今年で9年連続の開催となる「Slow Music Slow LIVE '12 in 池上本門寺」は、SunHeroにとって5年振りの屋外コンサートの観賞となった。最近のコンサートはスポーツの試合でもないのに「観戦」という言葉が普通に使われるようになったが、由緒あるお寺の一角で開催されたイベントは、大人がゆったりと音楽を楽しめる「観賞」という言葉が相応しいものだった。
力道山の墓がある池上本門寺は、日蓮聖人が病気療養で常陸の国へ向かう途中で入滅した霊跡。以来700年余り日蓮宗の大本山として、布教活動を展開してきた由所ある寺。池上地区の高台に広大な敷地を有し、南端にある総門を潜り、96段の石積参道=此経難持坂(シキョウナンジザカ)を登ると、仁王門の向こうに大堂(祖師堂)が見える。振り返ると見える高層ビル街は川崎駅周辺だろうか?

中央高速はそこそこ快走できたが、首都高に入るとプチ渋滞の連続で、三宅坂JCT手前、谷町JCTから一ツ橋JCTの渋滞では随分時間が掛かった。ところが、首都高目黒線に入ると、ゴーカート・レース状態。3ナンバーのクルマに次々と抜かれるも、可愛い愛車だって100km近いスピードで快走だ。第二京浜へ下りてからも快走し、事前に調べておいた駐車場を見逃さないよう、東海道新幹線のガードを潜った辺りから左車線に寄った。
第一候補は南馬込のコイン・パーキングだったが、「混雑」となっていた上、目印だったジョナサンの前を不覚にも通り過ぎてしまった。続いて付近で最安の最大料金800円の所も、右折の目印だった建物(コジマ)を忘れてしまいスルー。結局、池上署の手前に、第二京浜に面した「タイムズ24」の看板を見つけ、そこに駐車した。最大料金は900円。既に開演時刻を過ぎていた。

会場は大堂に隣接した広場だが、入場口は墓地を抜けた先の五重塔の側だった。道すがらチラチラとステージが見えるのだが、既に二番手のparis matchが演奏していた。NOKKO、大橋トリオはきちんと見たいとの思いから、パリマチは断念して腹ごしらえに専念した。

ビギナーズ・ラックと言えば、もうひとつ。入場の際に配られていたリーフレットに折り込まれていたアンケートに答えると、ガラガラを回して当り玉が出るとドリンク・チケットがもらえると分って、次のセット・チェンジの合間に挑戦。無心になってガラガラ回したら、見事当り玉!係の人が思わず拍手~。だから、ドリンク・チケットは「白州」のハイボールと引き換えた。(笑)

次の持田香織はパスしてもいいかなと思っていたが、ELTとは違ってしっとりした感じ。「東京ホタル」という曲は特に良かったが、俄然見直したのはカバー曲の選曲のセンス。アン・サリーの「こころ」なんて、観客のどれほどが知っていたのか疑問だが、素直な歌い方が歌詞の無垢な一面を浮き彫りにした感じで、とってもヨカッタ。
そして、BONNIE PINKの登場。夜になって虫が飛び交うもんだから、ピンクのパンタロンで美脚をパーフェクト・ガード(笑)。時折、照明の加減で浮び上る御足のシルエットがセクシーでした。鈴木正人をはじめとした凄腕ミュージシャン3人を従えて、新旧取り揃えたセットリストでした。単独公演も楽しみです。
トリはChar。ベースとパーカッションを従えたセミ・アコースティックなトリオでした。ブルース・ナンバーからスタートして渋いなあと思っていたら、先日Billboard Liveで中学生の頃から敬愛していたJack Bruceと共演したそうで。さぞかし感無量だったことでしょう。一方では、冗談と言うか、おふざけのような曲も、超絶テクでサラリとこなし、笑いと称賛の喝采。
こうして晩夏の一日、ゆったりと音楽を満喫しました。
この記事へのコメント
SunHero
このところ屋外ライブはずっと敬遠していたのですが、このイベントだけは別格でした。観客の年齢層も高め、まったりとロハスな進行で、束の間うつ病であることを忘れさせてくれました。
Midge大佐
ここまでの人たちが一つのステージで見られるのは
FUJI ROCKでもマレですよ。
うらやましい!