2010年02月18日

BoA - IDENTITY (February 2010)

ジャケットA(DVD付)iconジャケットB(CDのみ)icon

全米デビュー・アルバムを挟んで“THE FACE”以来2年振りのリリースとなる、BoA通算7枚目の日本語オリジナル・アルバム“IDENTITY”がドロップされた。主体性という意味のアルバム・タイトルからも察せられる通り、初セルフ・プロデュース作品(クレジット上は「Co-Producer(共同プロデューサー)」)だ。自ら作詞作曲を手掛けたものが6曲(内2曲は作詞のみ)。他の曲も大半はBoAの意向に基づいて書き下ろされているそうだ。そこには、今までファンにすら見せたことのない素顔のBoAが詰め込まれていた。

サウンド面でも全米デビューの成果はのっけから全開だ。オープニングを飾る“This Is Who I Am”はBoA作詞作曲で、従来には無かったようなAdult ContemporaryなR&Bチューンだ。グッと大人びたBoAが、過去のヒット曲のタイトルや歌詞を巧みに引用しながら、自らの半生を赤裸々に綴った歌詞がセンセーショナルな楽曲だ。未だにアイドル視しているファンはさぞ面食らったことだろうが、SunHeroは思わず目頭が熱くなった。今度こそ本当にアイドルからの脱却だと感じたからだ。これまでも様々なラブソングにおいて類稀な歌唱力でリスナーを感動させてきたが、所詮はキレイ事というか絵空事。どんなに感情を込めて歌い上げても、ありったけの想像力を働かせて、架空の恋愛シーンに感情移入しているに過ぎなかった。恋に恋する少女のうちはそれでも十二分に良かったが、大人になったらそうは行かない。

3つ前のアルバム“OUTGROW”あたりから大人の歌手への脱皮を模索し始めて、チョット悪びれた(あるいは、突っ張った)感じの曲もやるようになった。だが、私生活で芸能紙ネタになるようなスクープが皆無に等しかったこともあって、どこか白々しい印象だった。

ところが、今作はオープニングから本音全開だ。9曲目「ネコラブ」でも、人目をはばかりながら街でデートする様子・心情を歌にしている。本人はフィクションだと言っているが、描写がヤケにリアルだ。平易な言葉で綴られる心情は、有名人とはいえBoAも普通に年頃の女の子なんだという当たり前のことに改めて気付かせてくれる。

彼氏と二人で映画を見に行っても、正体がバレてしまうことを恐れてばかりいて楽しめず、帰りのタクシーの中で溜りに溜ったフラストレーションを彼氏にぶつけてしまう。有名人ゆえの窮屈な日常の一場面が描かれていて、一人称の歌詞なのに何となく客観的に自分を見つめているような歌い方がリアリティを増幅する。何だか痛々しくさえ思えてきた。

SunHeroはアルバムを聞き進むうちに年頃の娘を持った父親のような気分になった。それも13歳で音楽業界に身を投じ、母国を飛び出し、何の手助けもしてやれない日本アメリカで奮闘し、恐らく自分よりも稼ぎのいい娘の父親だ。頭でも撫でながら、10年間本当によく頑張ったと、褒めてあげたい気分だ。

直接会ってそんなことが言えるとは到底思えないが、今月ついにBoAのライブを見に行くことにした。実は、BoAが日本でファースト・ライブを開催した時に、照れ臭い気持ちが先行してチケットを取り損ねてしまった。その時、BoAが二十歳になったら見に行こうと決めたのだが、残念ながら日程が合わず断念した。まさかここまで本音を吐露したアルバムが出るとは思っていなかったが、これで心置きなく初観賞が楽しめそうだ。

ただ世間一般には、このアルバム、どんな感じで受け止められるのだろうか?同日発売にはFunky Monkey Babysのベスト盤という超強力リリースがいるので、ただでさえオリコン1位はキビシイ感じだ。ファースト・アルバムから続いていたオリジナル・アルバム連続No.1の記録がついに途切れる時が来たのは残念だ。ORICONの2/22付アルバム週間ランキングでは、一週前にリリースされた木村カエラや倖田來未にも敵わず、初登場4位だった。

本作のリリースを受けて今月から始まるコンサート・ツアーの方も、アリーナ・ツアーからホール・ツアーにシフトしていて、初めから集客が落ちることを想定していた感じだ。追加公演として発表されたツアー最終日も、先行予約の二次募集を出しているチケット販売業者もあって、脱アイドルを宣言した代償は大きいようだ。逆に、SunHeroのようなBoAの父親世代が見に行くには好条件が揃ったと言える。

デビュー以来ずっとトップを走り続けてきたんだから、一時的に人気が落ちたっていいじゃないか!BoAと一緒に成長できないお子ちゃまなファンなんて、フルイに掛けちゃえ!いっそご褒美でしばらく休養してもいいんじゃないか!ついでに、婚活したっていいとさえ思う。あるいは、まだ韓国で需要があるなら、“Girls On Top”(パッケージ・リニューアル後は“MOTO”に改題)に続く韓国6集を出してほしい。

BoAは自作曲でこれからがお楽しみだと宣言している。アーティストとして本格的に踏み出したBoA、今後も見守って行きたい。

★Best Track=“Fallin'”
大方のファンはアルバムを締め括るバラード“my all”を高く評価するだろう。ファンへの感謝の気持ちを込めた曲だからだ。SunHeroだってイイ曲だと思っているが、それを一層引き立てているのが、前奏に当るこの曲だ。
曲想の元ネタは、Michael Fortunatiの“Give Me Up”だと思われる。コード進行やアレンジを手本にしながら、サビの部分などメロディを全く変えてしまっているので、盗作には当らない。Bananaramaの“I Heard A Rumour”(この曲も大好きです、念のため)ほど露骨じゃないのが見事だ。(爆)
※リンク先で視聴できると思います。ご興味のある方はどうぞ!気に入った方は是非そのままご購入下さい!!^m^

【同種のトピック】
臨海魂や~! by ヒロポクさん: 2/10 “IDENTITY”
Chaosnight -Blog side- by 大神頼哉: BoA "IDENTITY" pt.2

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posted by SunHero at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | CD紹介(日本) | 更新情報をチェックする
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