X-ミッション [Point Break] (2015 USA PG12)

X-ミッション公式サイトへ「X-ミッション」と言うと、「ミッション〇〇」とか「〇〇ミッション」と言った類のスパイ映画を連想しがちだ。予告編を見た時も、ノー・スタントがウリとは言え、大差無い映画だと思っていた。実際にはアクションというか、無謀なスポーツと犯罪を無理矢理結び付けただけの映画だった。

元々はPatrick Swayze & Keanu ReevesのW主演でヒット(?)した、1991年公開のアクション映画「ハートブルー」(原題:Point Break)の、スケールを拡大したリメイク版だそうだ。Point Breakがサーフィン用語だと知っていれば、オリジナル版でのふざけた変装をした犯罪グループの正体が、サーファーだと察しが付くだろう。

SunHeroは、原則として、つまらなかった映画は、取り上げない主義だ。実際、ストーリーは薄っぺらで、一連のミッションものに比べ、格段に緩い。スポーツの範囲をサーフィンから、モトクロスやスカイダイビング、スノーボード等にまで広げたため、Point Breakという原題の意味が薄れてしまった。どうせエクストリーム・スポーツ(意図的に過酷な条件下で行なうスポーツ)を犯罪に絡めるなら、邦題の「X-ミッション」の方が相応しいと思った。

だが、映像的には、我々一般人が気楽には行けないような景勝地が色々出てくるので、2時間弱でエクストリーム・サイトシーイング(極限の観光)が楽しめる。しかも、もし実際に訪れたとしても、絶対に体験できないようなアングルで見せてくれる。映画館の大画面で、ついでに3Dともなれば、TV番組の比では無い迫力だ。大自然と果敢に対峙する姿は、スリリングで爽快だった。結局、良し悪し相殺(±0)だったので、一応取り上げることにした。

主人公のジョニー・ユタ(Luke Bracey)は、エクストリーム・スポーツ界ではトップ・アスリートの有名人だったが、相棒を死なせてしまったことから、引退してしまう。そんな彼が生活のために選んだ次の職業は、FBIの捜査官だった。折しも、世界各地で奇想天外な手口の大胆犯罪が起きていた。ユタは、エクストリーム・スポーツに長けた連中の仕業だと上司に進言して、自ら犯行グループへの潜入捜査を志願する。

犯行の手口が、志し半ばで亡くなった日本人冒険家が提唱した7つの究極の挑戦に準えたものだと確信したユタは、犯行グループとの接触に成功し、行動を共にするようになるが、次の犯行計画を阻止することに失敗する。だが、彼等に資金援助している資産家を突き止め、資金源を断つ事には成功する。さらに、彼等が残りのミッションを遂行するために、銀行強盗を行なうと予測したユタは、ターゲットとなる銀行を割り出して、地元警察と共に急行するが、激しい銃撃戦になった。

やがて、犯行グループが7つの究極の挑戦に拘る理由と、それを提唱した冒険家の死の真相が明らかになる。彼等に共感しつつも、FBI捜査官として任務を遂行するユタは、大時化の中、7つめのミッションに挑むボーディと対峙するが・・・・

そもそもFBIの捜査官が、ヨーロッパや南米まで捜査のために出向くものだろうか?そこが一連のミッションものと根本的に異なる点だ。本来、アメリカならCIA、イギリスならM16、旧ソ連ならKGB、現ロシアではFSBと言った諜報機関が担うべき職務だ。

ノー・スタントを謳った映画だけに、アスリート出身らしい無名の俳優を起用したのも、一連のミッションものに比べて、華やかさに欠ける一因だったと思う。絶景とエクストリーム・スポーツの醍醐味を見せる映画としては、よく出来た作品だと感じた。

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