2015年04月14日

イントゥ・ザ・ウッズ [Into The Woods] (2014 USA)

Disney映画公式サイトへディズニー映画と言うことで、予備知識ナシで観に行ったら、余り子供向きではないダークなストーリーに、当惑した人も少なくないのではないだろうか?アメリカ・ミュージカル界の重鎮=Stephen Sondheimが作詞作曲を手がけた1987年初演のブロードウェイ・ミュージカルの映画化だ。選りに選ってディズニーが映画化したから、勝手な期待をした日本人が多かったのだろう。

元ネタが「ジャックと豆の木」、グリム童話の「赤ずきん」と「ラプンツェル」、さらに公開間近の「シンデレラ」と、如何にもディズニーのオリジナル・ミクスチャー作品だと思い込みがちだが、本国アメリカでは誰もそんな事は思わない。その辺の日米の認識差を踏まえた宣伝をしなかったのが、思わぬ不評を買ってしまった要因だろう。

SunHeroが思うに、日本の映画ファンはTVドラマやミュージカルには興味がない人が多いように思う。ましてや、音楽と映画の繋がりとなると、「映画⇒音楽」の一方通行の人ばかりじゃないだろうか?元々「音楽旅館」として開業しただけに、SunHeroの場合は逆のケースで映画を見るようになって、「エンタメ・ウェブロッジ」に改名するに至った次第です。

折々に触れてきたことだが、SunHeroが洋楽にのめり込み始めた頃、英国のロックバンド=The Whoのアルバム“Tommy”が映画化されたのが、最初のきっかけだ。The Whoのメンバー全員に加え、当時人気絶頂のElton Johnや、ソロになって“I Shot The Sheriff”の全米No.1ヒットを放ったばかりのEric Clapton、1980年代に入ってから再ブレイクしたTina Turner等、個性的な役に相応しいミュージシャンが出演していた。

むしろ、映画には疎かったせいで、Jack NicholsonやAnn-Margretまでも、歌手が役者をやっているんだと思い込んでいた。さらに、映画「追憶」のテーマが1974年のBillboard年間チャートで1位になった勢いで、映画を観に行ったら、主題歌の歌手が主演女優だった。Barbra Streisandは、映画を作れば主題歌を歌うが、映画とは無関係に積極的に音楽活動も展開している。先日来日したDiana Rossも、本数こそ少ないが、女優としても活躍していた。

1980年代に入ると、「フットルース」に象徴されるように、サントラから次々にヒット曲が生まれた。それ以前にも、既発表曲を効果的に使った映画なら、先日紹介した「小さな恋のメロディ」や、Bee Gees繋がりで「サタデイ・ナイト・フィーバー」など、枚挙に暇がない程だ。SunHeroの場合は、このように「音楽⇒映画」という流れが多かった。洋画は邦画以上に音楽と密接だったから、ブログの主旨変更も自然な流れだったという訳だ。

Meryl Streepが十分歌えるのは、「マンマ・ミーア!」の例を挙げるまでもないが、ジャックの母親役は、ナントTracy Ullmanだった。彼女は1980年代に“They Don't Know”(夢見るトレーシー)なるヒット曲を放っている。持ち前のコメディアンヌ性を発揮して、自分の名前が付いたTV番組を持ち、その1コーナーが後のアニメ「ザ・シンプソンズ」に発展したんだそうだ。

前置きが長くなったが、この映画はこれらの童話で育った大人達のためのミュージカルだ。それならそれなりの見方があるという訳だ。4つの童話を巧みに結び付けた脚本は見事だ。例えば、とある王子兄弟が、兄はシンデレラと、弟はラプンツェルと、相思相愛になる。しかも、その両方に同じ魔女が関わっている。

一方、魔女の庭から特別な豆を盗んだせいで、盗人の息子夫婦には子供ができないという呪いを掛けられ、呪いを解くには期日までに4つの物を揃えろと命令される。その一つが「白い牛」で、町へ牛を売りに行く途中のジャックと出会い、豆と牛を交換する。他の3つは、「赤いずきん」に、「金の靴」、トウモロコシの産毛のように「黄色い髪」だ。

原作童話とは一部設定や結末が異なるが、こうして描き出されるのは、童話の登場人物達も私利私欲のために生きる、我々と同じ人間だということだ。コレは自分の子供には見せたくないと思ったシーンは、シンデレラを探して森中を駆け巡っていた王子が、4つの物を得るため森の中に分け入っていた人妻に浮気するシーンだろう。大人な貴方なら、キスだけで済む状況だとは、到底思えなかったでしょう?

神田沙也加さんがオフィシャル宣伝ナビゲーターもし、SunHeroに息子が居たら、幼稚園くらいの年齢の時に見せたいと思う。映画を見終えた後、息子がどんな感想を口にするか、とても興味があるからだ。「ボクは架純ちゃん以外の女の子は好きにならないよ!」なんて真顔で言ったら、流石はSunHeroの息子だと褒めてやりたい!親バカって、そんなもんじゃないの?

そんな父子のやりとりに呆れている奥さんだって、心の中ではきっとJohnny Deppがオオカミだったら怖くない!なんて、振り付きで歌っているかもしれない。

ちなみに、日本語版ミュージカルは、宮本亜門演出で2005年に上演されている。このとき赤ずきんちゃん役で出演していたのが、17歳の神田沙也加だったというのは、チョット出来過ぎな事実ですね。
posted by SunHero at 23:56| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(8) | 外国映画鑑賞 | 更新情報をチェックする
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