会場の恵比寿 The Garden Hall には、普通のライブハウスにありがちな視界を遮る柱はないものの、後方まで真っ平らなフロアでは、まず大半の女性客が可哀相だ。男性客というバリケードに阻まれて、ステージを見渡すことはおろか、原田知世の姿を見ることもままならないからだ。次に私のように体力の衰えてきた中高年男性客も悲惨だ。私の足は第一部が終わる頃には自分の体重を支える限界に達していた。その上、前週の「全席指定」時の1.5倍は詰め込んだと思われる場内は、大人しい客ばかりだというのにヒートアップする一方だった。蒸し暑さに堪らず、しゃがみこんでしまったり、ロビーへ出て行ってしまう客が、男女を問わず何人もいた。確かロビーにはモニターTVが置いてあったと思うので、恐らくステージの見えない場内よりも涼しくて快適だったのではないだろうか?
終演後偶然関係者の立ち話を聞いてしまったのだが、入場者数は約1200名だそうだ。開場前の整列の際に、まずファンクラブ会員だけ特別枠で200番までコールされ、その後ろに一般客が1番から50番単位で並ぶように指示されたから、私の整理番号=500番台というのは、一般客の中では真ん中辺りということになる。というか、前週のように1階フロアに座席を用意した場合のキャパは770席ほど。そんな会場に1200人も詰め込めばどうなるか、主催者側に十分な配慮はなかったようだ。
私のような一人客だと休憩時間もその場を離れるわけに行かず、「身体を動かしたり、ロビーでお寛ぎ下さい」という原田知世の悪意のない気遣いの言葉すら腹立たしく感じてしまった。冬場のコンサートなのに、コート類を預けるクロークもなかったから、自分の足元に置くしかなかったのも、演奏にノレない一因だった。
一応ペットボトルの飲料を販売していたが、入場時には気付かなかったし、グッズ販売と同様に儲け主義的な発想からの配慮にしか思えなかった。ツアー・グッズのTシャツも、衣装協力をしたブランドの提供商品ってことで、相場より高めの価格設定=5,000円だった。原田知世本人がステージで着用していたのを見た時は「欲しい」と思ったが、終演後間近で絵柄を確認して、私が着るには可愛すぎるなと思ったし、値段見てキッパリ諦められた。
決して原田知世自身が悪いわけではないが、豪華ゲスト陣と共に25周年ツアーファイナルを祝おうと楽しみにして来た観客の中には、劣悪な鑑賞環境に憤慨こそしなかったものの失望した人も少なくなかったと思う。次々に登場するゲスト陣とのコラボは、なかなかの聞き物だっただけに、心ゆくまで楽しめる状況ではなかったのは本当に残念だ。
※ ライブレポート本文は、セットリスト確認後アップ予定です。
この記事へのコメント
SunHero
あかね
私はライヴハウスでは後方壁際に陣取る人なんですが、それは端から諦めているからですね。
事前アナウンスがなければ心の準備もできないし、期待と結果のギャップが大きいですよね。
失望感が伝わってきましたが、肝心の音楽の話もまた教えてください。