思い返せば、18年前、バブル景気真っ只中、ついに実現したRolling StonesやPaul McCartneyの来日公演をはじめ、空前の来日ラッシュの折、16年越しの想いが叶って初来日が実現しました。当時の来日アーティストのチケット代の相場はS席=6,000円台でしたが、ナント強気の7,500円。今年と同様で、既に複数枚のチケットが手元にあった状況では、チケット代が捻出できず、一旦諦めました。
ところが、新譜が出たとはいえ、世間的には「過去の人」同然の状況ゆえ、チケットの売れ行きは余り芳しくなかったようです。一般発売から日にちが経っていましたが、UCカードがカード会員向けに流す優待情報の中にCarole Kingの名前を見つけました。多分公演日のひと月前とか、そんな時期だったと思います。仕事のやりくりも何とかなりそうだったので、電話予約をしたところ、ナントNHKホールの1階、前から数えた方が早い席が取れました。
今では考えられないことですが、当時Ode~Capitol時代の国内盤は“Tapestry”と“Her Greatest Hits”しか出ていませんでした。その辺はアーティスト側も十分承知していたのか、この2枚と新譜さえ聞いておけば一応楽しめる内容になっていました。60年代コーナーは本来なら今回と同じくメドレー形式だったと思われるところ、わざわざ「次の曲は誰々に提供した曲です」と前振りを入れてくれたので、ほとんど分らなかった私ですら、後日元歌を確認して感動を新たに出来ました。
今回の来日公演も、あの時と基本姿勢は同じでした。ウチの近所のオバサン連にも見習って欲しいほど低姿勢で、日本語を織り交ぜながら観客との距離感を縮めようとする姿には、同時期の他のシンガーソングライターには見られないショーマンシップが感じられました。放って置いても歌いだすアメリカの観客とは違うことも承知していて、「一緒に歌って下さい」なんて丁寧にお願いされちゃったら、そりゃ大声で歌っちゃいますよ。
そういえば、アメリカの公式サイトにも「Nihon no fan no minasan no tameni performance dekiro koto o taihen koei ni omotte imasu.」(対訳/日本のファンの皆さんの為にパフォーマンスできることを大変光栄に思っています)って書いてあるんですよ。あれを見たとき、Carole Kingの人柄に感動して、目頭が熱くなりましたよ。ステージ上でも「お客様は神様です」を嫌味無く体現していて、こういう人が大統領になればいいのに!と真剣に思いました。
日本の芸能人は影でこそこそ政治資金パーティーとかに出たりしますが、アメリカのタレントは堂々と自分が支持する政治家を表明しますよね。Carole Kingはオバマ!“Sweat Seasons”の二番の歌詞を変えて、オバマ大統領誕生を祝っていましたね。時事ネタを織り交ぜて、観客を笑わせるあたりも流石です。
セットリストは後述の通りです。基本的にはライブCDとライブDVDの中庸を行く内容でしたね。個人的に嬉しかったのは、(1) 60年代メドレーの中にさりげなく自身のヒット曲“It Might as Well Rain until September”が紛れていたこと。(2) 日本では来日記念盤としてリニューアルした最新盤からも表題曲をやってくれたこと。あのサビのメロディは絶品ですよね?
