E.L.P.のライブでは、派手な演奏をするEmersonやPalmerに比べると地味な存在だったが、ベーシスト、ギタリスト、ボーカリストのみならず、プロデューサーとしてトリオを支えた。1980年以降は、離散・集合(変則形態)を繰り返しながら活動を続け、1992年には14年振りで3人が揃ったアルバム“Black Moon”を発表し、約20年振りの来日公演も実現した。
だが、1994年発表の“In The Hot Seat”が、トリオ名義での最後のアルバムとなった。このレコーディングの直前にEmersonが腕の手術を受けたため、思うような演奏ができず、一部プログラミングによる演奏となった。結果、セールス的にも振るわず、再結成も長続きしなかった。
トリオでのライブとなると、2010年7月25日に「ハイ・ボルテージ・フェスティバル」のメイン・アクトとして、一夜限りの再結成ライブが実現し、これが最後となった。EmersonとLakeは、その前後に欧米を中心にコンサート・ツアーを展開した。Palmerは、オリジナル・メンバーでの再結成を機にASIAに復帰し、Steve HoweがYESに帰ってしまった現在も、ASIAで演奏しているそうだ。
Greg Lakeは、2001年~2002年のRingo Starr & His All-Starr Bandの北米ツアーに、ベーシストとして参加している。2010年にはEmerson Lakeとして来日公演が発表されたが、Emersonの腕の調子が芳しくなかったのか、中止になった。だが、2013年6月に単独で来日公演を行なった。それも、とても小さな箱でのライブだったようだ。
癌がいつ頃見つかったのか分らないが、最後の来日公演を観に行った人達は、本当に貴重な体験をしたと思う。その後、文字通り音沙汰が無いと思っていたら、実は長い闘病生活を強いられていたという訳だ。そして、奇しくもEmersonと同じ年にこの世を去った。
12月と言えば、クリスマスだ。Greg Lakeは、ソロでクリスマス・ソングをリリースしている。輸入盤でロック系のクリスマス・コンピレーションCDを探せば、”I Believe In Father Christmas”に出合えるはずだ。デジタル・シングル(配信音源)で構わなければ、iTunesなどでもっと簡単に入手できるだろう。改めて聞くと、何だか鎮魂歌のように聞こえる。哀悼の念をもって、どうぞお聞き下さい。
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