Todd Rundgren - [Re]Production (September 2011) [Spotify & Amazon Music]

Todd Rundgren/[Re]Production frontTodd Rundgren/[Re]Production reverse

今年最後に取り上げるのは、Todd Rundgren。今年2月に“Todd Rundgren's Johnson”、9月に“[Re]Production”と、2枚のカバー・アルバムをリリースした。7月にフジロック出演のためだけに来日した際は、昨年の来日公演のダイジェスト(すなわち、前者からの曲)か後者からの曲が聞けるのかと思ったら、まさかのGreatest Hits Live。でも、一番悔しかったのは、同行のKasim Sultonが東京でワンマン・ライブを敢行したことだ。知っていれば、絶対に行ったのに!

話を本筋に戻そう。前者はブルースの父=Robert Johnsonのカバー。聞いてもいないくせに決め付けてしまうのは、ファンとしてどうなのよって思うけど、Eric Claptonの二番煎じという印象というか先入観は不可避だろう。まあ、昨年オーストラリアでリリースされたのは、「short」という但し書きの付いたミニ・アルバムだったので、晴れてフル・アルバムがアメリカでリリースになったのは、喜ばしい事に違いない。

一方、後者はTodd Rundgrenがプロデュースしたアーティスト達の曲をカバーしたアルバムだ。プロデューサーとしても沢山のアルバムを世に送り出してきたTodd Rundgrenならではの企画と言えよう。だが、こんなこと、当人が進んでやるとは思えない。ましてや、自分で選曲したら、もっとマイナーな選曲になったことだろう。

不可解なことだらけの本作、謎を解くキーワードは「myRecordFantasy」だ。実態が全然わからないのだが、この企画でMonkeesのMickey DolenzやStarshipのMickey Thomasも、何かファンとの交流イベントらしきことを行ったらしい。

Todd Rundgrenの場合は、事前にリクエストを募り、参加者を募り、3日間のファンとの合宿でレコーディングしたものが、アルバムとしてリリースされるはずだったようだ。実際にはTodd一人で制作しちゃった曲ばかりで、全体的にはプリプロのようなラフな演奏。恐らく合宿では満足の行くレコーディングが出来なかったんじゃないだろうか?

だからと言って、改めてバックの演奏から録り直す日程的余裕は無かったと見えて、デモ伴奏に改めて録音したボーカルを被せて、CDリリースに間に合わせた感じだ。CD通販サイトによって掲載されているジャケット画像が異なっていたのも、アルバム・ジャケットをコンテスト形式で募集したものが、最終決定を待たずに流用されたと考えられる。

Todd Rundgren/ReProduction WebPromo「myRecordFantasy」 および本作をリリースした Gigatone Entertainment の仕事振りは、どうにも素人っぽい。おまけに、ちゃんとした販売網など持っていないようで、もっぱら通販頼みといった感じだ。ようやく11月頃から街中のCD店でも輸入盤を見かけるようになったが、通販サイトで当初掲載されていたCGと思われる美麗なイラストでは無かったので、警戒して買わずにいた。

最初Amazonで予約したが、HMVが輸入盤30%offとポイント10倍のキャンペーンを同時開催したのを機に、Amazonをキャンセルして、HMVに乗り換えた。注文時には14日程度で発送するとなっていたが、実際にはほぼ一月待たされた。開封してみれば、CD店で見かけたものと同じだった。しかも、ケースが破損していて、フタがはまらないばかりか、本体側のインデックス(裏ジャケ)の一隅までが折れ曲がっていた。挙句の果てに、続伸する円高のおかげで、今買った方がもっと安い。

そういうわけで、今までのCDリリースとは随分勝手が違うので、かなり戸惑ってしまった。だが、Toddが自分で選曲したらこうはならなかっただろうと思われる、音楽ファン寄りな楽曲は魅力的だ。例えば、Todd自身だって、XTCとの因縁の曲“Dear God”を歌う羽目になるとは思っていなかっただろう。一方、RUNTの名付け親であるPatti Smithの“Dancing Barefoot”は、確かPeter GabrielやU2もカバーしていたと思うので、聞き比べてみたい。

その他、古くはBadfingerの“Take It All”から、1990年のJill Sobuleのデビュー・アルバムに収められていた“Tell Me Your Dreams”まで、年代もジャンルも様々なれど、紛れもないTodd Rundgrenプロデュース曲ばかりだ。ただ、プロデュース作品までは揃え切れなくて、オリジナルと聴き比べできない曲が大半を占めるのは悔しい限りだ。

[付録:収録曲の出所]
Track No. Title - Original Artist & "Album" Release Year
01 Prime Time - Tubes "Remote Control" 1979
02 Dancing Barefoot - Patti Smith "Wave" 1979
03 Two Out Of Three Ain't Bad - Meatloaf "Bat Out Of Hell" 1977
04 Chasing Your Ghost - What Is This? "What Is This" 1985
05 Love My Way - Psychedelic Furs "Forever Now" 1982
06 Personality Crisis - New York Dolls "New York Dolls" 1973
07 Is It A Star? - Daryl Hall & John Oates "War Babies" 1974
08 Tell Me Your Dreams - Jill Sobule "Things Here Are Different" 1990
09 Take It All - Badfinger "Straight Up" 1971
10 I Can't Take It - Cheap Trick "Next Position Please" 1983
11 Dear God - XTC "Skylarking" 1986
12 Out Of My Mind - Bourgeois Tagg "Yoyo" 1987
13 Everything - Rick Derringer "Guitars And Women" 1979
14 Walk Like A Man - Grand Funk "We're An American Band" 1973
15 Nothing To Lose - Hunter (a.k.a. Dragon) "Dreams Of Ordinary Men" 1987
※SunHeroは赤字タイトルの曲のみオリジナル・バージョンを所有



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