Sony Musicさん、ここぞとばかりに洋楽サイトの両アーティストの「インフォメーション」で、日本公演全三日分のセットリストを公開していますね。あれ見たら、何だかレポートする意欲が萎えてしまいました。SunHero的には4/17がベストで、その次が4/14。つまり、実際に観に行った日が一番ショボかった。とはいえ、これだけ代表曲を並べられると、4/16だって圧巻だったことに変りはありません。とてもマニアックなファンなら、むしろ4/16が最良のセットリストだったことでしょう。
SunHeroにとっては一年で一番忙しい時期に来日されちゃって、激務で疲れ果てた身体を引き摺って武道館に辿り着けたこと自体が奇跡でしたね。しかも、帰りは途中から雪になってしまい、日付が変る前に帰宅できませんでしたから、翌日は昼過ぎまで爆睡してました。予め横浜公演が追加発表になることを知っていたら、東京公演は初めからパスしてましたね。ベストな日程の公演が後から発表になるのは、ウドーがよくやるパターンですからね。ウカツでした。
セットリストのどこが不満だったかと言えば、主にJames Taylorの方。“Your Smiling Face”(4/14)とか“You Can Close Your Eyes”(4/17)とか、さらに欲を言えば、近年ではすっかりジャズのスタンダード・ナンバー化している“Don't Let Me Be Lonely Tonight”も聞きたかったです。ここから先はSunHeroの妄想的期待の話ですが、CKとデュエットで“Mockingbird”をやるとか、CKがBeatlesもカバーした“Chains”をやったんだから、JTはBeatlesの“Day Tripper”で対抗するとか・・・・やっぱり実現しませんでしたね。(苦笑)
Carole Kingの方は、前回の来日ではやらなかった“Jazzman”やってくれたから、もうそれだけで嬉しかったです。原曲よりテンポアップした分、Danny Kortchmarのソリッドなギターが冴え渡ってましたね。ただ残念だったのは手拍子。途中からコーラス隊が手拍子を始めたんだけど、4拍目は四分音符一拍じゃなくて、オリジナル通り八分音符二拍で決めて欲しかったですね。やっぱりCKについてもチョット不満だったかな?それよりも序盤CKがとても歌い辛そうだったので、季節外れの真冬並みの寒さに喉をやられたのか?と心配になりましたが、進行に連れて調子が出てきたので安心しました。
嬉しい誤算だったのはEverly Brothersの“Crying In The Rain”をデュエットしたこと。“You've Got A Friend”はもちろん、“Up On The Roof”もデュエットでやるだろうと予想はしてたけど、あの曲をJTもレコーディングしていたのは知りませんでした。私もA-HAがカバーするまでCKが作曲したことを知りませんでしたが、JTも後からCKがHoward Greenfieldと共作した曲だと知って大いに驚いたというようなエピソードが語られましたね。
そういえば、You've Got A Friend”も“Up On The Roof”もJTのバージョンをベースにしたアレンジでしたね。JTがあの美声を響かせるためには、JTのキーで演奏する必要があったのは理解できますが、後者はCKのソロ・パートで巧みに転調してCKのキーに合わせてましたよね?まるでBeatlesの“Strawberry Fields Forever”を生で聞いたような錯覚=興奮を覚えました。どこのブログのレポートでも触れられていないので、激務でモウロウとしていたSunHeroの幻覚だったのかもしれませんが・・・
何しろ、バックバンドの面子が凄かったですもんね。3曲目でThe Sectionの面々がステージに登場すると、JTが盛んに「Original Band」と言っていましたね。このコンサートはCKとJTの単なる共演と言うだけではなくて、1970年代に実際にJTのバックバンドとして活躍していた連中との久々の共演でもあった訳です。しかも、Danny KortchmarはCKとThe Cityというグループをやっていた訳で、Blood,Sweat&Tearsがカバーヒットさせた“Hi-De-Ho”はThe City唯一のアルバムに収録されていた曲だから、あの日この曲で失神しそうになった観客もいたことでしょう。
残念ながらThe Sectionのもう一人のメンバーだったCraig Doergeは不参加でしたね。何か健康上の理由でもあったのでしょうか?代ってキーボードで参加したのは、CKの初来日でバンマスも務めていたRobbie Kondor。CKの二女=Sherryの旦那様ですよね。CKがピアノを離れて歌う時には代りにピアノも弾いていました。彼がメインで使用していたキーボード、音がモダンすぎて1970年代の雰囲気を台無しにしちゃう場面とかあって、もう少し音色に気を使ってほしかったかも。
後、忘れちゃならないのが、コーラス隊の面々。JTのツアーでお馴染みのArnold McCullerとKate Markowitzに加えて、今回初対面だったAndrea Zonnがフィドル(バイオリンのこと)も演奏して好サポートでしたね。“Shower The People”ではCKも加わって、最高のハーモニーを聞かせてくれました。それでも、JTのライブDVD“Live at Beacon Theater”でのArnold、Kateに加えてValerie Carter、David Lasleyの4人でやったコーラスには及ばなかったかも。
