Linsey Buckingham Christine McVie (2017 USA) [Amazon Music & Spotify 対応]

Buckingham Nicksの復刻に狂喜乱舞していたのも束の間、2014年頃から「噂」になっていたFleetwood Macのニュー・アルバムが、どうしてこんな名義で発売されたのだろうか?三面開きの紙ジャケットに記載されているメンツは、Stevie Nicks抜きの黄金期のメンバーだ。14年前の限りなくChristine McVie不参加に近いアルバムは、バンド名義で発売されたというのに、なぜ今回は“Linsey Buckingham Christine McVie”になったのだろうか?

「ファンタスティック・マック」(1975)「噂」(1977)の頃のサウンドに限りなく愛着があると、1980年代のLinsey Buckinghamがプロデュースやエンジニアリングにも関わるようになったサウンドに、違和感を覚えた人も少なくないと思う。だが、彼がバンドを抜けた間に発表されたバンド名義のアルバムには、流石にSunHeroも馴染めなかった。今にして思えば、Peter Green脱退後のメンバー変動が激しく、音楽的方向性を模索していた1970年代初頭に戻っただけだった。

だから、“Mirage”(1982)“Tango In The Night”(1987)を連想させる楽曲が並ぶ本作には、とても懐かしさを感じた。それもそのはず。ボーカルこそChristineと半分ずつ分け合っているが、プロデュース、エンジニアリング、ソングライティングと、Linseyがマルチで活躍している。Linsey Buckinghamのソロ・アルバムに、Fleetwood Macの面々が全面協力している格好だ。バンド名義ではない理由は、その辺りにあるのかもしれない。

いずれにせよ、今秋は10月にFleetwood Macとして、11月にはLinsey Buckingham Christine McVieとして、全米ツアーを行なう事が、双方の公式サイトで発表になっている。前者にはStevie Nicksも参加しているようだが、ついでに来年、5人揃って来日してくれないものかと、密かに期待している。もし観に行く事ができたら、1980年以来、38年振りになる。その場合、会場は、当時は無かった東京ドームになるんだろうな。

そんな夢の話よりも気になるのが、7月にLANYで開催された“The Classic”というイベントだ。ヘッドライナー級の6組のグループ(Eagles、Fleetwood Mac、Steely Dan、Journey、Doobie Brothers、Earth, Wind & Fire)が出演したそうだ。故Glenn Freyの代わりに、息子のDeacon Freyと人気カントリー・シンガーのVince Gillをメンバーに迎えたEaglesと共に、Fleetwood Macはダブル・ヘッダーの一翼を担ったそうだ。

こういうイベントの情報が届く度に思うのは、TicketMasterで日本からでもチケットが申し込めるという事だ。もしチケットが買えたとして、一体どうやって観に行けばいいんだろうか?貨物船で密航?LCCに身1つで乗って行く?現地に着いてしまえば、諸々の事はAmerican Expressがよしなに取り計らってくれるだろう!

否、やはりBuckingham McVieで構わないから、来日して欲しいな。デュオならBillboard Liveあたりでやってくれそうな気もするけど、ミュージック・チャージはSteely Dan以来の2万円超えか?バンド名義で出さなかった事を、良い方に解釈したくなる。2003年のアルバムに欠けていたものが、本作では存分に楽しめるからだ。

そう、SunHeroは、ボーカリストとしては、Stevieのダミ声より、Christineの鼻に抜ける歌声が好きだ。そういえば、2003年のアルバムの穴を埋めるかのように、隠居中のChristineが2004年に20年振りのソロ・アルバムをリリースした時は、ホント戸惑った。あれは甥っ子のDan Perfectが全てお膳立てした成果だった。だが、結局、アルバムを出しただけで、一切のプロモーションは無かった。

御年71歳でのChristineの現役復帰と、それを実現したLinseyの裏方までこなすマルチ振り、音を聞いているだけで嬉しくなった。9曲目の"On With The Show"は、2014年の再結成ツアーのタイトルだ。Christineは折に触れてStevieのレコーディング参加を呼び掛けていて、その想いは"Red Sun"にも現れている。レコーディングには参加しなかったStevieも、ツアーには参加しているらしい。これ聞いて、期待するなという方が無理だろう。



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