それが何かと言えば、吉田沙保里さんが出演しているNEXCO中日本の企業広告「次の道を行く人へ。」です。いつまで視聴できるのか分からないけど、掲載サイトへリンクを張っておきます。リンク切れになっても悪しからず。
NEXCO中日本:企業広告「次の道を行く人へ。」
別に吉田沙保里さんに驚いたわけではありません。注目(注耳?笑)していただきたいのは、BGMの方です。CMの中盤あたりで画面の左下に誰の何という曲か表示が出ますが、SunHeroはピアノのイントロだけでピンと来ました。
上手く30秒に収まるように曲を編集してありますね。しかも、どの部分の歌詞を引用するかまで、さりげなく広告の主旨に沿うよう配慮されている。画的にはどうかと思いますが、いい仕事してますね。
Jefferson Starshipの“Count On Me”は、1978年発表のアルバム「EARTH~地球への愛にあふれて」からのファースト・シングルです。MTV登場前夜ですが、YouTubeにビデオクリップがありました。画質も編集も酷いものですが、そういう時代でしたから、かえって貴重かもしれません。
誰かの家のリビングでホームビデオ風に撮影された感じですね。アコースティックな曲調からして、とてもリラックスした雰囲気が窺えますが、その後の欧州ツアー中に紅一点のGrace Slickが下船、更にこの曲のリード・ボーカリスト=Marty Balinまでが脱退という、実はバンド存続の危機が迫っていた時期でした。
Marty Balinは、ご存じの方も多いと思いますが、ソロに転向して「ハート悲しく」のヒットを放ちます。来日公演まで行なって、その時に耳にした日本のポップスに触発されて、井上鑑プロデュースで稲垣潤一の曲を英語カバーしたミニアルバムを出すほどでした。残念ながら、2018年9月27日に急逝されました。
二人の看板ボーカリストを失ったバンドは、SuperflyもカバーしたElvin Bishopのヒット曲“Fooled Around And Fell In Love”(愛に狂って)でリード・ボーカルを任されたMickey Thomasを迎えて、Journeyを思わせるハード・ロック路線(日本では渋谷陽一氏によって「産業ロック」と括られた音楽)を打ち出して再離陸に成功しました。途中からGlace Slickが復帰し、後にStarshipとなって、全米No.1ヒットを3曲も放つほどの成功へ繋がりました。
さて、話をビデオクリップに戻しましょう。印象的なイントロを弾いているのはPete Searsだったことが分かります。Martyの対面でギターを弾いている眼鏡男がリーダー=故Paul Kantner、外が見える窓際のソファに座ってハモっているのがGlace SlickとDavid Freiberg、Paulの右奥で手拍子を打っているのがドラムスのJohn Barbata、Paulの後ろのソファに座って間奏のギターソロまで弾いているのにほぼフレームアウトしてしまっているのがCraig Chaquicoです。
Jefferson Starshipは1990年代に入ってからPaul Kantnerによって再結成されましたが、オリジナル・メンバーが1人も居なくなった現在もコンサート活動を続けているそうです。
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