What a wonderful birthday evening it was!! スムーズ・ジャズ界のNo.1ギタリスト=Peter Whiteが、2年振りのアルバム“Smile”を引っ提げて、2年振りで来日した。会場は前回同様、東京丸の内のCotton Clubだ。3日間(2/24~26)とも平日だったので、普段なら最終日狙いのところ、今回も初日にした。なぜなら、誕生日だったからだ。ビートルズの曲になぞらえれば、“When I'm fifty-four”だ。
そういう訳なので、前回以上に奮発して、1st Showは「スペシャル・プラン」、2nd Showは「ヘルシー・プラン」というディナー付で予約した。それぞれ13,000円と11,000円だったが、先月のDiana Rossをはじめ、Rolling StonesやEric Claptonなど、チケット代だけでも軒並み1万円超えなのを思えば、どうしたって安く思えてくる。ましてや誕生日だ。ここでケチってどうする?予約時点で既に舞い上がっていた。
ついでに、有給休暇も取って、万全の態勢で臨んだ。なぜなら、1st Showの開場時間は17時だったからだ。開場10分前くらいに着いたら、既に10人以上待っていた。受付で名前を言って、予約内容の確認をしたら、「両方ともお食事付でよろしいですね?」と念を押された。即座に「はい」と答えると、「それでは、2nd Showの方は優先的にご入場いただけるよう、こちらで手配しておきます」とのことだった。
指定席を予約した客が優先だったが、手渡されたプラスティックの札には、「8」と番号が振られていた。すぐに女性係員がエスコートして、中へ案内された。既に最前列中央には先客が陣取っていたため、迷わず最前列の下手端(入口から見ると奥側)のテーブルにした。出演者の通り道だからだ。入場時は拍手で迎えるだけだったが、退場時には全員と握手orハイタッチができた。
しかも、演奏の合間のMCで、ニュー・アルバムに言及した際、すかさず持参したCDを掲げてアピールしたら、その場でサインをしてくれた。ちゃんとサインペンを用意していたとは流石だ。ショウマンシップの基本中の基本と言えばそれまでだが、2nd Showで別の客がCDを差し出した際には、その場ではサインしなかった。恐らく入場前に売店で購入したのか、未開封のまま手渡したようだ。
オープニングは1stも2ndも前回同様、彼の代表曲である“Promenade”だったが、中盤でAl Stewartのバンドにキーボード・プレーヤーとして雇われたといった昔話が出て、大幅にリアレンジされていたが、Al Stewartのヒット曲“Time Passages”をインスト・バージョンで披露してくれた。オリジナルではエレピだったイントロも、流麗にギターで奏でてくれたので、背筋がゾクゾクするほど感激した。
また、Peter Whiteの音楽のもう一つの魅力であるカバー曲においては、珍しくボーカルを披露する場面があった。曲は、Isley Brothersの“Who's That Lady”の途中に挿入されたTemptationsの“Papa Was A Rolling Stone”だった。Peterが一人で歌った訳ではなく、ベースのNate Phillipsとの掛け合いだったが、結構気合いの入ったソウルフルな歌い振りだった。
さらに、初日の1st Showということを意識しすぎたのか、大人しめな反応の観客を煽ろうとしたのか、Peterは張り切りすぎて、ギターを振り回した腕でマイク・スタンドを倒してしまうというハプニングがあった。スタッフが出てくるよりも先に、すぐ前の席の客が拾い上げて、スタッフに渡した。ライブハウスならではの微笑ましい光景だった。
1st Showが終わると、客はステージ上手のドアから出るように促される。ガラス張りのパッセージ(通路)からは隣のKITTE(東京中央郵便局)や東京駅が見える。飲み物は別料金なので、カクテルとコーヒーの支払いを済ませると、再び受付へ。カウンター越しに付箋の貼られた番号札が見えたので、名前を告げてから指さした。今度は「1」だった。後で調べたら、前回も「8」と「1」だった。
中では、スタッフが2nd Showの準備をする傍らで、1st Showだけで帰る客のために、大抵サイン会が行われる。サインをもらいたいなら、誰でもいいからスタッフに希望を伝えると、客席内のサイン会を行うコーナーに案内してもらえる。予め自分の名前をアルファベット表記したメモなどを用意しておくと、To ~~と貴方の名前を書き添えてもらえるかも?
