
<セットリスト>
1.青のレクイエム
2.はなだいろ
3.蛍草の夜
4.Ob-La-Di, Ob-La-Da
5.語り継ぐこと
6.恐竜の描き方
ビートルズのカバー以外は全部ニュー・アルバム収録曲という見かけに依らず強気な選曲だった。ついつい6月のコンサート・ツアーを逃したファンへの思いやりと勝手に解釈してしまう私も強気なのか?裸足で歌い舞う姿は3年前に観たライブそのままなのに、さりげなく今の元ちとせをアピールする選曲には、守り続けるべきものと向上心を持って変わり続けるべきものをシッカリわきまえている感じがした。それは同じ強気でも私の傲慢さとは全く違う次元のものだ。
あの時期に妊娠休業するのは、アイドル歌手なら致命的だ。元ちとせにしても少なからず痛手だったことは、復帰後のCDセールスが休業以前に及ばないことが証明している。だが、一度彼女の歌い舞う姿に触れれば、そんな世俗的な尺度で元ちとせを評価することが馬鹿げている事に気付くはずだ。
ただそれに気付くには多少年齢を重ねる必要もあるようだ。私の隣の女の子達はしばらく退屈そうにしていたが、やがて聞き惚れている私の前を横切って客席外へ姿を消した。どうせなら始まる前に席を立てよと腹立たしかったが、そんな気持ちまでもあの歌声が優しく消してくれた。デビュー当時のキャッチコピーだった「100年に一人の歌声」が伊達でないのを再確認した夜だった。でも、どうだろうか?中盤にジックリ聞かせるアーティストが続いてしまったことを、「会場内がクールダウン」と評している人も結構いるようだ。立ち上がって騒ぐだけがライブじゃないだろう?やりすぎれば目障り・耳障りなだけだ。
一方では子連れのヤング・ファミリー客も目立っていた。幼稚園にすら上がっていないような小さな子供はすぐに退屈してしまう。客席で愚図られるのは迷惑だ。
出演者の多様化が観客の多様化を呼び、同じものを見て聞いても相反する感想が生れるのは当然だが、隣の女の子達も子連れ客も周りの客への配慮が足りない。今にして思えば、第一回の方がコンサート慣れした客が多かったのか、マナーはずっと良かったように思う。
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