逆に、とっても残念だったのは、80~90年代の作品は止むを得ないとしても、“Fantasy”(1973)~“Touch The Sky”(1979)までのアルバムからは一曲もやらなかったこと。特にCarole Kingとの出会いの曲だった“Jazzman”、ライブCDでは楽しく3人で演奏していたのに、同名DVDには収録されていなかったので覚悟はしてましたが・・・・。
他にもやって欲しかった曲は沢山あります。一例を挙げると、“Only Love Is Real”、“Hard Rock Cafe”、“Oh No Not My Baby”。第二部がやたらと短かったのは、この辺の曲をやらなかったからに他なりません。
それから、2日目以降の“The Loco-motion”がどうだったのかも気になります。Carole Kingの楽曲で恐らく日本で最も広く知られた曲だと思いますし、アンコールも大詰めで観客もすっかり歌うことに慣れてきた頃合でしたから、最初からアップテンポでやった方が絶対に良いと思いました。
それにしても、御年66歳ですからね。18年前にみたいにピアノの上に乗ったりはしませんでしたが、森光子並みのバイタリティには圧倒されました。私、40代半ばで早くもお疲れモードですから、60代の自分を想像すると、多分生きていたとしても寝たりきりじゃないでしょうか?(~_~;)
ああ、死ぬ前にもう一度見たい!出来れば、今度はフルバンド編成で!例え“Tapestry”からは一曲もやらないライブでも行きますよ!むしろ、その方がもっと嬉しいかも!?(^^ゞ
I've had enough of Tapestry!
You've Got a Lot More to Perform!
Welcome to My Living Room Tour - Japan 2008
Her Best Hits Live
According to the very first show in Japan 2008
- Beautiful
- Welcome to My Living Room
- Been to Canaan
(Gary Burr appears)- Up on the Roof
(Rudy Guess appears)- Where You Lead, I Will Follow
- Home Again
- Nothin' 'Bout Love Makes Sense (Gary's song)
LeAnn Rimes' version available on her 2005 release "This Woman"- Love's Been a Little Bit Hard on Me (Gary's song)
Peaked at #7 on Billboard Hot 100 in 1982 by Juice Newton- Smackwater Jack
60's Medley:- Take Good Care of My Baby~
- It Might as Well Rain until September~
- I'm into Something Good~
- Go Away Little Girl~
- Hey Girl~
- One Fine Day~
- Will You Love Me Tomorrow?
-intermission-- Love Makes the World
- Sweet Seasons
- It's Too Late
- Chains
- Natural Woman
- Pleasant Valley Sunday
- Being at War with Each Other
- I Feel the Earth Move
-encore-- So Far Away
- You've Got A Friend
- The Loco-motion
この記事へのコメント
SunHero[管理人]
結構モンキーズの曲が聞けて嬉しかったといった感想を目にしましたが、日本でそんなに知名度の高い曲なんでしょうか?元々彼等のイメージに則して書き下ろした曲ですから、作者自身がカバーしてもモンキーズっぽく聞こえるのは当たり前だと思っているので、そういう感想が不思議でなりません。多分、私の認識不足なんでしょうね。
プーニール
相変わらず声に説得力があって、すっかり聴き入っていました。
私も「Pleasant Valley Sunday」を初めて聴いたので面白かったです。
案外モンキーズのアレンジに近かったですね。
SunHero[管理人]
コチラから何度TBを送信しても、そちらの記事に反映されなかったので、BikkeさんからTBが来たら、リトライしようと思っていました。実際、今度は上手くTBできたようです。突散らかったブログですが、趣味の合う記事がありましたら、コメントやTBを頂戴したいと思います。
あっ!そうだ。近いうちに「観光案内」に登録させていただきますね。ではまた!
bikke
素晴らしいコンサートでしたよね!
TB送らせていただいたのですが、「言及リンク」の意味がいまいち良くわかってないので、どうなるかはわからないのですが…
是非、今後ともよろしくお願いします。
SunHero[管理人]
ご質問の件、240さんも分らないとなると、どうなんでしょうね?“Pearls Pt.2”みたいなアルバムを作ったら、今度はちゃんとカバーするでしょうね。
18年前にもメドレーの1曲として披露しているので、珍しいとは思わなかったんですが・・・・Take Good Care~とかI'm into~とかもセルフカバーしていないですよね?
240
キャロル・キング、いいですよね。
「Love Makes the World」、愛聴盤になってます。
このセットリストで驚くべきは、モンキーズの「Pleasant Valley Sunday」でしょうね。恐らくキャロル自身はレコーディングしていないのでは??
聴いてみたいなあ~。