2010年05月26日

ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲 (2010日本)

ゼブラーマンのポスター普通のヒーローアクション映画を期待して見に行くと、思わず「金返せー!」と猛抗議したくなる映画だ。さぶ~い小ネタギャグを撒き散らしたユルユル脚本は如何にも宮藤官九郎らしい。しかも、迫力ある対決シーンの果てに、ああいう結末はないだろう。B級感漂う前作ならまだしも、本格的なCGやワイヤーアクション、特殊メイクを駆使した映像が素晴らしいだけに、どうにもミスマッチ感は否めない。元々ギャグ漫画だった「ヤッターマン」の方が割り切って見れたことだろう。

監督:三池崇史×脚本:宮藤官九郎×主演:哀川翔によるオリジナルヒーロー「ゼブラーマン」から6年、色々な意味でスケールアップした続編は、仲里依紗扮するゼブラクイーンの圧倒的な存在感が、内在するメリハリの無さを一蹴している。本作の公開直前までロードショー上映されていた「時をかける少女」まで引き摺っていた女子高生というハマリ役からも、見事に脱却したと言えよう。この映画の本当の主役はゼブラクイーンだと言い切ってしまっても過言ではないと思う。仲里依紗ももう二十歳だし、あの胸は自前?(爆) いっそ次はゼブラクイーンを主役にしたら、どうだろうか?

GW公開作の中で注目度とは裏腹に、観客動員数ではかなり苦戦を強いられたようだ。実際、多くの個人ブログで映画自体は酷評を食らっていた。だが、ゼブラクイーンだけは称賛されていた。「時をかける少女」に引き続いて公開されたことで、役柄のギャップ分だけ仲里依紗が一層大きくクローズアップされることになった。

その証拠に、ゼブラクイーン名義で出したCDはDVD付初回盤は既に完売で、ネット・オークションでは新品同様の中古品が1万円近い高値で出品されているそうだ。わざわざゼブラクイーンの公式サイトまで作って売り出す必要も無かった感じだ。その公式サイトでは2曲のビデオクリップが視聴できるが、映画から丸ごと抜粋したというべきか、映画に丸ごと使用したというべきか、映画で一番の見所を初回盤CDに収録してしまった気前の良さには好感が持てた。

ポーズを決めたゼブラクイーン本作で従来のイメージを翻したのは、仲里依紗だけでないようだ。ゼブラクイーンこと相原ユイのボディガードにして、ゼブラポリスの指揮官=新実役の安部力(つよし)は、中国系日本人俳優として中国・台湾でも活躍しているそうだが、心優しい気弱な青年役が多かったようだ。今回は悪役ではないが、ユイを守りたい一心から、結果的にゼブラーマンに日本刀で戦いを挑む役。今まで演じたことの無い役のオファーに、最初は驚いたそうだが、役柄の間口を広げる良い契機になったようだ。谷原章介の後釜は彼かも?

後もう一人、気になった存在だったのが、すみれ役の少女=永野芽郁(めい)。まだ11歳なのに大人の女性のように整った顔立ちで、見かけは子供でも実際には25歳という設定にピッタリの子役だ。ゼブラクイーンとは正反対のか弱い存在として描かれている。実は体内にエイリアンが入り込んでいて、そいつが悪さをしないよう必死で抑え込んでいたために、時々自分で植えた鉢植えの鉢を壊す乱暴さが露呈するものの、無口で内向的で謎めいた女の子を見事に演じていた。

物語の展開に重要な役割を果たす役だが、ゼブラーマン(白ゼブラ)とゼブラクイーン(黒ゼブラ)が合体するクライマックスで、何気に男女の和合を示唆する布団と枕が出てきて、この子役にまでギャグの台詞が用意されていた。この子が自然と女性らしさが滲み出すような年頃になって、もし三池崇史監督作品に出るようなことがあったら、とんでもない役をやらされそうな気がした。あるいは、仲里依紗のように堂々とそういう役をこなしてしまうのかもしれない。末恐ろしい子役かもしれないという予感がしたが、次回公開作はカルピス少女=川島海荷主演の「私の優しくない先輩」で、今度は普通に小学生役(主役の子供時代役?)らしい。

