薩頂頂(Sa Ding Ding) - 天地合 (February 2010)

チベット族の血を引く中国の女性アーティスト=薩頂頂(サー・ディンディン)の世界進出第二弾アルバム。英語タイトルはシンプルに"Harmony"だそうだが、原題に比べると広義すぎて軽んじられそうだ。中国語はもちろんのこと、チベット語やサンスクリット語(梵語)、マントラ(真言)、果ては自ら考案した言語(造語=Self-created Language)まで、様々な言葉を駆使した神秘的な音楽だ。一部英語の曲もあるが、何か宗教的な示唆を含んでいるのだろうとは思うけれど、英語の歌詞を見てもサッパリ意味が掴めない。

薩頂頂の音楽を分り易く説明するためにしばしば引き合いに出されるのが、ビョークとエニグマだ。およそ言語とは捉え難い呪文のような歌からは、Deep Forestぽさも加味されているように感じた。チベット仏教文化の色濃い音楽だが、演奏そのものは西洋の音階・楽器がベースになっていて、中国伝統楽器は風味付け程度の使われ方だ。そういう意味では、日本でも西洋音楽の様式に日本の伝統楽器を乗せたアーティストは沢山居るので、割と抵抗無く受け入れられそうな感じだ。

今年の初めにたまたまYesAsiaのサイトで目に留まったのが、そもそもの出合いだった。送料無料とまとめ買い値引きの両方の恩恵に与れる時機に買ってみた。エレクトロニカとワールド・ミュージックの融合のような音楽にたちまち魅了された。多くの通販サイトで廃盤とか品切れになっている前作「万物生~ALIVE」(2007)も聞いてみたくて調べていたら、ユニバーサル・ミュージック・ジャパンから国内盤(既に廃盤)が出ていたことを知った。何でその頃に出合わなかったのか、今頃になって情報収集力の限界を痛感させられた。

ただし、本作の国内盤は出る気配が無い。恐らく前作は大して売れなかったのだろう。おこがましい言い方だが、SunHeroの所には全く情報が入って来なかった。一体どの程度の宣伝を展開したのだろうか?まあ、もし情報が届いていたとしても、多分YesAsia辺りで輸入盤を買ってしまったことだろう。

通販サイトのクイック・チャイナによれば、ファースト・アルバムは2004年に中国国内だけで発売されていた。世界デビューとなった前作が2007年で、本作は2010年のリリース。あれだけのプロダクションを作り上げるには、3年周期のリリース・ペースになるようだ。そうすると、次作は2013年頃か?3作目にしてようやく世界的な注目を浴びるようになって来ただけに、このまま忘れ去られないよう、何か繋ぎの施策を講じるべきだと思うが、SunHeroがどうこう言うのは余計なお世話か?(苦笑)

アーティスト: サー ディンディン (薩頂頂) Sa Dingding
タイトル: Harmony(天地合)
発売日: 2010年02月12日
取扱サイト: HMVジャパン
備考: DVD付きニュー・バージョン、香港版

アーティスト: サー ディンディン (薩頂頂) Sa Dingding
タイトル: Alive(万物生)
発売日: 2007年08月31日
取扱サイト: HMVジャパン
備考: DVD付きニュー・バージョン、香港版

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