彼から影響を受けてハマってしまった最も新しいものがアジアン・ポップスだ。彼が昔からテレサ・テンの音楽(歌唱)に強く惹かれていたのは知っていたが、それが講じて中国での彼女の音楽活動にまで手を伸ばしていたのを知ったのは、20世紀も押し詰まった頃だった。
好奇心旺盛な彼らしく、テレサ・テンの中国盤を聞き始めれば、それだけでは済まなくなる。私が気づいた時には既にチャイニーズ・ポップスのCDを相当数買い込んでいた。正直言って、どのCDもピンと来なかった。否、むしろ最初に聞かされた時にはピンと来ないのが普通だった。どうやら何度か聞かされているうちに私の中に受け入れ態勢が整うようだ。
彼のチャイニーズ・ポップスへの傾倒は1年ほどで収束したが、入れ替わるように私がハマってしまった。テレサ・テン以外で唯一覚えていたフェイ・ウォンが、レコード会社移籍第二弾のアルバム「唱遊」をリリースした頃だった。新宿のタワーレコードで店内にこのCDを流していたのだ。誰のCDなのか、すぐには分らなかったため、店内をウロウロしていたら、アジア音楽のコーナーに一際目立つようにディスプレイされていた。直感的にコレだぁ!と思ったらそうだった。
給料が入ってから、ついにそのCDを買った。しばらくはCDウォークマンに入りっ放しだった。大袈裟な表現だと自分でも思うが、「中国四千年の伝統に裏打ちされた音楽をベースに、西洋のポピュラー音楽の要素を巧みに散りばめた音楽」というのが、当時の素直な印象だった。要は当時まだ英国領だった香港独特の文化を端的に象徴していたのだと思う。
その年の暮れには初来日で武道館公演という無謀な企画が発表になり、K.T.を無理矢理コンサートに同行させた(笑)。通い慣れたはずの武道館は半分くらい在日中国人という未経験の雰囲気だった。中にはわざわざ香港などから駆けつけた熱烈なファンも居たそうだ。
私が新宿ルミネの新星堂に足繁く通うようになったのは、その頃からだった。近隣の大型CD店よりも2~300円は安く中華モノのCDが買える事が分ったからだ。しかも、ひょっとしたら新宿地区で最大なんじゃないかと思えるほど、中華モノに売場スペースが割かれていた。
初心者には当たり前のことだが、大半は全く見識の無い歌手ばかりだったが、その中から目敏くケリー・チャンを見つけた。当時は日本の化粧品のCMに出ていた程度で、女優であることすら知らなかった。当然歌手であることも、国内盤CDが出ていたことも知らなかった。早速新譜らしき1枚を買ったが、前半畳み掛けるようにユーロビート調の曲が続き、失敗したと思った(笑)。ケリーに首ったけ(笑)になるのは、宇多田ヒカルの“Automatic”を中国語でカバーしてからのことだ。
その他もほとんどジャケ買いで、主に女性香港ポップスものを買い漁った。K.T.は既にイタリアン・ポップスに矛先が向かっていたため、いつの間にか私の方がこの手のCDを多く所有するようになっていた。やがて新星堂では隣接する韓国音楽のコーナーでBoAと出会うことになり、21世紀初頭から本格的にアジアン・ポップスにのめり込むことになった。
ちなみに、最大のご贔屓アーティストはビビアン・スーです。日本でもバラドルとして活躍した、あのビビアンです。台湾に活動拠点を戻してからが本領発揮といった感じで、立て続けに好盤(日本未発売)を出しています。次がやっぱBoAかな~?以下同列でフェイ・ウォン、ケリー・チャン、ジジ・リョン、・・・・最近個人的に赤丸急上昇中なのがヴィッキー・チャオ。み~んな女性なのは、私が男だから?(笑)
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