
この映画はWikiでは英米のみヒットしたとあるが、実際には日本でもマーク・レスターとトレイシー・ハイドは大人気を博し、「スクリーン」や「ロードショー」といった映画雑誌に留まらず、週刊誌や漫画誌の表紙も飾り、TVCMにも登場した。さらに、映画に多くの曲が起用されたおかげで、英米では低迷していたBee Geesも、初来日公演を大成功させた。そして、先月来日したCSNがラストに演奏したのが、本作のエンディングに起用された“Teach Your Children”だ。
シネコンの登場で旧作を上映する名画座と呼ばれる類の映画館が激減したため、シネコンが協力し合って旧作を上映する枠を設けたのが、「新・午前十時の映画会」というシリーズだ。一律千円という鑑賞料金も魅力的だ。余りにもタイミングが良すぎるが、今年度のトップバッターに指名されたのが、ナント「小さな恋のメロディ」という訳だ。
4/17にグランド・オープンするTOHOシネマズ新宿でも、4/18から約二週間の上映が決まっている。だが、映画館で見たことが一度も無いSunHeroは、待ち切れずに立川のシネマシティへ観に行った。日曜日の午前十時なんて、普段はまだ寝ているというのに、前夜にネットで予約し、頑張って8時半に起床し、9時に自宅を出発した。最寄りのタワー・パーキングに着いたのが10分前。7Fからエレベーターで映画館への連絡通路がある2Fへ急降下。シネマ・ワン2Fの発券機で発券したら6Fへ急上昇。どうにか間に合った。
約5分程の予告編上映中に、コンビニでもらったお手拭きで汗を拭い、目薬を差し、メガネを拭く。スクリーンの明かりだけが頼りだと、そんな事にも時間が掛かる。焦って目薬のキャップを落としたら、それこそ一大事だ。
そして、デジタル・リプリントのはずなのに、44年という歳月を感じさせる褪せた映像と共に、Bee Geesの“In The Morning”が流れてきた。驚いたことに、[PG12]指定だった。前半に子供の喫煙シーンが何度か出てくるし、体罰や爆弾も好ましくないということだろう。まあ、観客の中に一目で未成年と判る子供はおろか、20代・30代と思われる大人も居なかった。主要な世代は、SunHeroと同じ50代だったと思われる。
不道徳な行為にも寛容な時代だったからこそ、小学生だって堂々と見に行けた。だが、一人で見に行くとか、同級生だけで見に行くとか、そんな度胸の無かったSunHeroは、いつも父に懇願して、連れて行ってもらうのが、精一杯だった。だが、情報誌「ぴあ」すら無かった時代、近隣の映画館に片っ端から電話した結果、どこも既に上映を終了していた。
そういえば、初めて一人で見に行った映画、今でもハッキリ覚えてますよ。新宿でロードショー公開されていた「トミー」です。当時、中高生は700円くらいで映画が見れたと思います。どうやって入手したのか全然覚えていませんが、大量に割引券を手に入れたので、500円くらいで見たような記憶があります。それをチラつかせて、同級生数名と見に行ったこともありました。
それにしても、この作品の主役が近年物議を醸し出す発言をしていましたね。マイケル・ジャクソンが急死した年に、マーク・レスターはマイケルの長女パリスの「生物学上の父親」だと名乗り出たからです。できれば、そんなこと知る前に、スクリーンで見たかったですね。
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