Top 5 SONGs 2017 (SunHero's Entertainment Ranking Pt.4)

SunHeroのエンタメ生活を振り返る恒例の年間ランキング、続いては「楽曲部門」を発表します。

前回、突如復活した部門ですが、本来「楽曲」こそが音楽を聞く楽しみの基本単位なのに、しばらく「なおざり」になっていました。しかも、いざ復活してみれば、少々人を食ったようなランキングでしたよね。「楽曲」の質以上に、インターネットの時代らしい拡散の仕方や、それをマスコミが後追い報道する様子など、音楽業界の既存販売システムの隙間を突いたヒットの仕方が面白かった。

2017年は、その傾向がさらに浸透・多様化したように思う。最も象徴的な例が、荻野目洋子のダンシング・ヒーローだ。32年振りのリバイバル・ヒットの火付け役は、皆さんもご存じの通り、大阪府立登美丘高校ダンス部だ。この曲を使用した「バブリー・ダンス」の動画が、YouTubeに投稿されたのは7月だそうだ。折しも、同曲を出囃子に使用したネタで注目されるようになった平野ノラが、動画をそこら中で話題にしたおかげで、ついに9月25日付けのBillboard Japan Hot 100総合シングルチャートで、46位にランクインした。

一番出遅れたのは、レコード会社じゃないだろうか?同曲ばかり15バージョンが収められたダンシング・ヒーロー ジ・アーカイブスという企画シングルは、12月20日にビクターエンターテイメントから発売された。1970年代のディスコ・ブームに代わって台頭しつつあったユーロビートを、いち早く歌謡界に取り込んで、アイドル乱立時代に荻野目洋子が注目を浴びるきっかけになった。

Top 5 SONGs 2017
  Rank  Title      Artist      Nation   Release Year   Format
  1. ラビリンス (feat. 満島ひかり)    MONDO GROSSO    日本  2017  CD
  2. エイリアンズ    キリンジ    日本  2000  CD
  3. Let's Do This (feat. Moe Berg)    Todd Rundgren    USA  2017  CD
  4. Clocks All Stopped    Kasim Sulton    USA  2014  USB
  5. Bittersweet Samba    Herb Alpert & The Tijuana Brass    USA  1965  CD
  6. All video links through the courtesy of YouTube


Pt.3の「爆買い部門」で薄々勘付いていた方もいらっしゃるかもしれませんが、荻野目洋子の例もぶっ飛んでしまうようなリバイバル・ランクインがあります。近年は説明を省いていましたが、年間ランキングの選考対象は、SunHeroが対象年の1月1日~12月31日に入手したり、体験したりしたものです。つまり、3位や5位は、収録された再発CDを2017年になって買ったので、十分に条件を満たしています。4位のUSBアルバムも同様です。

流石に、5位は1965年発表なので、古すぎて当時の思い出なんてありません。でも、曲名は知らなくても、ニッポン放送の長寿深夜番組「オールナイトニッポン」のテーマ曲だと言えば、かなりの人がご存じなのではないでしょうか?SunHeroも学生時代にはよく聞いたものですが、今やネット・ラジオすら聞いていません。

ちなみに、この曲は「歌ナシ」なので、"SONG"で括るのはおかしいと思われる方もいらっしゃるでしょう。それは、SunHeroも重々承知しています。インストゥルメンタルがランクインするのを想定していなかったので、今後「歌ナシ楽曲」が増えるようなら再考しますが、今回は"TUNE"に変更するのを見送りました。

4位は、amazon.co.jpでもダウンロード購入できるんですね。全曲試聴可なので、興味のある方は訪れてみて下さい。1970年代のTodd Rundgrenの宅録作品みたいな音色ですが、アナログ再評価の昨今だから、温もりのあるサウンドは、若い世代にもすんなり受け入れられると思います。アーティストの一押し楽曲だけに、手作り感満載のビデオも、PCで簡単編集なんでしょう。

3位は、Todd Rundgrenが思い切り時代に迎合した新作の中で、最初にシックリ来た曲です。軽快なロック感は、アルバムの中では、むしろ異色な楽曲です。来日して、この曲をやってくれたら、”Yeah, let's do this”というカウンター・コーラスで、ぜひ呼応(コール&レスポンス)したいものです。

2位のキリンジとは、もっと早く出会っておくべきだった。堀込兄弟が別々の道を歩みようになってから、兄弟それぞれの音楽に触れる機会が巡ってきたが、琴線に触れることはなかった。この曲は、のん(元・能年玲奈)出演のCM以来、ずっと気になっていた。安藤裕子が6月のコンサートで早速カバーしてくれたおかげで、キリンジの曲だと判った。そして、2014年に増補リマスター盤が発売されていることを知った。

1位は、SunHeroの音楽コレクションに時々登場していた大沢伸一と、初めて正面から対峙するキッカケを与えてくれた。満島ひかりは、モノマネ番組で華原朋美の曲などを歌い、実力を披露していたが、Folder時代はMichael Jacksonを彷彿とさせる三浦大知が全面に出ていたし、Folder5になってからは現ビビる大木夫人のAKINAをメインに据えていた。

満島ひかりは、グループ活動の傍ら、子役で映画出演したのをきっかけに、解散後は女優として活躍するようになった。昨年は、ドラマ「カルテット」やこの曲で、もう一つの才能が広く認知されるようになった。さらに、この曲のビデオ・クリップでは、ダンスも披露している。小学生の頃、沖縄アクターズスクールで培ってきたものが、全て開花したような一年だった。


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