スト―リーはともかく、出演者に対する興味は募るばかりで、ガラ空きの平日レイトショー上映を狙って、ついに見に行くことにした。GWの客入りの悪さから早々とロードショー公開は打ち切りになるのかと思ったら、一日の上映回数こそ1-2回に減っていたが、郊外のシネコンではまだまだ上映中だった。上映時間を調べた結果、立川シネマシティでレイトショー上映をやっていたので、今回初めて訪れた。

実は地元の映画館なのに、後からできたCINEMA TWOの方に一度行ったことがあるだけで、CINEMA CITYで映画を見るのは今回が初めてだった。昼休みに金券ショップで前売券をチョットだけ安く手に入れて、上映開始一時間くらい前にチケットカウンターで座席指定券に引き換えたが、その時点では観客は私一人だったようだ。貸切が期待されたが、実際には両隣をアベックに挟まれ、前列には二組の男子グループ、後列にはやかましいヤンキー姉チャン御一行様と、完全に包囲されて少々窮屈な感じだった。

まあ、シート自体は見かけによらずMOVIXよりも心地良かったので、座り疲れは無かった。たまたま上映シアターがCity5というキャパ77席の小さい所だったせいもあって、精神的な圧迫感があったのかもしれないが、やはりMOVIXの方がSunHeroには合っているようだ。
posted by SunHero at 01:48| Comment(2) | TrackBack(2) | 日本映画鑑賞 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
クマネズミさん、私、お調子者なので、すぐ図に乗ってしまいます。ホドホドにお願いします(笑)。

>主役としての存在感が掻き消されてしまっているにもかかわらず(中略)、彼が律儀にもこの映画のPRにこれ務めている姿にもよっていましょう

主役の本当のお仕事はPRですよね。ほぼ全ての上映館を廻り、舞台挨拶を次々にこなし、合間にTV出演。映画の中ではスタミナ温存だったのかも?(笑)

SunHeroが子役に注目するのは、それなりに年齢を重ねてきた結果、最近よく「あのときの子役が~~」という場面に出くわすからです。仲里依紗はNo Markでしたが、YouTubeで見たら何気に見ていたCMのあれもこれもそうだったのか!と。ホント油断できませんよ。(笑)
Posted by SunHero [管理人] at 2010年05月27日 09:54
今回もクマネズミのブログの方にコメントをいただき、誠にありがとうございます。
きちんとこの映画を見れば、SunHeroさんがおっしゃるように、「この映画の本当の主役はゼブラクイーンだと言い切ってしまっても過言では」ありませんし、安部力の活躍振りも大したものです。
ですから、SunHeroさんのレヴューは、本来そうあるべき正統的な論評であり、『川の底』の相原綺羅同様に「すみれ役の少女=永野芽郁」にまで言及されておられることも含めて、極めてレベルの高いものだと思います。
クマネズミが哀川翔のことを取り上げましたのは、単に根っからの捻くれた性格によっているに過ぎないのですが、付け加えるとしたら、主役としての存在感が掻き消されてしまっているにもかかわらず(それは動かし難い事実でしょう)、彼が律儀にもこの映画のPRにこれ務めている姿にもよっていましょう(それが“100本締め”俳優のプライドかも知れませんが!)。
Posted by クマネズミ at 2010年05月27日 05:51
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ゼブラーマン
Excerpt: 『ゼブラーマン―ゼブラシティの逆襲―』を渋谷TOEIで見ました。  主演の哀川翔の映画デビュー25周年にあたる年に制作された記念すべき映画ということで、5月2日の記事で申しあげたように、この映画をジ..
Weblog: 映画的・絵画的・音楽的
Tracked: 2010-05-26 05:15

【映画評】<!-- ぜぶらーまん・ぜぶらしてぃのぎゃくしゅう -->ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲
Excerpt: ゼブラクイーンこと仲里依紗の熱演が目を見張る、監督・三池崇史&脚本・宮藤官九郎&主演・哀川翔トリオによるマスクド・ヒーロー・コメディ『ゼブラーマン』、6年ぶりの続編。
Weblog: 未完の映画評
Tracked: 2010-05-30 06:48
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