。最低利用期間は6ヶ月だった。いずれは第4のMNOになる事業者だから、将来に備えたお試しの意味合いもあって、敢えて契約した。Y!mobileのSIMが使えることを確認した上で、6ヶ月目に解約の申請をした。
この間使い続けていたのは、すべてシャープの製品だった。XPERIAよりも安くて、arrowsよりも僅かにハイスペックだったからだ。買い換える度に容量不足の問題は解消されていったが、相変わらずバッテリーの持ちが悪くて、モバイルバッテリーを購入せざるを得なかった。小型でも大容量だったのに、かなり安価だったので、Anker製のものにした。
だが、生活が困窮してくると、オプションをすべて解約しても、Y!mobileの基本料が払えない事態が起きた。支払に利用していたクレジットカードが、残高不足で引き落とされなかったからだ。コロナ禍で給与の支給がひと月遅れた影響だ。
しかも、クレジットカードが利用停止の間に、翌月のY!mobileの請求がカード会社に上がったため、そっちの請求の方が先になった。Y!mobileから金額が印字された払込用紙が送られてきたのだ。期日までに払い込まないと、今度はスマホが使えなくなる。落ちなかったカード分よりも緊急度は深刻だ。家族から借金して、コンビニで払い込んだ。
経済的な困窮は給与さえ入ってくれば解消される一時的なものだったが、自宅に籠っていても1日2~3回は充電するようになったスマホに、無性に腹が立つようになった。精神衛生上ヤバイよと思い、買い換えを検討開始した。
ターゲットは懲りずにまたシャープだ。SH-M11、SH-M12、SH-M13のいずれかが安く買える手段はないか、検索しまくった結果、goo SimsellerがOCNモバイルONEとの音声通話SIM契約必須で、SH-M12を1万円程度で売ってくれるというので申し込んだ。
その日のうちに返信があり、OCNモバイルONEとの音声通話SIM契約の手順が記載されていた。早速、契約手続きを行なったが、審査に日数を要するとかで待たされた。申し込みから4日後に契約OKのメールが来た。翌日の夕方には、goo Simsellerから商品発送の通知が来た。申し込みから6日後、新しいスマホが届いた。
当初はOCNは即月解約で、Y!mobileのSIMを挿して使おうと思っていたが、OCNの方が年間で1,800円程度安くなると判明したので、5年間の交際に終止符を打った。ナント申し込みはオンラインで完結するのに、解約となるとショップへ出向かなければならなかった。しかも、このご時世なので、来店予約が望ましいとのこと。やっぱ中途半端なMVNOだ。
ちなみに、Y!mobileからの乗り換え候補には、楽天モバイルも挙がっていた。一年間基本料金無料のキャンペーンは魅力的だったが、SH-RM12はSH-M12の廉価版だと判って断念した。Y!mobileにおける同等品と思っていたAndroid One S7も、同様だった。そのどちらよりも安く買えたのだから、本当に嬉しい。
参考情報(ITmedia Mobile)
「gooSimseller」のSIMフリースマホはなぜ安いのか?
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