そんな訳で、久しぶりのクラシックは、2年前と同じ演奏家のリサイタルとなった。ヴァイオリニストの奥村愛だ。会場は紀尾井ホールだ。クラシック専用の紀尾井ホールと邦楽専用の紀尾井小ホールの2つのホールがあって、今年4月に開館20周年を迎え、今やその筋では名門のホールだ。奥村愛と言えば、2年前も由緒ある神奈川県立音楽堂だった。
日曜日の昼下がりのリサイタルということで、年配マダムのグループや悠々自適の老齢夫婦など、ホール向いのホテル・ニュー・オータニでランチを済ませてきたと思える方々もいた。カジュアルな服装の中にも品の良さが漂う客層に、紀尾井ホールの格式の高さを思い知らされた気分だった。その名の通り、もっと気負った服装で臨むべきだった。
他方では、何やらハガキ持参で列を成していた。どうやって手に入れたのか知らないが、結構な人数の招待客だった。知らずに並んでいたら、入口の手前で前売券をお持ちの方はコチラからお入り下さいと、入場整理をしていた。一般客用の入口は、ドアの両サイドにモギリの係員が待機していて、言葉遣いも物腰も、まるで向いのホテルの従業員か!と思うほどで、スムーズな入場にチョットVIP待遇のような錯覚を覚えた。
そもそも建物の内外装の手入れが行き届いていて、2-3年前に化粧直し程度の改修でもしたんじゃないかと邪推したくなる程だ。明るく広いホワイエには、CD販売コーナーとは別に、本公演のスポンサーである佐藤製薬の化粧品を紹介するコーナーもあり、奥には愛さんが大写になった大きな広告ポスターが展示されていた。思わずポスターの脇に立って記念撮影したくなるのは、SunHeroだけではなかった。
800席のうち何割が招待客だったのか分からないが、SunHeroがネット予約した際には、ピンポイントで座席が選べるようになっていたが、良席といえば両サイドのバルコニー席くらいしか残っていなかった。イープラスのメルマガで、時々ネット予約時に座席が選べる催しの案内が来るが、見落としてしまったらしい。
クラシックの場合は、入場に渡されるチラシの中に、当日の演目が書かれた印刷物が紛れているので、ポピュラー系のようにアンケート用紙だけ抜いて、後は見ずに捨ててしまうのは禁物だ。今回は佐藤製薬のおかげで、A5サイズの三面開き・カラー印刷の美麗なパンフレットだった。別の係員から女性化粧品のサンプルまで頂戴した。SunHero、50代にして『美白』に目覚める
今回は伴奏者が藤井一興氏だった。強力なスポンサーが付くと、伴奏者の方が遥かに格上ということもアリらしい。毎度お馴染みの加藤昌則さんとは正反対に、寡黙で控えめだった。MCに詰まった時に助け船を出してくれる人がいないという問題はあったが、ちゃんと佐藤製薬の化粧品の宣伝をして、観客の中に紛れていた加藤さんも紹介していた。加藤さんは前の席のご夫婦に特に丁寧に挨拶していたが、どうやら愛さんのご両親のようだ。
クラシックのソリストにとっては、最近はこうした演奏会もなかなか行えないのが実情らしく、冗談交じりに窮状を語っていた。だが、練習は怠っていないようで、演奏は見事だった。その上、終演後のサイン会、ナント写メ撮り放題だった。連写モードで撮影したが、まともに撮れたのは2-3枚だった。
もはやサインを頂くCDが無いSunHeroは、写メで我慢するしか無かった。次回「気負い」ホールに出掛けることがあったら、もっと「紀尾」って臨もうと、帰りの電車の中で猛省した。マチネーだったおかげで、その夜の小笠原地震による交通機関の運転見合せに巻き込まれずに済んだ。
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※アンコールは「スマイル」by チャップリン でした。
※アンコールは「スマイル」by チャップリン でした。
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