相棒-劇場版Ⅲ- (2014日本)

相棒-劇場版III-劇場版の「相棒」も、三人目の相棒=甲斐 亨(成宮寛貴)で三作目が公開された。劇場版四作目が制作される時には、四人目の相棒に変わっているのだろうか?公開一週目こそまずまずの客入りだったようだが、ディズニー・アニメ久々のメガヒットとなった「アナと雪の女王」がまだまだ観客動員トップを走り、太刀打ちできないのは致し方ないにしても、「テルマエ・ロマエⅡ」と同日公開だったのは不運でしたね。

でも、今回は異例を超えた過剰な宣伝(舞台挨拶71回、白木屋・魚民・笑笑でお馴染みのモンテローザとのタイアップ・プレゼント、ローソン・ミニストップでの限定グッズ付前売券販売、「相棒-劇場版Ⅲ-序章」のdビデオ配信)が、逆効果だったような気がします。あれだけ期待を煽ってしまったら、多くの観客が落胆するのも必定というお粗末な脚本でしたね。一作目の時に抱いた不安が的中してしまったというのが、率直な感想です。

急速に集客が落ちてきたのは、シネコンの上映スケジュールを見れば、一目瞭然。SunHeroが見た週で言えば、「照る前」が一日5回上映に対して、「アイボ」は3回程度じゃないですか?SonyのAIBOが段々可愛くなくなって行ったように、「相棒」も劇場版が恥の上塗りにならなければいいのですが・・・・

集客挽回策として、5/21から鑑賞者に「大ヒット御礼!サンキューカード」を39万枚限定で配布開始するそうだけれど、SunHeroが見に行ったのは5/14。悔しかったので、公式サイトのカード画像をダウンロードさせて頂きました。

釈由美子の民兵役が釈然としない(はっきり言えば「ミスキャスト」)という感想も見受けられましたが、少なくとも「サンキューカード」に関しては、左端で凄んで見せる釈由美子がポイント高いと思いませんか?もらい損ねた分、シャクに障ります。

一作目の時に抱いた懸念、あの時は明言しませんでしたが、今ならコピっと言っちゃいますよ。要は大都会東京を離れてしまうと、「相棒」というドラマの魅力は失せてしまうということです。今作の副題は「巨大密室!特命係 絶海の孤島へ」。しかも、予告編ではなぜか密林をスーツ姿で駆け抜ける右京さん。孤島と言っても、八丈島から高速艇でウン十分。映画への期待を煽るつもりだったのでしょうが、興味よりも違和感の方が残りました。

元自衛官たちが日本の平和や、ひいては人類の未来を憂いて、鳳凰島という無人島で民兵組織を旗揚げ。同志を増やすという目的もあるのだろうが、一般人の三泊四日の体験入隊を実施。それだけで維持費が賄えるはずもなく、その志に共鳴した民間企業のトップが支援し、防衛省と繋がりのある政治家がお墨付きを与えているという、在り来たりな構図。

だが、民間企業のトップも政治家も、彼等が秘密裏に行っていた企ては想定外だった。そこで、一ヶ月間の体験入隊という形でスパイを送り込んだが、素性がバレて、馬に蹴られて事故死したように偽装して殺されてしまった。そこで、特命係の出番となるが、序盤で警視庁次長(石坂浩二)が言っていた通り、殺人事件どころか、その背後の陰謀までが明るみに出て、メデタシめでたし。

何気に見ていると、杉下右京の頭脳が冴え渡り、事は推測通りにスイスイと進行する。TV版「相棒」は知能犯との頭脳戦こそが醍醐味であって、時には我々視聴者にも本当のワルが誰なのか、なかなか教えてくれない。ところが、今回は初めから殺人事件の背後にある陰謀まで、刑事事件として首尾よく解決していくという一本調子振り。一作目だって、チェスを使った知恵比べという見せ場があったのにねぇ。

カイト君もひたすら右京さんと行動を共にするだけで、まるで金魚のフンのような扱い。これで演技が下手呼ばわりされたんじゃ、成宮君もやる気無くすかもね。相棒役ですら、ただ画面に収まっているだけですから、捜査一課の面々も延々と茶番を演じさせられ、鈴木杏樹も真飛聖も取って付けたような出演シーンだけ。「踊る大捜査線」じゃないんだから・・・・一旦東京へ強制送還させられることなく、民兵達との心理戦みたいなものを、じっくり描いて欲しかったよね。

「相棒」ファンの視聴者だって、長年見続けていれば、何の捻りもない脚本にはガッカリでしょ?後ろの席のオバサン連の一人が、終映後「朝ドラのお父さん、最近出てないと思っていたら、相棒に出てるんですね」と言うと、御一行は同意こそすれ、誰もツッコミはしない。そういう見方もあるのかぁ~と呆れ返るも、案外その方がこの映画の健全な見方なのかもしれないと思えてきた。

折しも「集団的自衛権」が物議を醸し出している御時世。遠回しに自衛隊や防衛省の在り方を批判しているのかもしれないけど、政治批判という点では「地球防衛未亡人」の方が上でしょ。憲法を改正せずに、内閣の判断だけで「集団的自衛権」OKに進もうとすることを、真向から批判したら、忌野清志郎の原発批判CDの二の舞になったかも?

「相棒」ファンとしては、何かひとつくらい褒めてあげたいんだけど、今回ばかりは・・・・強いてあげれば、釈由美子の起用くらいかな?撮影に入る前に筋トレでもして、もうちょっと兵士らしい肉体を作っておくくらいの意気込みがあれば良かったかな。腹筋が割れているという安田美沙子の方が、適役だったんじゃないの?ああ、やっぱり、また否定的な結論になっちゃった。

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