2nd Showの開場は、サイン会が長引いたのか、10分位遅れた。例によって、指定席の客が先に入場だ。グループ客が何組か入っていった後、自由席客の番だ。今度は最前列中央付近のテーブルに陣取った。「スペシャル・プラン」のメイン・ディッシュは肉料理だったが、「ヘルシー・プラン」は魚料理だった。
驚いたことに、最後列の控え室への出入口に一番近いテーブルで、サックスのMichael Pauloが客と談笑していた。食事を終えてから見たら、開演までまだ時間があるというのに、他のバンド・メンバーもそのテーブルを取り囲んでいた。2nd Showが始まってからPeterが紹介してくれたが、ナントLenny Castroが見に来ていたのだった。途中でステージに上がってきて、Peterが1st Showでちょこっと叩いた小さなコンガを叩き始めた。
1曲終わったところで、Lenny自らが皮の張り具合を調整し始めた。すかさずPeterは滅多に見られない光景ですみたいなことを言って、調整が終わるまでの間を繋いだ。もう1曲共演してくれたが、コンガの音が聞き(見)違えるほどタイトになって、大盛上りとなった。
前回は1stも2ndも同じセットリストだったが、今回は終盤の曲を変えてきた。最後の曲はRharrell Williamsのカバー“Happy”だった。日本版PVも制作されたあの曲だ。これはMichael Pauloの新譜に収録されているそうだ。これには踊り出す客もいて、Michaelはサックスを吹きながら、自由席エリアの通路を一周して、踊りの一団と合流した。
Peter Whiteはメンバーへの気遣いも怠らない。今回は2ndの最後にMichaelのレパートリーを演っただけでなく、両ショウ共にキーボードのGregg Karukusの新譜の曲もセットリストに加えていた。昔、Basiaの来日公演に同行した際、Peter Whiteにもスポットが当たるよう配慮されていたのを思い出した。この時初めて聞いたのが“Promenade”だった。
終演後、サッサと会計を済ませると、もうPeterとGreggが売店コーナーでサインや写メに応じていた。まずは、Peterに挨拶し、前回落書きのような絵しかもらえなかったCD“Here We Go”に、改めてサインをもらった。もう1枚CDを持参しているのを見つけたPeterは、それにもサインをくれた。今日が誕生日だと言ったら、「Happy Birthday!」と書き添えてくれた。
それから、売店でGreggとMichaelのCDを買い求めた。(持ち込みの)CDは現金払いのみだと言われ、仕方なくそうしたが、所持金は一気に小銭だけになった。スタッフも良く心得ていて、「CD開封しますか?」というので、そうしてもらった。
すぐさまGreggに挨拶して、前回PeterのCDにもらったサインを見せてから、買ったばかりの彼のCDにサインをもらい、写メまで撮らせてもらった。ところが、Michaelはちっとも出て来ない。ドアが開いていたので客席内を覗くと、Lennyと談笑していた。当分終わりそうにないと思ったので、Peterに写メをお願いしようとしたが、次々にファンがサインを求め、割り込む隙がなかった。
丁度通り掛かったスタッフに、Michaelはまだ取り込み中かと聞いたら、もう大丈夫だと思いますよと言って、客席へ案内してくれた。彼はサックスを1本ずつ仕舞っているところだった。To ~~付でサインしてくれた上、ジャケットの絵は娘が描いたんだと説明してくれた。
客出しを露骨に急かす系列の「青い音符」とは大違いのスタッフの対応に、すっかり甘えさせてもらった。料理だって両プランとも美味しかった。おかわり自由のバケットも焼き立てで、もっと食べたいと思ったほどだが、流石に食が細くなったようで、三切れずつで十分だった。以前「看板実演」で、露骨に作り置きしておいたと分かるような料理を出されて、非常に腹が立ったのとも大違いだ。だからこそ、今回は2公演とも奮発する気になった。
Thank you very much again, Peter & the band as well as Lenny Castro. I do also appreciate all the staff at Cotton Club making my birthday night unforgetable.----SunHero
★ Personnel ★
Peter White: Acoustic Guitar, Congas, Vocal & Dance
Michael Paulo: Soprano, Alto & Tenor Saxophones, Yell & Dance
Gregg Karukus: Keyboards & Dance
Nate Phillips: Bass, Vocal & Dance
Eric Valentine: Drums
◆ Special Performance ◆
Lenny Castro: Congas (2nd Show)
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