2017年10月10日

世界は今日から君のもの (2017日本) [麦の日 前編]

映画公式サイトへ7月15日に渋谷シネパレス等の単館系映画館で公開されたのが、門脇麦主演の「今日から世界は君のもの」です。全国の単館劇場で順次上映予定なので、ご興味があって、お近くで上映されるようであれば、ぜひご覧下さい。エンディングでタイトルが現れる時に、門脇麦のはにかみ笑顔と共に、このタイトルの意味を実感して頂けると思います。SunHeroは、ほのぼのとした気持ちで劇場を後にしました。

監督・脚本は、これまで多くのテレビドラマの脚本を手掛けてきた尾崎将也で、これが二作目の映画監督作だそうです。主題歌は、まだ無名だった頃にライブを見たことがある藤原さくら。某ドラマにヒロイン役で出演した際には、ライブで見たまんまの雰囲気でした。音楽全般は、テレビ・映画・アニメ・ゲームと多岐に渡る音楽を手掛けてきた経歴から、本作のストーリー設定に最適任と思われる川井憲次。その他、本作に相応しいスタッフが結集しています。

発端は門脇麦が出演したテレビドラマ「ブラック・プレジデント」(2014)だったんだとか。脚本は尾崎将也だったんですね~って、SunHeroは見た記憶がありません。この時、尾崎からいつか麦ちゃん主演の映画を撮ろうと提案があったそうです。つまり、この映画は最初から門脇麦主演で練られた企画だったのです。

主人公の⼩沼真実(門脇麦)は、幼い頃から臆病な性格だったのか、何かやってみたいことがあって母親(YOU)に相談しても、気弱な娘を気遣った母親に、いつも否定されていたようだ。本当は、母親に背中を押してもらいたかったんだと思う。だから、両親が離婚した時、娘は父親と暮らすことを選んだのだろう。

父親(なんとマキタスポーツ!)は、繊細な心を持つ娘とどう向き合えばいいのか苦慮して、遠巻きに見守るのが精一杯だった。だから、高校生の頃から「ひきこもり」の5年間、娘が部屋で何をしていたのか、ほとんど知らない。やがて、何がキッカケで「ひきこもり」を止めたのかは描かれていないが、父親の勧めで職場の人達と話す必要の無い単純作業のアルバイトに就く。だが、些細なことで仕事に行かなくなってしまう。

次に父親が見つけてきたバイトは、ゲームソフト会社でゲームのバグを見つける仕事だった。きっと「ひきこもり」の時期に、娘がゲームに興じている様子を、父親も察知していたのだろう。だが、娘が本当に打ち込んでいたのは、別の事だった。

真実がゲーム会社の外階段で休憩していた時、一枚のデザイン画を拾った。階段の上の方で、制作部の社員=矢部(三浦貴大)が、依頼通りのキャラクターを期日までに描き上げてくれないデザイナーと、電話越しのやり取りをしていた。

一部始終を聞いてしまった真実は、その画を持ち帰って、自分なりに描き直してみた。それを匿名のメールで、画の持ち主に送った。実は「ひきこもり」の時期に、密かに少女マンガや風景写真(?)をひたすら正確に模写し続けていた。

真実は絵の才能を認められて、たちまち矢部付きのキャラクター・デザイナーに抜擢された。ところが、模写することからしかイメージが膨らまないため、言葉で伝えられた設定からキャラクターを創作することが出来なかった。

再びバグ探しのバイトに戻されたある日、制作部のサバゲー要員が足りないという理由で、真実が駆り出された。そこで、真実とは対照的に、負けん気の強い女性=安藤恵利香(比留川游)に出会った。敵方だった彼女に執拗に追われたが、何気に打った弾が見事彼女に命中した。後日、その女性と偶然再会し、両親の心配を他所に、真実は彼女の家に居候することになった。

ある日ある境内で、真実が感性の赴くままにスケッチしていた時、その場をちょっと離れた隙に、大事なスケッチブックが盗まれるという事件が起きた。恵利香は、犯人は元カレの矢部に違いないと思い込み、真実を伴ってゲーム会社の制作部へ乗り込んで、大騒動となった。

スケッチブックを盗んだ真犯人が名乗り出て、真実は矢部が苦手としていたキャラクター・デザイナーの許で、ゲーム会社からダメ出しを受けた箇所を修正するという仕事を得た。キャラクターの創作は出来なくても、具体的な要望に沿って修正することなら、雇い主よりも優れていたからだ。真実の中でついに小さな自信が芽生えた。

実は、この映画のクランクインの前日に、門脇麦は急性喉頭蓋炎で緊急入院したんだとか。呼吸器官を塞いでしまう程の腫れものが出来て、そのままだと死んでしまうからと、大学病院に一週間入院したそうだ。従って、撮影開始当初は病院から撮影現場に通ったそうだ。見掛けに依らず、根性あるぅ!

だが、この経験は、門脇麦に大きな意識改革をもたらしたそうだ。見た目の印象から苦しい境遇の役が多かった上、ストイックな性格から役を引き摺ったまま帰宅し、風呂で泣くこともあったという。役作りに真摯な余り、心に余裕が無くなっていたのが、死と隣り合わせの経験をして、一気に解放されたと言う。

それって、この映画の主人公が見せた葛藤や苦悩と重なるものだ。そして、その成果が「ナミヤ雑貨店の奇蹟」に生かされているんじゃないかと思った。実際の撮影は、どういう順番だったのだろうか?あるいは、今後公開される映画の中で、一皮剥けた麦の演技を目の当たりにすることになるのだろうか?

丁度上手い具合に、MOVIX昭島で9月23日から二週間限定で、本作が一日一回上映された。9月23日と言えば、「ナミヤ」の公開日だ。あそこは、他所のMOVIXには無いニクイ上映スケジュールを組むことがあって、コンセッションのメニューから大好きだったパニーニが無くなってしまっても、足を運ばなくてはならないようだ。
posted by SunHero at 23:58| 東京 ☀| Comment(0) | 日本映画鑑賞 | 更新情報をチェックする
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