暗黒少女 (2017日本)

映画公式サイトはコチラから名門女子高に通う女生徒達の乙女な部分は上っ面だけと、大々的に宣伝していた「暗黒少女」。若手女優達の悪女振りが見てみたくなって、久しぶりでMOVIX昭島へ足を運んだ。松竹系映画館を束ねるSMTから、2ヶ月有効の「バースデー・クーポン」をもらっていて、期限が迫っていたからだ。

近隣のシネコンで最も古いだけあって、薄暗い館内は良く言えばファミリー向けだが、後発館ほどの高級感は無い。ましてや、露骨な経費削減で、平日のレイトショー上映ともなると、場末館(正しくは「場末感」)が漂うようになった。ダークな物語を鑑賞するには、ウッテツケの場所と言える。

清水富美加、飯豊まりえ、玉城ティナ、小島梨里杏、“アモーレ”の妹=平祐奈、そして、最近は得意のアクションを封印(?)して、唐沢寿明と共演しているミツカンのCMでは、飲食店の看板娘(?)を演じている清野菜名と、女優陣も多彩で豪華だ。SunHeroのお目当ては、モチロン清野菜名だ。

改めて説明するまでも無く、架空のお嬢様学校で起きた女子高生の自殺事件の真相に迫った作品だ。女生徒達は、才色兼備という尺度で、暗黙の内に優劣関係が決まってしまう感じだ。劣等感や嫉妬が渦巻く胸中は全く見せず、女学校に君臨する女王に、少しでも目を掛けてもらいたくて、文学書物をちらつかせたりしている。上品な言葉遣いに、乙女の本音が垣間見える様は、女子高版「大奥」といった感じだ。

否、イマドキは「イヤミス」と呼ぶそうだ。読んでイヤーな気持ちになるミステリーの略なのだとか。後味の悪さが癖になることから、人気が出た新しいジャンルらしい。秋吉理香子の同名小説は、終盤で明らかになる部長の死の真相に、読者は皆「してやられたぁ~!」と賞賛したそうだ。その後味の悪さを演技でどう表現するかも、出家を決断させた一因だったのだろう。

公開前に例の出家騒動があって、せっかくの主演作だというのに、事前の広報活動を台無しにしてしまい、関係者は大弱りだったと思うが、結果的には最大の宣伝効果をもたらしたようだ。当日早朝というか真夜中に、ネット予約した際には、SunHeroが一番乗りだった。そのまま貸し切り上映かと思っていたら、MOVIX昭島の平日レイトショーにしては珍しく、二桁台の観客が居た。

映画は原作がしっかりしているので、大枠では安心して見られた。気になったのは、台詞かな?登校してくる女生徒達は、「おはよう」とは言わない。「ごきげんよう」と挨拶を交わす。だが、飯豊まりえ演じるカリスマ女生徒=白石いつみが主宰する文学サークルでは、清野菜名演じる高岡志夜のように、普通に女子高生の口調だ。セレブ女子高と言っても、親がセレブなだけで、子供は普段は箱入り娘を演じているだけなのかもしれない。そう納得する事にした。

このサークルが特殊なのは、部長の気に入った女生徒しか入部できないということ。しかも、活動場所は学園内の離れ家で、部室には贅沢すぎる重厚でレトロな書斎に、キッチンが併設されている。入室を許可されているのは、部員と顧問の教師だけ。そこで部員手作りのお菓子や料理を囲んで、毎回作品を決めて批評し合う。この特別な時間こそが、部員達の優越感となっている。

部長のいつみが特別待遇なのは、父親(升毅)が学院の理事長だからだ。この親子、実は異性関係に問題ありだった。父親は選りに選って文学サークルのとある部員と援助交際し、娘は顧問の教師と一線を越えた関係だった。物欲が満たされると、金持ちっていう輩はどうしても〇欲を満たしたくなるものなんですね。

飯豊まりえが千葉雄大に・・・・じゃなくて、いつみが顧問に愛されて御満悦なシーン、もうちょっと見せて欲しかったけど、撮影当時の飯豊さん、まだ18歳だったんですね。そうすると、「キョウリュウジャー」の頃は、15歳だったの?(驚) ニコラ・Seventeenのモデル出身だけあって、大人びた表情を作るのは得意なんだろうけど、女優として活躍の場を広げていくと、そのうちもっと大胆なシーンを演じることになるのかな?

その点、清野さんの場合は、既に「Tokyo Tribe」で、大胆なアングルからの華麗なアクションと、生身のバストも公開済み。本作後半で見せた悪態も、所詮はアンカー=清水富美加へのバトンタッチに過ぎず、SunHero的には物足りなかった。例えば時代劇の(ルノーじゃなくて)くノ一とか、SF映画で侵略者と戦うソルジャーとか、肌の露出とはともかく、たまにはキレのあるアクションが見たい。

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