麦子さんと [初日舞台挨拶] (2013日本)

映画comの紹介記事へ12/21に公開になった堀北真希主演映画「麦子さんと」渋谷HUMAXシネマで上映前舞台挨拶付で見た。後から決まったくせに、テレビ朝日があるからという訳ではないだろうが、朝一番で六本木、続いて当初から決まっていた新宿で昼間2回という訳で、夕方の渋谷はこの日最後の舞台挨拶の地となった。松田龍平はもう飽きてしまったのか、六本木と新宿で語り尽してしまったのか、どこか不機嫌そうで「別に~」と言い出しかねない雰囲気だった。

最近、舞台挨拶と言えば、大抵チケットぴあが独占的に鑑賞券を販売するので、うっかり前売券を買ってしまうと2度観ることになる。まあ、この映画だったら、2度見てもいいかなと思えた。ただし、舞台挨拶があると、チケット代が2,000円に跳ね上がってしまうのは気に入らない。そもそもチケぴが関与することで、諸々の利用料が上乗せされる。もし試写会だったら、公開前に無料で見れるというのに。

これで登壇者に不機嫌な輩がいたら、どんなに映画が素晴らしかったとしても、その日寝るまでSunHeroは不愉快だったことだろう。だから、松田龍平が余貴美子に突然妙なツッコミを入れた時は一瞬ヒヤッとしたが、結果的に会場の雰囲気が和んで良かった。モチロン最大の収穫は、生・堀北真希を見れたことだ!できれば、もっと近くで見たかったのだが、ぴあに勝手に席を決められてしまうのは腹立たしい。

だが、最もムカついたのは、舞台挨拶が終わるや否や退席してしまった観客がそこそこ居た事だ。男性客は堀北真希が、女性客は松田龍平がお目当てで、ひょっとすると朝から舞台挨拶のハシゴをしてきていたのかもしれない。そんな奴等にいい席を割り振ったチケぴには、ますます怒りを覚えた。

それにしても、映画監督というのは羨ましい稼業だよな。吉田恵輔監督は、構想段階から堀北真希を主役にする前提だったのだとか。舞台挨拶では控えめながらも女優然とした華のある堀北真希を、映画ではちょっと不細工に落とし込んで、どこにでも居そうな可愛い女の子として見せることに苦心したそうだ。堀北真希に言わせると、特にニット帽の被り方には非常に拘っていたそうだ。道理でよく似合っていたという訳だ。

映画の中で堀北真希は、母親の若い頃も演じていた。村一番の可愛い娘が、東京へ出て夢破れ、暴力亭主に愛想を尽かして、子供を置いて出て行ってしまう。何年か振りで子供達の前に現れたかと思ったら、末期ガンで呆気なく死んでしまう。麦子の母親を演じた余貴美子さんには申し訳ないが、いくら映画の中の設定だとは言え、堀北真希が年を取ると余貴美子になってしまうっていうのはNGでしょ。

ホント余貴美子さんには済まないけど、SunHeroだったら配役を麻生裕未と入れ替えていたと思う。とてもいい映画だったのに、イマイチ感情移入できなかったのは、そのせいだと思う。当の堀北真希はどう思っているのか、こっそりインタビューしてみたい。まあ、そこがこの監督らしい所なのかもしれない。

吉田監督と言えば、YouTubeで偶然見たトレーラーのおかげで、公開から2-3年経ってから見た「純喫茶磯辺」や、つい最近見た「ばしゃ馬さんとビッグマウス」も監督している。この二作に共通しているのは麻生久美子だ。特に前者では、主演の仲里依紗を食ってしまうほど、衣装的にインパクトのある役だった。だが、同じ衣装をハリセンボンの角野卓造・・・・じゃなくて、近藤春菜にも着せたのは、ストーリー的には面白かったが、どこか納得の行かないキャスティングに思えた。要するに、吉田監督の作風は好きだが、配役の趣味は合わないようだ。

それにしても、松田龍平との兄妹関係は、本当に兄妹なんじゃないかと思えるほど絶妙だった。何かと兄妹喧嘩の絶えない二人だが、原因は大抵兄の方にある。妹に対して秘密が多すぎるというか、バレるから口論になるのは当たり前だ。そこへ妹は顔さえ覚えていなかった母親が転がり込んできて、過去の回想シーンにも登場しない父親がどんな人間だったのか、兄の言動から容易に推察された。

つまり、主役は麦子だし、映画は母娘関係を中心に描いているが、その背景となる家族関係が兄を通して窺い知れることで、物語が深みを増していると思った。こうして振り返ってみると、舞台上の松田龍平は、そんな兄役のまま舞台挨拶に臨んでいたんじゃないか?と思えてきた。前売券でも落ちていたら、もう一度見てみたい映画だった。

この記事へのコメント

  • SunHero

    クマネズミさん、いつもコメント&トラックバックありがとうございます。

    >麦子ともみ合ってタンスの角に頭をぶつけて恨めしそうに麦子を見上げる余貴美子の顔つきになんともいえない凄さを感じました。

    その通りですね。凄いからこそ、キャスティングにミスマッチを感じたのだと思います。
    2014年01月18日 23:48
  • クマネズミ

    今晩は。
    「その背景となる家族関係が兄を通して窺い知れることで、物語が深みを増していると思った」とのご指摘は、実に鋭い点だなと思いました。
    ただ、「麦子の母親を演じた余貴美子さんには申し訳ないが、いくら映画の中の設定だとは言え、堀北真希が年を取ると余貴美子になってしまうっていうのはNG」とされているところ、無論好みの問題なのでしょうが、クマネズミには、麦子ともみ合ってタンスの角に頭をぶつけて恨めしそうに麦子を見上げる余貴美子の顔つきになんともいえない凄さを感じました。

    2014年01月15日 20:49

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