ショーマンシップに長けたCKは時にカンペを読み上げながら、日本語で観客とコミュニケーションを図り、放って置いても勝手に歌いだすアメリカの観客に比べて、日本の観客が控えめなのを心得ていて、“Natural Woman”や“You've Got A Friend”では「一緒に歌いましょう」と呼びかける心遣いもありました。でも、前者では不勉強な観客が多かったのか、単に恥ずかしくて歌えなかったのか、ブリッジ部分のdone to me、good inside、close to youでは大合唱にはなりませんでした。
アンコールでは一旦終わると見せて「もう一曲?」と客を煽るCKのライブではお馴染みのパターンで、今や日本ではSoftBankモバイルのCMのおかげで子供でも知っている“The Loco-motion”で大団円となりました。このとき、JTだけが独り固まってしまい、コチコチになってワンフレーズ歌う姿は微笑ましかったですね。モチロン、JTならではのユーモアというか演出だった訳ですが。往年のJackson Browneのライブで“Stay”のワンコーラスをファルセットで歌うDavid Lindleyを思い出しました。
期待が大きすぎてチマチマとケチを付ける格好になってしまいましたが、もし行かなかったら一生後悔することになったに違いありません。直前に一切復習もせず、インターネットで直近のコンサートのセットリストを確認もせず・・・・というか、忙しくて出来なかったという事情もありましたが、謂わば丸腰で臨んだコンサートがこんなに楽しかったなんて、ホント久し振りのような気がしました。実際には2年前のCKの来日公演以来でしたね。(笑)
Carole King ∞ James Taylor
“Troubadour Reunion”Japan Tour
2010/4/16 日本武道館 演奏曲目
- Blossom (JT 1970)
- So Far Away (CK 1971)
- Machine Gun Kelly (JT 1971)
- Carolina In My Mind (JT 1968)
- Way Over Yonder (CK 1971)
- Smackwater Jack (CK 1971)
- Country Road (JT 1970)
- Sweet Seasons (CK 1971)
- Mexico (JT 1975)
- Song Of Long Ago (CK 1971)
- Long Ago And Far Away (JT 1971)
- Beautiful (CK 1971)
- Shower The People (JT 1976)
- (You Make Me Feel Like) A Natural Woman (CK 1971)
~~ intermission ~~- Copperline (JT 1991)
- Crying In The Rain (CK 1983/JT 1993*)
- Hi-De-Ho (That Old Sweet Roll) (CK 1968/1980)
- Sweet Baby James (JT 1970)
- Jazzman (CK 1974)
- Will You Love Me Tomorrow (CK 1971)
- Steamroller (JT 1970)
- It's Too Late (CK 1971)
- Fire And Rain (JT 1970)
- I Feel The Earth Move (CK 1971)
- You've Got A Friend (JT 1971/CK 1971)
== encore ==- Up On The Roof (CK 1970/JT 1979)
- How Sweet It Is (To Be Loved By You) (JT 1975)
- The Loco-motion (CK 1980)
*: available on Art Garfunkel's "Up 'Til Now" album
♪ Musicians ♪ - Carole King (Vocal/Piano/Guitar)
- James Taylor (Vocal/Guitars)
- Danny Kortchmar (Guitars)
- Russell Kunkel (Drums)
- Leland Sklar (Bass)
- Robbie Kondor (Keyboards/Piano)
- Arnold McCuller (Vocal)
- Kate Markowitz (Vocal)
- Andrea Zonn (Vocal/Fiddle)
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[Live!] Carole King & James Taylor Troubadour Reunion Tour @日本武道館
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この記事へのコメント
SunHero the Owner
最善を尽くせば最前列ってことですかね?(笑)
TBもありがとうございました。
Midge大佐
“Natural Woman”はCKの単独でも観客に歌わせてましたけど
前の方だと前回同様みんな歌ってる感じでしたよ。
私としては最前列で浮かれて見てましたのでw
ただただ素晴らしかったと言う感想です・・・
ミーハーなんですねw